2026-05-14 コメント投稿する ▼
白川容子議員が警告 OTC類似薬「保険外し」は国民皆保険の理念に反する
日本共産党の白川容子議員は2026年5月14日の参院厚生労働委員会で、健康保険法改定案に盛り込まれた「一部保険外療養」制度について、これまでとは全く次元が違う保険制度の改悪だと批判しました。市販薬と成分が似た「OTC類似薬」を処方された場合、薬剤費の25%を患者が追加負担する新制度で、対象は約77成分・約1100品目に上ります。3割負担の患者が実質5割負担に跳ね上がる一方、保険料の軽減効果は月33円程度にすぎません。白川氏は「必要な医療は保険で確保する」という国民皆保険の理念に反すると訴え、大企業・大株主への課税で財源を確保すべきだと求めました。
保険が適用されていた薬の費用の一部を患者に追加負担させるこの仕組みは、「必要な医療は保険診療で確保する」という国民皆保険制度の根本的な理念に反するものだと、白川氏は強く訴えました。
「一部保険外療養」とは何か 保険はずしの仕組みを解説
今回の健康保険法改定案には、市販薬と成分や効能が似ている「OTC類似薬」を医師が処方した場合、薬剤費の25%を保険が適用されない「特別の料金」として患者に追加負担させる新制度の創設が盛り込まれています。対象となる薬は湿布や保湿剤、胃腸薬、解熱鎮痛剤など約77成分・約1100品目で、2027年3月の施行が想定されています。
現在、窓口で薬代の3割を負担している患者の場合、この制度が導入されると実質的な薬剤費の負担は約5割にまで跳ね上がります。花粉症で受診した場合の事例では月に1,500円程度の追加負担が生じると試算されており、政府が強調する保険料の軽減効果は加入者一人あたりわずか年間400円(月33円)にとどまります。
「薬代がこれ以上上がったら、もう病院に行けなくなる。痛みがあっても我慢するしかない」
「湿布や胃腸薬まで追加負担になるなら、病気になるのが怖くなる。治療を受ける権利を守ってほしい」
「全く次元が違う改悪」 間保険局長が問題の核心を認める
日本では、保険が適用される診療と保険外の診療を組み合わせる「混合診療」は原則として禁止されています。例外として2006年に「保険外併用療養費制度」が導入され、先進医療など将来の保険適用を前提とした「評価療養」や、差額ベッド代のような患者が自ら選ぶ「選定療養」については保険診療との併用が認められています。
白川氏は、今回の「一部保険外療養」は評価療養や選定療養とは根本的に性格が異なると指摘しました。評価療養は保険の対象外だったものを将来的に保険収載することを目指す制度であり、選定療養は患者が自ら追加サービスを選ぶ仕組みです。これに対し今回の制度は、これまで保険が適用されていたものを一部とはいえ保険から外すという全く異なる性質のものです。
白川氏の追及に対し、厚生労働省の間隆一郎保険局長はその指摘の通りであることを認めました。白川氏は「必要な医療は保険診療で確保するという国民皆保険制度の理念に反する」と批判しました。
かつて保険が使えた薬が使えなくなるなんて、制度の後退じゃないか。これが改革というのは納得できない
「その他」規定で際限ない拡大の懸念 条文上は全額負担も可能
白川氏が問題にしたのは対象薬剤の範囲だけではありません。選定療養の対象は法令上「特別の病室の提供その他」と規定されており、差額ベッド代以外にも拡大されてきた経緯があります。今回の「一部保険外療養」にも同様に「その他」の規定が設けられており、OTC類似薬にとどまらない保険外しの拡大への道が制度上開かれているとして、白川氏は強く追及しました。
上野賢一郎厚労相は「OTC類似薬以外の追加は想定していない」と答弁しましたが、条文上は薬剤費の全額負担も可能であることをすでに衆院審議で認めています。さらに、薬剤だけでなく診察・処置・手術・在宅医療についても厚生労働省の判断で保険給付から外せる条文となっており、将来的な医療全般への拡大を懸念する声が広がっています。
政府が『想定していない』と言っても、条文に書いてある以上、将来何が起きるか分からない。不安しかない
大企業・大株主への課税こそが財源確保の道筋
白川氏はさらに、政府が保険料の負担軽減を図ると言いつつも、「度重なる負担増が強いられることになるのではないか」と指摘しました。そのうえで、保険料上昇を抑制するには患者に追加負担を押しつけるのではなく、「大企業や大株主への課税で対応するべきだ」と求めました。
物価の高止まりが続く中、医療費の窓口負担をさらに増やすことは、低所得者層や高齢者ほど深刻な影響を与えます。「薬の追加負担をやめてください」という署名活動には短期間で11万人を超える署名が集まっており、国民の間に広がる不安と反発の強さを示しています。
保険料を上げず患者負担も増やさないためには、大企業や富裕層に応分の負担を求めるのが筋ではないのか
健康保険法改定案は2026年4月28日に衆院本会議を通過しており、今後の参院での審議が注目されます。
まとめ
- 白川容子議員が2026年5月14日の参院厚労委で健康保険法改定案を批判
- 「一部保険外療養」制度はOTC類似薬(約77成分・約1100品目)の薬剤費25%を患者の追加負担とするもので、2027年3月施行を想定
- 3割負担の患者は実質約5割負担になる一方、保険料軽減効果は月わずか33円にとどまる
- 間隆一郎保険局長が「保険適用していたものを保険から外す仕組み」であることを認め、白川氏は国民皆保険の理念に反すると批判
- 「その他」規定によりOTC類似薬以外への拡大が可能で、条文上は薬剤費の全額負担や診察・処置・手術なども対象にできると上野厚労相が衆院で認めている
- 反対署名は短期間で11万人超に達しており、参院での徹底審議が焦点
- 白川氏は財源確保のため患者負担増ではなく大企業・大株主への課税を求めた