2025-07-01 コメント投稿する ▼
日米豪印が重要鉱物サプライ網で結束 中国依存からの脱却へ経済安保を強化
日米豪印が重要鉱物で連携強化へ 海洋圧力にらみ経済安保を本格協議 クアッド外相会合
中国を念頭に「力の現状変更に反対」
日米豪印の4カ国による戦略的枠組み「クアッド」の外相会合が1日、米ワシントンで開催され、経済安全保障や海洋安全保障を軸に実務的な連携を進める方針で一致した。今回の会合では、特に重要鉱物資源の供給網強化が主要テーマとなり、各国が連携して中国依存を減らす方向性を確認した。
参加したのは、日本の岩屋毅外相、米国のルビオ国務長官、オーストラリアのウォン外相、インドのジャイシャンカル外相の4人。声明では、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた協力を継続することが改めて確認された。特に中国の台湾・南シナ海での軍事圧力、フィリピンに対する威圧行為などを念頭に、「力や威圧による一方的な現状変更の試みに強く反対する」と明記した。
「やっと鉱物の話がクアッドで動いたか。遅すぎるくらい」
「中国依存は減らして当然。日本ももっと踏み込むべき」
「日本はまた支援だけで終わらせないか心配」
重要鉱物の供給網、日米豪印で分担構築
今会合で最も具体的な議論となったのは、リチウムやコバルト、ニッケル、レアアースといった「重要鉱物資源」のサプライチェーン構築だ。脱炭素社会を支える次世代電池や半導体製造に不可欠なこれらの鉱物資源は、現在中国が加工や供給において高いシェアを握っており、経済安全保障上のリスクが指摘されてきた。
今後は、資源の産出国(インド・オーストラリア)と、製造・技術力を持つ国(日本・米国)とで役割を分担し、サプライチェーンの多元化と透明性確保を目指す。岩屋外相は、「鉱物の採掘から加工、製品化、そして流通まで一貫してクアッドで協力できるよう、事務レベルで具体案を詰めていく」と語った。
「鉱物資源はもう武器。中国に頼るのがどれだけ危険かやっとわかった?」
「インドとオーストラリアが鍵だな。日本は加工技術に専念でいい」
「これこそインド太平洋の現実的な防衛だと思う」
4分野に焦点、次回首脳会合に布石
クアッドは今回、今後重点的に取り組む4つの優先分野を整理した。
* 海洋・越境安全保障
* 経済的繁栄と経済安全保障
* 重要・新興技術(AI・量子技術など)
* 人道支援・災害緊急対応
特に「海洋安保」では、南シナ海やインド洋における共同訓練や海上保安庁間の情報共有、違法漁業への対処を進める。また「新興技術」では、半導体やAIの倫理的運用、供給網の安定化などで協調体制を強める方針が示された。
ウクライナや中東の緊張にも意見交換がなされ、北朝鮮の拉致問題については岩屋外相が早期解決への支持を求め、各国から理解と協力の意思が示された。
“結束”を印象づけたクアッド 課題は「成果主義」へ
今回の外相会合は今年1月に続く2回目。来年はオーストラリアが外相会合を、今年後半にはインドが首脳会合を主催する予定となっており、外交的な一体感を演出する狙いもある。
岩屋外相は会合後、記者団に「結束の強さを国際社会に示すことができた。首脳会合に向けてよい準備になった」と述べた。
ただし、クアッドの限界としてしばしば指摘されるのは、「具体的な成果の乏しさ」だ。特に安全保障分野において、実働的な軍事協力に踏み込めないことが弱点とされており、経済・技術連携を通じた実績積み上げが急務となっている。
今後は、単なる合意発表に終わらず、具体的な鉱物供給ルートや協定の締結、技術連携による商業プロジェクトの立ち上げなど、目に見える進捗が求められる。
「クアッドはいつも“言うだけ”。今回は動けるか?」
「供給網の構築って簡単じゃない。まずは鉱山と交渉だ」