2026-07-04 コメント投稿する ▼
豚熱で初の選択的殺処分 静岡・富士宮市の養豚場 改正家畜伝染病予防法を初適用
静岡県は2026年7月4日、富士宮市内の養豚場で家畜伝染病「豚熱(CSF)」の感染が確認されたと発表しました。今年(2026年)5例目となる国内発生です。今回は2026年5月19日に施行された改正家畜伝染病予防法に基づく「選択的殺処分」が全国で初めて適用されます。従来の全頭殺処分から変わり、ワクチンを事前接種して免疫を獲得した症状のない豚は殺処分しません。同養豚場で飼育する約1,200頭のうち約1,000頭が殺処分される見込みで、残りはワクチン接種済みとして継続飼育されます。豚熱は豚とイノシシ以外には感染せず、人に感染する心配はありません。農場経営への打撃を軽減しつつ感染拡大を防ぐ新たな制度が初の実地試験を迎えました。
今年(2026年)5例目となる国内での豚熱の発生で、今回初めて、2026年5月に施行された改正家畜伝染病予防法に基づく「選択的殺処分」が全国で適用されます。
豚熱(CSF)とはどんな病気か 人には感染しない
豚熱(CSF)は豚やイノシシのみが感染する家畜伝染病です。感染した豚は発熱・食欲不振・下痢などの症状を示し、多くが感染後数週間以内に死亡します。
重要なのは、人間や豚・イノシシ以外の動物には感染しないという点です。感染した豚の肉を食べても人の健康に影響はなく、消費者が過度に恐れる必要はありません。
日本では1992年を最後に発生が確認されなくなっていましたが、2018年9月に岐阜県で約26年ぶりに国内感染が確認されて以降、野生イノシシを介した感染が各地で続いています。
人には感染しないって書いてあって安心した。でもこれだけ繰り返し発生するなら根本的な対策が必要だ
改正家畜伝染病予防法で何が変わったか 選択的殺処分の仕組み
改正家畜伝染病予防法は2026年5月15日に国会で可決・成立し、同月19日に公布・施行されました。
最大の変更点は豚熱の発生時の殺処分ルールです。従来は発生農場の全頭殺処分が義務づけられていましたが、改正法では「選択的殺処分」が導入されました。
新制度では、ワクチン接種済みで免疫を獲得した症状のない豚は殺処分の対象から除外されます。殺処分の対象は感染拡大を防ぐために必要な豚に限定され、どの豚を対象とするかは県が国と協議したうえで決定します。
農林水産省によると、ワクチン接種後に十分な免疫を獲得した豚は他の豚にウイルスを伝播するリスクがないことが科学的に確認されており、全頭殺処分を回避する根拠となっています。
ワクチン接種済みの豚を全部殺すのは確かに無駄。でも感染が広がらないか心配でもある
対象地域はワクチン接種地域、つまり北海道を除く46都府県です。農場経営への打撃の軽減と、作業を担う県職員らの負担の削減が期待されています。
豚熱で全頭殺処分って養豚農家にとって本当に辛い経験。選択的殺処分は遅すぎたくらいだ
今回の事案の経緯 約1200頭のうち約1000頭が殺処分の見込み
今回の発生の経緯は次のとおりです。2026年7月3日、静岡県が富士宮市の養豚場で立ち入り検査を実施し、風邪のような症状を示す豚や死んだ豚を確認しました。
県の遺伝子検査で陽性と判定され、2026年7月4日に国が豚熱と最終確定しました。
同養豚場では約1,200頭の豚が飼育されており、選択的殺処分の適用により、そのうち約1,000頭が殺処分される見込みです。全頭殺処分と比べると頭数は減りますが、依然として大規模な対応となります。
県内の他の養豚場の豚はワクチン接種済みであるため、移動や搬出の制限は行わない方針です。
選択的殺処分で農家の負担が少し減るのはいいことだけど、感染経路の特定と予防こそが先決だ
今年5例目の発生 野生イノシシと感染根絶への課題
今回の事例は2026年に入ってから国内5例目の豚熱確認となります。静岡県では2026年3月にも富士宮市の養豚場で豚熱が確認されており(約2,200頭が殺処分)、同じ地域での繰り返し発生が深刻な問題となっています。
豚熱が終息しない最大の要因の一つは、野生イノシシへの感染が続いていることです。イノシシが感染源となり農場に病原体が持ち込まれるリスクが、根本的に解決されていません。
今年だけで5例目ってどんな状況なの。静岡県は豚熱の発生が特に多い気がする
選択的殺処分の導入は農場経営と作業負担の軽減という面で前進ですが、農場周辺の野生イノシシへの対策強化と感染経路の徹底究明こそが、豚熱の根絶に向けた本質的な課題として残っています。消費者に対しては、豚熱が人に感染しないこと、また選択的殺処分後も安全性に問題のない豚肉が市場に流通することを、正確に周知していく必要があります。
まとめ
- 静岡県は2026年7月4日、富士宮市の養豚場で豚熱(CSF)の感染を確認(今年5例目)
- 2026年5月19日施行の改正家畜伝染病予防法に基づく「選択的殺処分」を全国で初めて適用
- 飼育する約1,200頭のうち約1,000頭が殺処分の見込み(ワクチン接種済みで免疫を獲得した症状のない豚は除外)
- 従来の全頭殺処分から変更された新制度は、農場経営への打撃軽減と作業負担削減が目的
- 殺処分の対象範囲は県が国と協議のうえ決定する仕組み
- 豚熱は豚・イノシシのみに感染し、人への感染はなし。消費者は過度に心配する必要はない
- 根本的な課題は野生イノシシへの感染が続いており、農場への侵入経路の遮断が未解決