2026-05-14 コメント投稿する ▼
神奈川県教委が教員6人を懲戒処分 部活女子生徒への性行為・盗撮が相次ぐ
神奈川県教育委員会は2026年5月14日、公立学校の男性教員6人に懲戒処分を発表しました。最も深刻な事案は、川崎市内の県立高校で部活動の顧問を務めた30代の男性教諭が、指導する女子生徒2人と約2年3か月にわたって性行為を繰り返したというものです。今回の処分は5人が懲戒免職、1人が減給で、アプリで知り合った当時17歳の女性への性行為、同僚女性へのわいせつ行為、盗撮など手口はさまざまです。本来、子どもを守るべき立場の教員による不祥事が後を絶たない現状に、社会から厳しい視線が向けられています。
川崎市の県立高校教諭 部活女子生徒2人と2年超にわたり性行為
神奈川県教育委員会(以下、県教委)は2026年5月14日、公立学校に勤務する男性教員6人を懲戒処分にしたと発表しました。
最も深刻な事案は、川崎市内の県立高校で部活動の顧問を務めていた30代の男性教諭によるものです。県教委によると、この教諭は2023年12月から2026年3月にかけて、指導する女子生徒2人とショートメッセージで私的なやり取りを繰り返し、多い時で週1回程度、自家用車内や県内のホテルで性行為などをしました。
教諭は2026年3月、行為が発覚するおそれがあるとの情報を得て、みずから副校長に申告したといいます。生徒側は神奈川県警に被害届を出しており、県教委は生徒の特定につながる懸念から教諭の名前を公表していません。
県教委の聞き取りに対し、教諭は「部活の顧問として生徒を気にかけるようになり、徐々に距離が近くなったと感じた。生徒を傷つけてしまい申し訳ない」と述べたといいます。
部活の顧問を信頼して相談していたのに、そういうことをされていたと知り、本当に許せない気持ちになりました
本来であれば生徒を指導し守る立場にある教員が、信頼関係を長期にわたって悪用し続けたという事実は、教育現場全体への信頼を根底から揺るがすものです。
5人が懲戒免職 盗撮・わいせつ行為も相次ぐ
今回の処分では、川崎市の教諭を含む5人が最も重い懲戒免職となり、1人が減給処分を受けました。
相模原市内の県立高校教諭の今枝契輔氏(30)は、マッチングアプリで知り合った当時17歳の女性と性行為をしたとして懲戒免職となりました。
藤沢市内の公立学校に勤務する30代の男性教諭は、同僚の女性に対して複数回にわたってキスをしたり胸を触ったりするわいせつ行為を行ったとして懲戒免職となりました。
駅構内などで女性を盗撮したとして20代の中学校教諭が、また校内などで盗撮したとして30代の小学校教諭がそれぞれ懲戒免職処分を受けています。
子どもたちを守るべき先生がこんなことをしているなんて、学校に子どもを安心して送り出せないと本当に思います
県教委教育局の鈴木鎮夫行政部長は「児童・生徒にとって学校が安全な場所という認識が崩れてしまう。安心して過ごせる学校を作れるよう、県教委としてできることを着実にやっていきたい」とコメントしています。
立場の悪用 被害を生む「信頼関係」のゆがみ
教員による生徒へのわいせつ事件では、部活動の「顧問」という立場が悪用されるケースが全国的に後を絶ちません。今回の主な事案でも、加害者は「気にかけるようになった」「距離が近くなった」と説明しており、指導を通じて構築した信頼を性的な目的に利用したことになります。
こうした行為は「グルーミング(手なずけ)」と呼ばれる手口に近く、子どもが声を上げにくい状況を意図的に作り出している点で極めて悪質です。教員と生徒の間には指導する側・される側という権力関係があり、生徒が「断れない」状況に追い込まれやすいといえます。
被害に遭った子が断れなかったとしても、それは子どもが悪いんじゃない。立場を利用して近づいてくる大人の側が完全に悪い
「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律」は2021年に成立し、性暴力で教員免許を失った教員が再び教壇に立てないよう、データベースの整備が進められています。しかし今回のように、加害者自身が申告するまで学校や教育委員会が把握できなかったという事実は、制度だけでは防ぎきれない構造的な問題を浮き彫りにしています。
先生から個人的に連絡先を聞かれたことがあった。あの時に親に相談できていたら、と今更ながら思います
採用・研修・通報体制の抜本的見直しが急務
今回の6件の懲戒処分はいずれも男性教員によるものであり、その種別も性行為、わいせつ行為、盗撮と多岐にわたります。被害者には高校生の女子生徒だけでなく、同僚の女性教員も含まれており、教育現場全体のコンプライアンス意識が改めて問われる事態となっています。
文部科学省の調査では、教員によるわいせつ・性的ハラスメント行為で処分を受けた教員の数は全国で毎年200人を超えており、件数は高止まりが続いています。神奈川県内でも今年に入ってからの懲戒処分件数は少なくなく、組織的な対応の強化が急がれます。
処分を発表するだけでは不十分です。なぜこれだけ繰り返されるのか、採用や研修の段階から抜本的に見直してほしい
子どもを守るためには、制度の整備と並行して、学校と家庭が連携しながら早期に異変を察知できる環境を整えることが欠かせません。生徒が教員との関係に不安を感じた際に気軽に相談できる窓口の充実と、子どもに「信頼できる大人に相談してよい」と伝え続ける教育の徹底が、今求められています。
まとめ
- 2026年5月14日、神奈川県教委が公立学校の男性教員6人を懲戒処分(5人が懲戒免職、1人が減給)と発表した。
- 最も重大な事案は、川崎市内の県立高校の30代男性教諭が、部活顧問として指導した女子生徒2人と2023年12月から2026年3月にかけて性行為を繰り返したというもの。
- 相模原市内の県立高校教諭・今枝契輔氏(30)はアプリで知り合った当時17歳の女性と性行為をしたとして懲戒免職。
- 藤沢市内の教諭は同僚女性へのわいせつ行為で免職。中学教諭と小学教諭の2人は盗撮で免職。
- 加害者自身が申告するまで学校・教育委員会が把握できなかったケースもあり、早期発見の仕組みづくりが急務となっている。
- 全国でも教員によるわいせつ処分件数は毎年200人超と高止まりしており、採用・研修・通報体制の抜本的な見直しが求められている。