2026-04-29 コメント投稿する ▼
田村智子委員長が宮城で訴え「東日本大震災は終わっていない」支援交付金打ち切りで被災者に危機
2026年4月29日、日本共産党の田村智子委員長が宮城県を訪問し、党宮城県議団と懇談を行いました。東日本大震災から15年が経過した今も、災害公営住宅での孤独死は年間50人台で高止まりしています。被災者の見守り活動を支えてきた国の「被災者支援総合交付金」は2025年度で打ち切りとなっており、支援の空白が広がる懸念があります。田村委員長は「暮らしの再建が実現されなければ同じことが繰り返される」と強く訴え、貸付金の返済免除など政府への働きかけを約束しました。
被災者支援の交付金が打ち切り 孤独死は高止まり
日本共産党(共産)の田村智子委員長は2026年4月29日、東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県を訪問し、党宮城県議団と懇談を行いました。
懇談には三浦一敏氏、天下みゆき氏、金田基氏、舩山由美氏、藤原益栄氏の各県議が出席し、岩渕友参院議員と高橋千鶴子元衆院議員も同席しました。
2011年3月11日の震災発生から15年が経ちましたが、復興庁によると2026年2月時点でも全国に約26,000人の避難者が残っており、被害の深刻さを今なお物語っています。
県議団が最初に報告したのは、被災者の見守りや相談活動を支えてきた国の「被災者支援総合交付金」が2025年度末で打ち切られるという問題です。
この交付金は、災害公営住宅での相談員の人件費や活動費として各自治体やNPOに配分されてきたものです。インフラの復旧が進んだとして国が支出を縮小・終了させる方向に動く一方で、現場の実態はまったく異なります。
災害公営住宅での孤独死は2023年以降、年間50人台で高止まりしています。支援員による見守りや声かけが止まれば、この数はさらに増えかねないと現場では強い危機感が広がっています。
「やっと落ち着いたと思ったら、支援員さんが来なくなると聞いた。また一人になる気がして怖い」
「近所に一人暮らしのお年寄りが何人もいる。交付金がなくなったら、誰がどうやって見守るのか本当に心配だ」
返済できない被災者 貸付金の滞納が5割超に
貸付制度をめぐる問題も深刻です。市町村を通じて被災者に貸し付けられた「災害援護資金」の滞納率は、5割を超えています。
震災直後に生活再建のために借りたお金が、15年経った今も返せないままの人が半数以上にのぼっているのです。さらに、コロナ禍に対応した「緊急小口資金特例貸付」でも未償還額(返していないお金)が10億円を超えているという実態が明らかになりました。
被災者の多くは、震災で仕事や家を失い、その後も収入が回復しないまま高齢化が進んでいます。現行の返済免除規定は、「借受人の死亡」や「著しい障害」など要件が厳しく、返済困難な実態に即していないという批判が上がっています。
返せるものなら返したい。でも年金だけでは生活するのが精いっぱいで、正直もう無理なんです
田村委員長は「貸付金の返済免除を政治決断することをはじめ、政府に求めていく」と明言しました。被災者の実情に即した制度改善を政府に強く働きかける意向を示した形です。
子どものケアと生業再建にも山積する課題
被災者の「心のケア」も引き続き大きな課題です。県議団は、不登校の子どもたちに心のケアと学びの場を提供する「みやぎ子どもの心のケアハウス事業」の重要性を改めて強調しました。
震災の影響は子どもたちにも長く尾を引いており、当時幼かった子どもたちが今や社会に出る年齢になっています。継続的な支援体制の維持が急務です。
生業(なりわい)の再建でも、明るい見通しは立っていません。国のグループ補助金を活用してもなお、水産業や食品加工業を中心に破産する事業者が増加しています。補助金で施設を再建しても、長期にわたる物価高騰が続く中で経営が成り立たなくなっているのです。
補助金でどうにか再建したのに、その後の物価上昇で結局閉めることになった。15年間は何だったのかと思う
この物価高騰は、数十年にわたる経済政策の失敗が積み重なった結果です。事業者への追加支援は一刻を争う課題といえます。
懇談では、東京電力福島第1原発事故による放射性廃棄物の処理問題や、宮城県が推進してきた水道事業の民営化についても議論が交わされました。水道の民営化に対しては、公共サービスの後退や住民の料金負担増への懸念が根強く残っており、引き続き注視が必要な問題です。
「同じことが繰り返される」田村委員長が政府に警告
田村委員長は今回の懇談を踏まえ、「大規模災害が相次ぐ中で過去の震災が終わったものとされているが、暮らしの再建が実現されなければ同じことが繰り返される」と強く訴えました。
能登半島地震をはじめ各地で自然災害が続く中、東日本大震災の教訓を生かすことが今まさに問われています。被災者支援を縮小・打ち切ることは、将来の被災地に何が待ち受けているかを予告しているともいえます。
田村委員長はまた、「県議選に向けても公共の役割に焦点を当てていきたい」と述べ、自治体が果たすべき支援の役割を選挙戦でも訴えていく方針を示しました。
震災から15年が過ぎた今も、現場では孤独死・返済困難・生業の危機など深刻な課題が山積しています。被災者の声を政策に変えること、それが今の政治に求められる責任です。
まとめ
- 2026年4月29日、日本共産党・田村智子委員長が宮城県を訪問し、県議団と懇談
- 被災者見守りを支えた国の「被災者支援総合交付金」が2025年度で打ち切りに
- 災害公営住宅での孤独死は2023年以降、年間50人台で高止まりが続く
- 災害援護資金の滞納率は5割超、緊急小口資金の未償還額は10億円超
- 現行の返済免除規定は要件が厳しく、実態に即した改善が急務
- 水産・食品加工業では補助金活用後も破産事業者が増加するなど生業再建も困難
- 放射性廃棄物処理、水道民営化問題も懸念が続く
- 田村委員長は「貸付金の返済免除を政府に政治決断させる」と表明
- 「過去の震災が終わったものとされているが、暮らしの再建がなければ同じことが繰り返される」と警告