辰巳孝太郎議員が警告 介護配置基準の緩和は「悪循環」 処遇改善こそ急務

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辰巳孝太郎議員が警告 介護配置基準の緩和は「悪循環」 処遇改善こそ急務

日本共産党の辰巳孝太郎議員は2026年5月15日の衆院厚生労働委員会で、社会福祉法・介護保険法等の改定案をめぐり、中山間地などを対象とした「特定地域サービス」の創設による人員配置基準緩和に反対し、処遇改善こそが先決と訴えました。2024年度の訪問介護基本報酬引き下げ後、事業所がゼロまたは1となる自治体が広がっており、さらなる配置基準緩和は職員の負担増と人材離れを招く悪循環だと警告しました。規制改革推進会議の答申が大都市部への対象拡大を求めており、黒田秀郎老健局長が拡大の可能性を否定しなかったことも明らかになりました。配置基準の緩和ではなく、処遇改善による安定した介護体制の確立が急務だと辰巳氏は強く訴えました。

訪問介護の報酬引き下げが招いた「事業所消滅」の現実


辰巳氏がまず問題として取り上げたのは、2024年度の介護報酬改定がもたらした深刻な影響です。この改定で訪問介護の基本報酬が2%以上引き下げられた結果、訪問介護事業所がゼロまたは1事業所しか存在しない自治体が全国に広がっています。

報酬引き下げの前年から、訪問介護事業者の倒産・休廃業はすでに年間427社と過去最多を更新していました。基本報酬のさらなる引き下げがこれに追い打ちをかけ、特に中山間地や過疎地では介護サービスの「空白地帯」が急速に拡大しています。

「ヘルパーさんが来てくれなくなって、もう在宅での生活が続けられないかもしれない」
「うちの地域は事業所が一つだけ。そこが閉じたら、介護を受けられる場所がなくなってしまう」

訪問介護員の有効求人倍率は介護関係職種全体の約4倍を大きく超えており、2023年度には介護保険制度が始まって以来、初めて介護職員の総数が減少に転じました。辰巳氏は委員会でこうした現場の実態を示したうえで、今回の改定案で介護従事者が本当に集まるのかと政府に問いただしました。

人員配置基準の緩和がもたらす「悪循環」とは


今回の改定案が新たに創設しようとしている「特定地域サービス」は、中山間地や人口減少地域を対象に、管理者・専門職の常勤・専従要件や夜勤要件など介護施設の人員配置基準を緩和するものです。

厚生労働省の黒田秀郎老健局長は「制度導入にあたっては、サービスの質の確保と現場の負担感に配慮することが必要だ」と答弁しました。しかし辰巳氏は「あくまで配慮だ。人員配置基準の緩和をすれば一人ひとりの負担は増え、介護職から逆に人が遠ざかる悪循環に陥ってしまう。安定して事業が継続できる姿が見えない」と強く警告しました。

人手が足りないからといって一人に任せる仕事量を増やされたら、体が持たない。もうやめようかと何度も考えた

職員が疲弊して離職し、さらに人手が不足するという悪循環は、ただでさえ深刻な介護人材不足を根本から解決する方法とはなり得ません。厚生労働省の推計では、2026年度には全国で約240万人の介護職員が必要とされますが、現状のままでは約25万人が不足するとされています。

大都市部への制度拡大 黒田老健局長が否定せず


辰巳氏はさらに、規制改革推進会議の中間答申(2026年2月)の内容を取り上げ、問題が中山間地にとどまらないと指摘しました。この答申は「特定地域サービス」の対象について、大都市部や一般市等も介護サービスの提供が困難な地域を抱えているとして、対象範囲を限定しないよう政府に求める内容となっています。

辰巳氏が「市町村の一部区域を定めることで、大都市部でも特定地域サービスを導入することを検討しているのか」と追及したところ、黒田老健局長は市町村内の一部区域での導入を否定しませんでした。

地方だけじゃなく都市部でも配置基準が緩和されるかもしれない。介護の質が低下することへの不安が大きすぎる

人員配置基準の緩和が大都市部にまで広がれば、日本全体の介護サービスの質の低下につながりかねません。黒田老健局長の答弁は、制度がもともとの想定を超えて全国規模で拡大する可能性を事実上示したと受け取られています。

処遇改善こそが「人材確保」への根本的な解決策


2026年度の介護報酬改定では、処遇改善加算が拡充され、介護職員については最大で月額1万9,000円相当の賃上げが見込まれています。訪問看護やケアマネジャーなど、これまで対象外だった職種も新たに加わる点は一定の前進です。

しかし、この「最大値」はあくまでも上限であり、実際の賃上げ額は事業所の規模や雇用形態によって大きく異なります。全産業平均との賃金格差は依然として月8万円以上残っており、他産業の賃上げペースが上回る中で相対的な格差の解消には至っていません。

賃金が低いから介護の仕事を続けられない、という友人を何人も見てきた。もっと早くから本腰を入れて改善すべきだった

長年にわたり介護報酬を十分に引き上げてこなかった政策の積み重ねが、今日の深刻な人材不足の根本原因となっています。辰巳氏が訴えるように、場当たり的な配置基準の緩和ではなく、介護職員が安心して長く働き続けられる環境整備と処遇改善の抜本的な拡充こそが、今の日本の介護現場に求められている政策の方向性です。

まとめ


  • 日本共産党・辰巳孝太郎議員が2026年5月15日の衆院厚労委で、社会福祉法・介護保険法等改定案を追及
  • 「特定地域サービス」は中山間地・人口減少地域の介護施設で人員配置基準(常勤・専従・夜勤要件)を緩和する内容
  • 2024年度の訪問介護基本報酬引き下げ後、訪問介護事業所がゼロか1しかない自治体が全国に拡大、倒産・休廃業は年間427社と過去最多
  • 人員配置基準の緩和は職員一人あたりの負担増につながり、介護職員の離職を招く悪循環になると辰巳氏が警告
  • 規制改革推進会議の中間答申(2026年2月)は対象範囲を大都市部にまで拡大するよう求めており、黒田老健局長はその可能性を否定しなかった
  • 2026年度の期中改定では処遇改善加算を拡充(最大月1.9万円)するが、全産業平均との賃金格差は月8万円以上残り、抜本的解決には至っていない
  • 辰巳氏は配置基準の緩和ではなく、処遇改善を通じた安定した介護体制の確立を訴えた

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2026-05-16 17:12:10(S.ジジェク)

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