2026-07-16 コメント投稿する ▼
国旗損壊罪法案が参院内閣委で可決 高市早苗首相の悲願、148人の専門家が反対声明も
日本の国旗(日章旗)を傷つける行為に刑罰を科す「国旗損壊罪」の創設に向けた法案が2026年7月16日、参議院の内閣委員会で採決が行われ、可決されました。自由民主党(自民党)・日本維新の会(維新)の与党に加え、国民民主党(国民民主)と参政党も賛成に回り、法案は可決されました。今国会中の成立が事実上確実な情勢です。 この法案は、日本の国旗を「人に著しく不快または嫌悪の情を催させる方法」で公然と損壊、除去、汚損した者に対し、2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金を科すことを定めています。罪の成立には、意図や目的ではなく行為の外形や周囲の状況を総合的に判断するとされています。
高市首相の悲願、4党共同提出で衆院通過
法案の成立を長年主張してきたのが高市早苗首相です。高市首相は2025年11月4日の所信表明演説の代表質問で「政府として必要な取り組みを進める」と明言しており、2025年10月の連立政権合意書にも「国旗損壊罪の制定」が盛り込まれました。
自民党、日本維新の会、国民民主党、参政党の4党は2026年6月16日、法案を衆議院に共同提出しました。衆議院では2026年6月26日に内閣委員会で可決、2026年6月30日には本会議でも可決されましたが、この衆院本会議の採決では、共同提出者であった国民民主党・参政党が、与党の国会対応への反発から本会議を欠席するという異例の事態が生じました。参議院では2026年7月7日に審議入りし、2026年7月16日の採決で可決されました。
「日本の国旗を守る法律が成立しそうで嬉しい。ずっと待ち望んでいた」
「国旗を傷つける行為は許せない。SNSで拡散される動画を見るたびに心が痛かった」
刑事法学者148人が「制定してはならない」と声明
一方、法案に対しては法律の専門家から強い批判の声が上がっています。2026年7月9日、刑事法学者ら148人が「表現の自由が制限される」として反対する声明を発表しました。呼び掛け人となった松宮孝明・立命館大学法科大学院特任教授氏は「これだけ多くの専門家がおかしいと感じていることを国会に届けたい」と記者会見で訴えました。
声明では、法案が「社会通念上認められる有体物」と国旗を定義している点を「漠然かつ不明確」と批判し、「政治的表現の自由を規制し、萎縮させる恐れが強い」と指摘しています。「『不快だ』という感情を理由に処罰規定を作ってはならない」と強く訴えました。
参院内閣委員会の審議においても、一部野党は処罰対象の規定が曖昧だと指摘し続けています。2026年7月16日の採決当日にも日本共産党の大門実紀史氏が「立法事実は定かでない。表現・内心の自由を制約し、侵害する恐れがある」と批判しました。
また、アメリカでは1989年の「テキサス州対ジョンソン事件」で、国旗の損壊や侮辱を禁じる法律が最高裁で違憲と判断された前例があります。表現の自由の保護という観点では先進各国でも慎重な姿勢がとられており、日本の法案との比較も大きな論点の一つです。
「処罰の基準が曖昧すぎる。誰が判断するのか。これは危険な法律だと思う」
「国旗を大切にする気持ちはわかるけど、萎縮効果が怖い。正当な政治表現まで犯罪扱いされないか心配」
賛成4党の論理と「意図を問わない」規定の矛盾
賛成4党は、法案の目的を「国旗を大切に思う国民感情の保護」と位置付け、SNS普及を踏まえた予防的な立法措置と主張しています。自民党の提出者の平沼正二郎衆院議員氏は「罰則は表現内容と無関係だ。表現の自由に対する制約の程度は小さい」と答弁しています。
しかし「意図や目的を問わない」という規定の矛盾は解消されていません。賛成側は「思想の自由への配慮」と主張しますが、専門家からは「かえって処罰範囲が広がる可能性がある」との指摘が続いています。
国民民主党の玉木雄一郎代表氏は2026年3月31日、「思うことを信じて発信する権利は憲法上最も優越的に保護されており、慎重な議論が必要」とアメリカの判例を引用して述べていました。にもかかわらず最終的に賛成に回った同党の立場は矛盾をはらんでいます。「愛国心」と「表現の自由」の間の緊張関係を、立法の現場が十分に解きほぐせていないまま法案が成立しようとしていることへの懸念は、拭いきれないままです。
今後、参院本会議での採決を経て成立する見通しですが、処罰対象の曖昧さという根本的な問題が残されたまま成立することへの懸念は消えていません。
まとめ
- 国旗損壊罪創設法案が2026年7月16日、参議院の内閣委員会で可決。自民・維新の与党に加え国民民主・参政党も賛成し、今国会中の成立が確実な情勢。
- 法案は「著しく不快または嫌悪の情を催させる方法」で公然と国旗を損壊した場合、2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金を科す。
- 法案は高市早苗首相の悲願で、2025年10月の連立政権合意書に明記。自民・維新・国民民主・参政の4党が2026年6月16日に共同提出した。
- 衆院本会議の採決(2026年6月30日)では、共同提出者の国民民主・参政党が与党への反発から欠席するという異例の事態があった。
- 刑事法学者ら148人が2026年7月9日に「表現の自由が制限される」と反対声明を発表。「処罰対象が曖昧で適用範囲が広がる」との指摘も専門家から相次いでいる。
- アメリカでは1989年に国旗損壊禁止法が最高裁で違憲判断を受けた事例があり、表現の自由との整合性が今後も問われ続ける。
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