2025-04-29 コメント: 1件 ▼
「学費無償は世界の常識」デンマーク視察の宮本岳志氏、奈良で教育予算のあり方を訴え
「学費無償は世界の常識」 宮本氏が北欧の実情紹介 奈良で語る集い
北欧視察を終えた日本共産党の宮本岳志・元衆院議員が4月29日、奈良県大和郡山市で開かれた「語るつどい」に登壇した。会場には中高生や大学生、若手労働者など幅広い世代が集まり、「学費のあり方」や「教育にかける国の姿勢」について率直な意見が交わされた。
北欧の教育事情を紹介
宮本氏は、最近訪れたデンマークの教育制度を紹介。「大学の学費はゼロ、さらに一人暮らしの学生には月13万8千円の奨学金が給付されます。子育て中の学生には追加支援もある」と語り、日本との大きな違いを指摘した。
さらに、「こうした学費無償化は、国際人権規約第13条で『世界の常識』とされているにもかかわらず、日本は未だに高い学費と奨学金という名の借金を学生に課している」と強調。「軍事費を増やす一方で、教育への予算は先進国の中でも最低水準。この政治の優先順位こそが問われるべきです」と語気を強めた。
若者たちの切実な声
会場では、参院奈良選挙区からの立候補を予定している太田あつし氏が、若者から聞き取った声や、昨年実施された学費アンケートの結果を紹介。「学費のためにバイト漬けになり、学業に集中できない」という声や、「進学したくても親に申し訳なくて諦めた」という訴えも寄せられているという。
参加した27歳の青年は「数百万円の奨学金が残っている。北欧のような制度がうらやましい」と語り、大和高田市の14歳の中学生は「軍事費より教育にお金を使うべき」と訴えた。
「奨学金=借金」の現実
文部科学省によれば、日本の大学に通う学生の約半数が何らかの奨学金を利用しており、多くが卒業後も返済に苦しんでいる。中には、数百万円単位の債務を抱えたまま社会に出る学生も珍しくない。
一方で、デンマークやノルウェーなど北欧諸国では、高等教育の無償化はすでに定着しており、学生は「学びたい」という気持ちに純粋に向き合える環境が整っている。
教育か、軍事か。政治の選択が問われる
現在の日本の教育への公的支出は、GDP比でOECD加盟国の中でも最低クラス。一方で、2024年度の防衛予算は8兆円近くに達し、過去最大規模となった。
宮本氏は「教育こそ未来への最大の投資」と語り、教育予算の大幅拡充を訴えた。また、終了後の懇談では民青同盟や共産党への入党を決意する若者の姿も見られた。
- デンマークでは大学の学費は無料。月13.8万円の奨学金支給も。
- 日本の教育支出はデンマークの3分の1以下。軍事費は急増中。
- 若者からは「奨学金という名の借金」に苦しむ声が多数。
- 教育の無償化は国際人権規約にも明記されており、日本もその方向を真剣に議論すべき。