2026-06-23 コメント投稿する ▼
自民党が予算編成の抜本改革提言 補正依存脱却と成長投資枠の新設を骨太方針に反映へ
自民党の財政改革検討本部は2026年6月23日、長期投資を促すための予算編成改革を求める提言案を大筋で取りまとめました。財政目標を従来のプライマリーバランス(基礎的財政収支)黒字化から「債務残高対GDP比の安定的引き下げ」へ転換するよう提言したほか、恒常的施策の補正予算依存からの脱却と、危機管理・成長投資のための「新たな投資枠」の創設を求めています。高市早苗首相が7月に策定する「骨太の方針」への反映を目指しており、政権初の骨太が経済財政の転換点となるか注目されます。
補正予算依存からの脱却を提言 歴代政権で続いた財政の歪み
自民党(自由民主党)の財政改革検討本部(本部長・山際大志郎元経済再生担当相)は2026年6月23日、長期投資を促す予算編成の抜本改革を求める提言案を大筋で取りまとめました。
提言案では、財政運営の中核目標を従来の「プライマリーバランス(基礎的財政収支、PB)の黒字化」から「債務残高対GDP比の安定的引き下げ」へ転換するよう求めました。山際本部長は会合で「大事なことは責任ある積極財政というものをしっかり体現することだ」と述べ、「長年続いてきた過度な緊縮志向、未来への投資不足の流れを断ち切る必要がある」と強調しました。
単年度のPBだけを目標にして、長期の投資をどんどん削ってきたことが今の経済停滞の一因だと思う。やっと方向転換できるかもしれない
提言では、恒常的な施策は原則として当初予算で措置し「補正予算依存」から脱却すべきだとも主張しています。コロナ禍以降、大規模な補正予算が常態化し、本来は当初予算に計上すべき恒常的な支出まで補正で賄われる状態が続いてきました。これにより政策の予見可能性が低下し、財政規律のチェックも難しくなっていたという問題意識に基づいた提言です。
危機管理・成長投資に「新たな投資枠」を創設へ
提言案の中でも特に注目されるのが、危機管理投資と成長投資のために通常歳出とは別の「新たな投資枠」を創設するという構想です。
この投資枠は、通常の年度予算の制約にとらわれず、複数年度にわたって安定した投資を可能にする仕組みを目指すものです。高市早苗首相が掲げる「責任ある積極財政」のもと、官民の国内投資を強力に後押しし、「強い経済」と「財政の持続可能性」の両立を図る狙いがあります。
官民の投資を一時的にではなく、中長期で安定してできる仕組みが必要だった。この新たな枠組みが実効性を持つかどうかに注目しています
提言は、経済安全保障上特に重要な分野への投資については「つなぎ国債」を活用して資金調達し、償還財源の裏付けのある部分は債務残高対GDP比などの指標から除外するという考え方も盛り込みました。
国のためになる重要な投資は、通常の財政ルールとは別に管理できるようにすべきというのはまともな発想だと思う
高市政権「骨太」への反映を目指す 7月策定が焦点
今回の提言案は、政府が7月に策定を予定している経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)への反映を目指しています。
骨太の方針は毎年閣議決定され、年末の予算編成に向けた政権の基本姿勢と政策の方向性を示す重要文書です。高市政権にとって2025年10月の政権発足後初の骨太の方針となり、「責任ある積極財政」の実像を内外に示す重大な機会として注目されています。
主要先進国と比べて低迷してきた国内投資の拡大と経済成長の加速を最優先課題に掲げる高市政権にとって、今回の自民党提言はその方向性に沿うものです。数十年にわたる投資不足と成長不足が今日の物価高騰の遠因にもなっており、真の意味での経済再生なくして国民生活の改善はないという認識が提言の底流にあります。
物価高がこれだけ続いても財政出動を渋ることだけ考えるのはもう限界。成長に向けた投資は減税と並んで今すぐ必要だと思う
財政健全化との両立が問われる課題
提言が目指す財政運営の転換には、注意すべき点もあります。
「新たな投資枠」の設計や「つなぎ国債」の運用が不透明なまま拡張財政の抜け道になれば、財政規律が失われ国民の理解を得ることはできません。したがって、投資枠の対象範囲や財源の見通しについては、数値的な目標と達成期限、そして実績検証の仕組みを明示することが不可欠です。
積極財政自体は支持するが、使い道と結果を数字で示してほしい。KPIなき財政出動は将来世代へのツケ回しになりかねない
自民党は提言を近くまとめ、骨太の方針策定に向けた議論に反映させる考えです。減税との組み合わせによる経済再生の具体策が今後どのような形で実現されるか、国民の注目が高まっています。
まとめ
- 自民党財政改革検討本部(本部長・山際大志郎元経済再生担当相)が2026年6月23日、長期投資促進のための予算編成改革提言案を大筋取りまとめ
- 財政目標をPBの黒字化から「債務残高対GDP比の安定的引き下げ」へ転換するよう求めた
- 「長年続いてきた過度な緊縮志向、未来への投資不足の流れを断ち切る必要がある」と強調
- 恒常的施策は当初予算に計上し、コロナ禍以降に常態化した補正予算依存から脱却するよう提言
- 危機管理投資・成長投資のための「新たな投資枠」を通常歳出とは別に創設することを提案
- 経済安全保障分野への投資に「つなぎ国債」を活用し、一部を財政指標から別枠管理する方針も盛り込まれた
- 政府が7月に策定する高市政権初の「骨太の方針」への反映を目指す
- 投資枠の運用透明性とKPIの設定が財政規律維持のカギとなる