2026-06-24 コメント投稿する ▼
追悼式野次に玉城知事「おおむね滞りなし」 自民県議「怒り」、小泉防衛相も「残念」 沖縄の祈りを誰が守るのか
2026年6月23日の「慰霊の日」に執り行われた沖縄全戦没者追悼式で、高市早苗首相のあいさつ中に「戦争反対」「9条守れ」などの野次が相次いで飛びました。翌24日の沖縄県議会で玉城デニー知事は「おおむね滞りなく進められた」と述べ、強い批判を浴びています。自民党の西銘啓史郎県議は「怒りを感じた」と訴え、小泉進次郎防衛相も「非常に残念だ」と語りました。追悼の場での野次は大多数の参列者が静かに祈りを捧げる権利を侵害するものであり、式典を主催する沖縄県の対応責任が改めて問われています。
追悼式の静かな祈りを乱した野次 何が起きたのか
2026年6月23日、沖縄県糸満市の平和祈念公園で「沖縄全戦没者追悼式」が執り行われました。今年は沖縄戦から81年となり、24万2659人の名前が刻まれた「平和の礎」には新たに95人が刻銘されました。高市首相の就任後初の来県でもあり、首相はあいさつの中で「二度と戦争の惨禍を繰り返さないという決然たる誓いのもと、不断の努力を重ねていく」と述べました。
式典では豊見城市立豊崎中2年の亀谷琉奈さん(14歳)が「平和の詩」を朗読し、曾祖母の戦争体験を静かに力強く語りかけました。その中学生の姿と対照的に、高市首相のあいさつの最中、「戦争反対」「9条守れ」「憲法守れ」などの野次が相次ぎ、野次を飛ばした男性が取り押さえられる場面もありました。
追悼式という神聖な場での野次行為は、大多数の参列者が静かに戦没者へ祈りを捧げる権利を著しく侵害するものです。思想信条の自由や表現の自由は憲法上保障されますが、公式の追悼行事において大声で演説を妨害する行為が公共の福祉に適う行為かどうかは、厳しく問われるべき問題です。
「戦争反対と叫んで野次を飛ばすより、中学生の平和の詩の方がよっぽど心に刺さった。追悼式は抗議集会ではない」
「野次を飛ばしたことで沖縄県民全員が同じ考えだと思われたら本当に困る。平和への想いはみんな同じはずでしょう」
玉城知事「おおむね滞りなし」発言 与野党から疑問と批判
式典の翌2026年6月24日に開かれた沖縄県議会本会議で、玉城デニー知事は野次問題について問われ「非常に厳粛に執り行われた。会場から大きな声が出るなど静かな状況でないタイミングもあったが、おおむね滞りなく進められた」との認識を示しました。
この発言は多方面から疑問の声を呼びました。小泉進次郎防衛相は2026年6月25日の参院外交防衛委員会で「静かな祈りの場であっても抗議活動のように大きな声を首相が話している最中に出した状況は非常に印象に残っている。大変残念だ」と明確に問題視しました。国民民主党の玉木雄一郎代表も「逆効果」と懸念を示しており、与野党を越えた批判が起きています。
追悼式は沖縄県と県議会が共同で主催する公式行事です。野次を飛ばした男性が取り押さえられるほどの事態が起きながら「おおむね滞りなく」という認識を示した知事の言葉は、主催者として式典の厳粛さを守る責任を果たしているとは言いがたく、参列者や遺族の感情との大きな乖離(かいり)が生じています。
「野次を飛ばした人が取り押さえられたのに『おおむね滞りなし』はさすがに無理がある」
「あんな野次が飛んでも大丈夫という認識なら、知事として危機感が感じられない」
「昨年よりひどかった」 自民・西銘県議が示した「怒り」
県議会で特に厳しい言葉を投げかけたのが、自由民主党(自民党)の西銘啓史郎県議です。西銘氏は「悲しい思いを通り越して、怒りを感じた」と述べ、「昨年よりひどかった。振り返りを行うレベルではない」と強い言葉で現状を批判しました。
西銘氏は「思想信条は否定しない。仮に来場者の半分以上が抗議に賛同したのであれば理解できるが、決してそうではない」とも語りました。追悼式に参加した大多数の人々は野次に賛同していない、という現実を指摘するもので、少数の野次が沖縄県民全体の意思のように誤解される事態への強い危機感がにじんでいます。
西銘氏はさらに「野次を飛ばした人たちは恐らく知事を支える人たちだ。ああいうことはやめてくれと対話すべきではないか」と玉城知事に具体的な対応を求めました。これに対して知事は「どのような対応ができるか、鋭意検討したい」と述べるにとどめました。西銘氏が「もう検討ではない。抗議する場所と時間を選んでもらわないと、県民全員がそういう考えだと勘違いされても困る」と重ねて訴えましたが、知事から明確な答えは示されませんでした。
なお、今回の追悼式は例年より県警職員と県議会の要請を受けた警備員を増員していたことが県議会で明らかになりました。増員した上での野次の多発は、現行の対策が根本的に機能していないことを示しています。
「沖縄県民全員がそう思っている」と誤解させない主催者の責任
追悼式での野次問題は今回が初めてではなく、毎年繰り返されてきた問題です。玉城知事は「平和への想いを共有し厳かに犠牲者に追悼する場において、その趣旨が阻害されないように考えている」と述べていますが、毎年「振り返り」を重ねても事態が改善されないどころか悪化している現実は、言葉と行動の乖離を示しています。
高市首相は記者会見で野次の内容とされる「戦争反対」「憲法守れ」について、「日本は戦争をしておりません。平和国家としての歩みを戦後ずっと続けてきたのが日本の誇りだ」と毅然と反論しました。野次を飛ばされながらも原稿を読み続けた高市首相の姿勢と、「おおむね滞りなく」と述べた主催者の知事の姿勢は、鮮明な対照をなしています。
8年間、式典を主催する立場にある玉城知事が「検討する」を繰り返す間に、沖縄戦で命を落とした20万人以上の戦没者へ静かに祈りを捧げようとした参列者の権利は、毎年侵害されています。「抗議する場所と時間を選んでもらわないと」という西銘県議の言葉は、沖縄県民の大多数の正直な気持ちを代弁したものと言えます。
たった少数の野次で沖縄県民全体がそう思っていると誤解されるのが一番迷惑だ
まとめ
・2026年6月23日の沖縄全戦没者追悼式で、高市早苗首相のあいさつ中に「戦争反対」「9条守れ」などの野次が相次いだ
・野次を飛ばした男性が取り押さえられる場面があったにもかかわらず、玉城デニー知事は「おおむね滞りなく進められた」と述べた
・自民党の西銘啓史郎県議は「悲しい思いを通り越して怒りを感じた」「昨年よりひどかった」と訴えた
・小泉進次郎防衛相は「非常に残念だ」、玉木雄一郎代表は「逆効果」と与野党を越えた批判が起きた
・今回は例年より県警職員や警備員を増員して対応したが、それでも野次は続いた
・西銘氏は「野次を飛ばした人たちは恐らく知事を支える人たち」と指摘し、知事に対話と抑止を求めた
・「少数の野次で沖縄県民全員がそういう考えだと思われる」との懸念は根強く、主催者の責任が改めて問われている
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