2026-05-15 コメント投稿する ▼
住民無視で進むデータセンター建設に畑野君枝議員が衆院委で警告 法整備の遅れが問われる
AIやクラウドサービスの急拡大を背景に全国でデータセンター(DC)の建設ラッシュが続く中、住民への説明も同意もないまま工事が強行される事態が各地で起きています。2026年5月15日の衆院国土交通委員会で、日本共産党の畑野君枝議員がこの問題を正面から取り上げました。ばい煙や騒音による生活被害、高層マンションのすぐ隣に建設が進む驚きの実態、そして建築基準法の「用途の空白」を突いた無秩序な建設の仕組みを次々と明らかにし、法整備の抜本的な見直しを求めました。政府は「事業者に協議を促す」と述べるにとどまり、被害を受けた住民からは「また住民は後回しにされた」との怒りの声が上がっています。
住民無視で進むDC建設問題が衆院委で浮上
衆院国土交通委員会で2026年5月15日に開かれた質疑において、日本共産党(共産党)の畑野君枝議員がデータセンター(DC)の建設問題を取り上げました。国内でのAI需要拡大を背景にDCの建設が急増する中、住民への説明や同意なしに工事が進む実態が次々と明らかになりました。
千葉県柏市の工場跡地には、すでに複数棟のDCが建設されています。畑野氏は「非常用発電機の運転点検が頻繁に行われ、ばい煙のほか騒音や悪臭などの被害が出ている」と住民の実情を紹介しました。
金子恭之国土交通相は「地方自治体への調査では、住民の苦情や不安の声があったDCは、計画段階で7件、稼働段階で1件あった」と答えました。
マンションのすぐ横に巨大なDCが建つなんて信じられない。しかも説明会すらない。住民を何だと思っているのか
稼働段階の1件については、京都府精華町のDCによるばい煙などの被害が挙げられました。金子国交相は「DC側と近隣事業者の個別協議で調整されている」と述べ、被害は解決済みとの認識を示しました。
しかし畑野氏は、精華町の食品容器工場では今なお黒いばい煙が工場内に流れ込んでいると具体的な実例を挙げて反論し、「解決済み」とする政府の見方に強く疑問を呈しました。
ばい煙・騒音・悪臭に覆い隠された住民の声
国内のAI・クラウド市場が急拡大するにつれ、DCの需要は急増しています。大型施設の運用には膨大な電力が必要で、停電時などに備えた非常用発電機が各施設に設置されています。この発電機の定期点検運転の際に排出されるばい煙や、24時間365日稼働し続ける空調設備の騒音が、周辺住民の生活に深刻な影響を与えています。
実際、アメリカのバージニア州ではDCの室外機による騒音が社会問題にまで発展しており、日本でも同様の被害が今後さらに拡大することが懸念されています。
騒音がひどくて窓も開けられない。これが社会に必要なインフラだと言われても、生活を壊されて納得できるわけがない
柏市では、当初大型建物を建てられない市街化調整区域だった土地について、市が地区計画を変更してDCの建設を可能にした経緯があります。住民の多くは「行政に裏切られた」と怒りをあらわにしています。国の補助金を呼び込むため、地域の住環境を犠牲にしたとも受け取れる行政判断に批判が集まっています。
印西市駅前のDC建設問題と提訴に至った住民の怒り
千葉県印西市は「データセンター銀座」とも呼ばれるほどDCが集積する地域です。市内にはすでに30棟ほどが立ち並び、今後さらに10棟以上の建設が予定されています。
その印西市の北総線・千葉ニュータウン中央駅前に、高層マンションからわずか11メートルの土地に巨大なDCを建設する計画が進んでいます。高さ約50メートルに及ぶ施設で、周囲には商業施設やマンションが密集する生活圏の中心部です。
また住民の頭越しに決められた。行政は私たちの声を聞いているのか
当該用地はUR(都市再生機構)関連会社が管理していましたが、DC建設に際して住民への説明会は一度も開かれていないと、周辺マンションの住民たちは訴えています。畑野氏は「住民合意に反しないか」と金子国交相に迫りましたが、金子氏は「URや関係会社を通じてDC事業者に、印西市と協議しつつ対応するよう伝える」と述べるにとどまりました。
2026年3月には、近隣のマンション住民10人が建築確認の取り消しを求めて千葉地裁に提訴しています。原告側はDCが市の地区計画で建築を禁じられている「工場」または「倉庫」にあたり、建築確認そのものが違法だと主張しています。印西市議会は2025年8月、駅周辺のDC建設に反対する決議を全会一致(議員19名全員)で可決していましたが、建設の流れは止まりませんでした。
法整備の遅れが生む住環境破壊の構造
住民が先に生活を築いてきた場所に、後から巨大施設が来て環境を壊す。それは本末転倒だ
現在の建築基準法には、DCを独立した用途として位置づける区分がありません。そのため多くのDCは「事務所」などの用途に分類されて建設許可を受けており、施設の実態とかけ離れた法的扱いになっています。
畑野氏は「DCを実態に合った用途として位置づけ、適切なゾーニング(用途地域の仕分け)を行うべきだ」と強調しました。現行の法律ではDCを住宅密集地に建てることを明確に禁じるルールがないため、住民が法的に対抗できる手段は非常に限られています。
国はAI・デジタル分野の強化を目的にDC建設に年間1,000億円規模の補助金を投じていますが、補助対象は首都圏を除く地方に限られています。それにもかかわらず、利便性の高い首都圏での建設計画が後を絶たない状況です。住民説明のルール化や建築基準法の用途区分の見直しを含めた制度改革が急務となっています。
まとめ
- 共産党の畑野君枝議員が2026年5月15日の衆院国土交通委員会でDC建設問題を追及
- 千葉県柏市の工場跡地DCで非常用発電機の点検時にばい煙・騒音・悪臭の被害が発生
- 京都府精華町のDCによるばい煙被害について、政府は「解決済み」と説明したが畑野氏が実例で反論
- 千葉県印西市の駅前で、高層マンションから11メートルの場所に高さ約50メートルのDC建設が進行中
- UR関連会社管理地での建設にもかかわらず住民説明会は未実施。2026年3月に住民10人が千葉地裁に提訴
- 印西市議会は2025年8月に駅周辺DC建設反対の決議を全会一致で可決していたが効力は限定的
- 建築基準法にDC独自の用途区分がなく、「事務所」として建設される法的矛盾が指摘されている
- 畑野氏は実態に合った用途区分とゾーニングの整備を要求