2026-08-06 コメント投稿する ▼
高市総理、非核三原則堅持を明言 核軍縮主導の決意表明
式典後に行われた記者会見で、報道陣からの質問に対し、議論が続く非核三原則については「政策上の方針として堅持しております」と明言した。 唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界の実現に向けた国際社会の取り組みを主導していく決意を改めて示した。 高市総理が、戦後日本の安全保障政策の根幹をなす非核三原則について、「政策上の方針として堅持する」と明言した。
広島の惨禍、非核三原則堅持への決意
高市総理が、戦後日本の安全保障政策の根幹をなす非核三原則について、「政策上の方針として堅持する」と明言した。8月6日、高市総理は広島市で開かれた原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式に参列。戦後78年となるこの日、広島の地で改めて平和への誓いを新たにした。式典後に行われた記者会見では、報道陣から非核三原則の扱いについて質問が相次いだ。
近年、与党内からは「持ち込ませず」の原則の見直しを求める声が上がっており、一部の官僚からも「タブーなき議論」を求める発言があった。これは、核保有国による軍事技術の進展や、周辺国の核武装化といった厳しさを増す安全保障環境を受け、日本の核抑止力や同盟関係における役割について、より実質的な議論を求める動きとみられる。これに対し、被爆者や被爆地からは「唯一の戦争被爆国として、世界に誤ったメッセージを送ることになる」との強い懸念が表明されていた。こうした国内外からの声を踏まえ、高市総理は「広島、長崎の地で起きた悲劇を決して繰り返してはならない」と固く決意を新たにしたと語った。非核三原則の「持たず、作らず、持ち込ませず」という原則は、日本の平和外交の根幹であり、その堅持を明言したことは、国内の議論に一石を投じるものと言える。
核兵器禁止条約への慎重姿勢、NPT体制重視
会見では、核兵器禁止条約への政府の対応についても質問が及んだ。高市総理は、同条約を「核兵器のない世界への出口ともなり得る重要な条約」と認識を示しつつも、その対応については慎重な姿勢を崩さなかった。総理は、今年11月に予定される同条約の運用状況確認のための再検討会議への政府の姿勢を問われ、対応は「国際社会の動向ですとか、厳しさを増す我が国の周辺の地域情勢を見極めながら、我が国の安全保障の確保と核軍縮の実質的な進展のために何が真に効果的かという観点から検討する必要がある」との考えを示した。
政府としては、核兵器国と非核兵器国の双方が参加するNPT(核兵器不拡散条約)体制のもとで、現実的かつ実践的な取り組みを進める決意を強調した。核兵器禁止条約は、核兵器保有国が批准していない現状もあり、その実効性には課題が指摘されている。被爆者や地元自治体からは、条約への署名・批准や、再検討会議へのオブザーバー参加を求める声が上がっているが、政府は、NPT体制を基軸とする現実路線を改めて示した形だ。核軍縮の進展には、保有国と非保有国双方の協力が不可欠であり、日本は両者の橋渡し役としての役割を担うべきだという考えが根底にあるとみられる。
唯一の被爆国としての役割、国際社会への働きかけ
高市総理は、就任後初めて平和記念式典に参列し、原爆資料館も視察した。資料館訪問について、「訪れるたびにまた深く胸に刻まれるもの、強く印象を受けるものがございます」「核兵器によってもたらされた惨禍の深刻さを強く感じました」と述べ、改めて核兵器廃絶への思いを強くしたと語った。
NPT再検討会議で最終文書が採択されなかったことにも触れ、NPT体制の信頼が揺らいでいるとの指摘に対し、総理は「議論を通じて締約国の間でNPTの重要性とコミットメントを再確認する機会にはなりました」と一定の評価を示した。その上で、「軍縮をめぐる国際社会の情勢というのは一層厳しさを増しております」としつつも、「我が国は唯一の戦争被爆国として核兵器のない世界の実現に向けて、国際社会の取組を主導していく考えに変わりはございません」と決意を表明した。具体策として、長年多くの国から賛同を得ている核兵器廃絶決議などを通じ、核兵器国と非核兵器国の双方と連携し、核兵器国に対してNPT第6条に基づく核軍縮を進展させるよう求めていることを挙げた。国際社会における日本の核軍縮への継続的な働きかけは、被爆国としての責務とも言える。
年末「三文書改定」へ、非核三原則の行方
年末にかけて政府が改定を検討している安全保障政策の根幹をなす「三文書」(国家安全保障戦略、防衛大綱、中期防衛力整備計画)における非核三原則の扱いについても、会見で質問が出た。総理は「まさに年末に向けて検討を進めているところでございますので、その書きぶりなどについて、私が今予断するということは差し控えさせていただきます」と述べるにとどまった。
しかし、「非核三原則を政策上の方針として堅持しているということに変わりはございません」とも強調しており、現行の原則を維持する意向を改めて示した。周辺国による核開発や、日米同盟における核抑止力の重要性が増す中で、与野党からは「持ち込ませず」の原則の見直しを求める意見が根強くある。こうした状況下で、年末の「三文書」改定において、高市総理がどのような判断を示すのか、その動向が引き続き注目される。非核三原則の定義や解釈を巡る議論は、今後も続くと予想される。
まとめ
- 高市総理は広島での記者会見で、非核三原則を「政策上の方針として堅持する」と明言した。
- 唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界の実現に向けた国際社会の取り組みを主導する決意を示した。
- 核兵器禁止条約については、NPT体制を基軸とし、安全保障環境を踏まえて慎重に対応する方針を示した。
- 年末に改定される「三文書」における非核三原則の扱いについては、現時点での予断は差し控えた。