偽情報対策で日豪が連携強化 中国などの影響工作に共同で対抗へ

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偽情報対策で日豪が連携強化 中国などの影響工作に共同で対抗へ

SNS上の言論空間を分析するジャパン・ネクサス・インテリジェンス(JNI)と、オーストラリア戦略政策研究所(ASPI)は、中国など外国勢力による影響工作に対して、日豪が共同で対処する必要性を訴えるレポートを発表しました。 両国は「既に外国による影響工作の標的となっている」と指摘し、インテリジェンス機関を軸とした協力体制の構築を提言しています。

SNS上の言論空間を分析するジャパン・ネクサス・インテリジェンス(JNI)と、オーストラリア戦略政策研究所(ASPI)は、中国など外国勢力による影響工作に対して、日豪が共同で対処する必要性を訴えるレポートを発表しました。両国は「既に外国による影響工作の標的となっている」と指摘し、インテリジェンス機関を軸とした協力体制の構築を提言しています。これは、インド太平洋地域における両国の戦略的連携が深まる中で、その連携を不安定化させようとする動きへの警戒感を示唆するものです。

レポート発表の背景と目的


この共同レポートは、SNS上での言論空間を分析するJNIと、豪州の有力シンクタンクであるASPIが共同で策定しました。レポートでは、日本とオーストラリアが、外国勢力による情報工作の格好の標的となっている現状を明確に指摘しています。敵対的な情報工作は、両国を取り巻く安全保障環境に関する健全な議論を歪め、日豪協力の不安定化を招こうとしていると分析されています。こうした実態を、首脳レベルの声明でも明らかにするべきだと提言しています。具体的には、両国のインテリジェンス機関が連携し、偽情報対策を担う二国間チームを設置することを提案しています。

影響工作の実態と警戒すべき言説


レポートが特に警戒を促しているのは、個々の偽情報だけでなく、繰り返し流布される「ナラティブ(言説)」の監視です。例えば、日本の安全保障改革を「軍国主義の復活」と断じる言説や、オーストラリアを単なる米国の「代理」に過ぎないとレッテル貼りするような情報発信が挙げられます。さらに、台湾有事を念頭に置いた日豪の防衛協力への支持を切り崩そうとする情報工作も警戒すべき対象だと指摘しています。こうした言説は、日豪両国の国内世論を分断し、両国の安全保障上の連携を弱体化させることを狙っていると考えられます。

日豪共同チーム設置の提案


レポートは、偽情報対策における日豪協力の具体的な枠組みとして、豪州国家情報局(ONI)と、日本が新設する国家情報局との緊密な協力関係の構築を提案しています。初期の協力項目としては、①共通の脅威評価、②分析官の相互交流、③安全な連絡経路の整備、④偽情報キャンペーン発生時の共同対応プロトコル(手順)の策定、といった内容が挙げられています。これにより、両国はより迅速かつ効果的に偽情報に対処できるようになるでしょう。また、敵対的情報活動を正確に分類するための共通用語の整備や、国家主体による影響工作の情報源を特定する基準の策定、さらには選挙や台湾有事、サイバー攻撃といった具体的な事態を想定した初動対応手順の標準化も提唱されています。

中国関与が疑われるキャンペーン事例


レポートでは、過去の事例として、2026年2月に行われた日本の衆議院選挙を巡るX(旧ツイッター)上での動きにも言及しています。JNIは、この選挙期間中に、高市早苗首相や日本の安全保障政策を批判する不自然な投稿や拡散が数千件規模で確認されたとしています。レポートは、このキャンペーンに「中国が関与しているとみられる」とし、「対中強硬路線を掲げる新政権を標的として組織的なアカウント群が動員された」と指摘しています。その狙いは、自衛隊への信頼や日米同盟への支持を国内外で低下させることにあったと分析されており、影響工作の具体的な手法と意図が示唆されています。

ASPIによる過去の調査


ASPIはこれまでも、中国による情報工作に関する調査を継続的に行ってきました。2022年に公表された報告書「真実の抑圧とうその拡散」では、2021年11月にソロモン諸島で発生した大規模な暴動を巡り、中国政府が資金難に苦しむ現地メディアへの影響力を行使し、「豪州と米国が暴動を扇動した」というプロパガンダを展開した事例を指摘しています。この情報工作はSNS上でも反米・反豪世論を広げる一因となり、現地の政治情勢にも影響を与えたと分析されており、外国勢力による情報操作が地域情勢に与える影響の大きさを物語っています。

連携の重要性と共同体としての対抗


日豪両国が標的となっているのは、両国の戦略的連携がインド太平洋地域において極めて重要な意味を持っているためです。この地域におけるパワーバランスに影響を与えようとする国家主導の情報工作に対し、日豪は「共同体として立ち向かうべきだ」とレポートは強調しています。オーストラリアは過去10年間、中国など権威主義国による偽情報工作に対抗するため、情報源の特定や透明性確保のメカニズムなど、法整備を進めてきました。こうした豪州の経験も、今後の日豪連携における貴重な知見となるでしょう。

民間企業や市民団体など、多様な主体との情報共有を進め、様々な視点を政策決定に反映させることも、偽情報対策には不可欠です。国家安全保障に関わる課題において、日豪が連携を強化し、偽情報という新たな脅威に共同で立ち向かう姿勢を示すことは、地域の安定と自由で開かれた国際秩序を守る上で、極めて重要な意味を持つと言えます。

まとめ


  • 日豪が共同で偽情報対策を強化する必要性を訴えるレポートを発表。
  • 外国勢力による影響工作が両国の安全保障に悪影響を及ぼすと指摘。
  • 偽情報対策のための二国間チーム設置を提案。
  • 中国が関与する偽情報キャンペーンの事例を紹介し、警戒を呼びかけ。

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2026-07-06 15:01:40(櫻井将和)

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