2026-07-03 コメント投稿する ▼
外国人在留手数料、最大20倍へ大幅引き上げ コスト適正化と財源確保が狙い
永住許可手数料は最大20倍、在留期間更新も10倍以上になる見通しです。 今回、大幅な引き上げが見込まれる在留手数料ですが、その背景には、長年にわたる国際比較における日本の手数料の低さがあります。 増加する在留外国人への対応コストが増大する中で、手数料の引き上げはやむを得ない措置との見方がある一方、外国人本人や受け入れ企業にとって、さらなる経済的負担となる可能性も指摘されています。
増加する在留外国人と高まるコスト
日本に住む外国人の数は、年々増加の一途をたどっています。政府による労働力の確保などを目的とした受け入れ拡大策もあり、2026年末には約412万人に達すると見込まれています。これは、この5年間で100万人以上の増加となる計算です。特に新型コロナウイルス禍を経て、その増加傾向は顕著になっています。
このような状況下で、外国人を受け入れ、共生していくための社会的なコストも膨らむ一方です。日本語教育の推進や相談窓口の拡充、多文化共生施策の強化、難民認定審査にかかる経費など、多岐にわたる事業の実施には相応の財源が必要となります。しかし、これまで外国人の在留手続きで徴収されてきた手数料は、1981年以降、上限額が1万円で据え置かれていました。このため、増加する行政コストを賄うには全く足りず、実費すら十分にカバーできていなかったのが実情です。
国際水準からかけ離れた低額手数料
今回、大幅な引き上げが見込まれる在留手数料ですが、その背景には、長年にわたる国際比較における日本の手数料の低さがあります。特に、外国籍のまま日本に期限なく居住できる「永住許可」の手数料に注目すると、その差は歴然です。
例えば、米国では永住許可申請に31万5000円から41万円、英国では62万9000円、カナダでも17万円から26万7000円もの手数料がかかります。これらの欧米主要国と比較すると、日本の手数料は著しく低い水準でした。比較的手数料が低いとされるドイツ(2万4000円)や韓国(2万2000円)と比べても、日本の手数料は半分以下だったのです。
就労目的などで取得する在留資格の手数料も同様の傾向が見られます。例えばフランスでは、1年間の在留期間であっても5万8000円の手数料が必要です。制度の違いから単純な比較は難しいものの、多くの国で日本よりも高い水準の手数料が設定されていることが分かります。
新手数料で目指す財源確保と「秩序ある共生」
出入国在留管理庁が示した政令案によると、今回の改定により、在留資格の変更や期間更新に関する手数料収入は、年間で690億~920億円程度に達すると試算されています。永住許可申請も含めると、その総額は940億円規模になるとの見方もあります。
この大幅な収入増は、まず申請対応にかかる実費(230億円以上)を賄うことを目的としています。さらに、将来的には増加が見込まれる在留外国人への日本語教育支援、相談体制の強化、難民認定審査にかかる経費など、「秩序ある共生」に向けた様々な政策の財源として活用される予定です。
諸外国でも、こうした外国人関連政策の費用を手数料収入で賄うことは一般的です。入管関係者からは、「これまでの手数料は上限が低すぎたため、審査に伴う実費すら賄いきれていなかった。今回の手数料は、国際的な水準と比較しても高すぎず、低すぎず、負担の適正化を図るものだ」との見解が示されています。単に徴収額を増やすだけでなく、外国人政策全体の持続可能性を高める狙いがあると言えるでしょう。
手数料適正化への現場の視線
今回の手数料引き上げ方針に対し、一部からは懸念の声も上がっています。増加する在留外国人への対応コストが増大する中で、手数料の引き上げはやむを得ない措置との見方がある一方、外国人本人や受け入れ企業にとって、さらなる経済的負担となる可能性も指摘されています。
しかし、長年据え置かれてきた手数料が、国際的な水準や増加する行政サービス提供に必要なコストとかけ離れていた現状を鑑みれば、今回の見直しは避けて通れない道だったと言えます。手数料の適正化は、制度の健全な運営と、日本社会における外国人との「秩序ある共生」を実現するための重要な一歩となるのではないでしょうか。今後は、徴収された手数料が具体的にどのような外国人支援策や制度の改善に結びついていくのか、その透明性と効果的な活用が問われることになります。
まとめ
- 外国人在留手数料が大幅に引き上げられる方針。
- 永住許可手数料は最大20倍、在留期間更新も10倍以上。
- 日本の手数料は国際水準に比べて低すぎた。
- 手数料収入は、外国人政策の財源確保や共生施策に活用される見込み。
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