2026-06-26 コメント投稿する ▼
高市総理、中東情勢受け物価高対策とエネルギー供給網強化を指示
その上で、今後のエネルギー需給構造の強靭化と成長戦略に繋げるための具体的な指示を出しました。 高市総理は、中東情勢の緊迫化が世界経済に与える影響について、G7各国との比較を交えて説明しました。 具体的に、赤澤大臣に対し、8月末までに危機管理投資の推進によってエネルギーの選択肢を増やし、現状を成長の力に転換させるための「エネルギー需給構造強靭化のための総合パッケージ」を取りまとめるよう指示しました。
中東情勢緊迫化と政府の対応
会議は、国際的な地政学リスクの高まりが原油価格やサプライチェーンに与える影響を念頭に、政府として一元的に対応状況を把握し、必要な指示を出す場として開催されました。高市総理は冒頭、各省庁の努力に謝意を表明しつつ、これまでの政府の対応を総括しました。具体的には、緊急時対応としての燃料油補助の実施、ホルムズ海峡以外のルートによる原油・石油製品の調達確保、国民生活緊急措置法などに規定される規制措置の回避、そして経済活動の停滞を招かないための政府を挙げた目詰まり解消対策などが挙げられます。これらの政策により、物価高を抑制しながら国内経済の停滞回避に努めてきたと説明しました。
各分野における「目詰まり」解消の進捗
総理は、会議で報告された各分野における具体的な目詰まり解消の進捗状況についても言及しました。ナフサ由来の化学製品を含む石油製品については、年度を越えての供給継続が可能であり、シンナーについては、今週から工務店や自動車整備業などの最終需要家へ直接販売する仕組みがスタート。既に約1,000リットルの申し込みがあり、順次供給される見通しです。原料であるトルエンやキシレンについても、例年の1.8倍の供給を可能とする仕組みと合わせて、供給網の滞りを解消する取り組みが進められています。
建設業界、特に一人親方を含む中小工務店においては、約4,000社を対象としたアンケート調査で、2割弱が必要量の資材を確保できず工事への影響が出ているとの回答がありました。これに対し、資材メーカーと連携し、品目ごとの供給情報を一人親方一人ひとりに届けるきめ細かな対応が進められています。自動車整備工場やバス・トラック・タクシー事業者では、6月10日から開始された潤滑油の直接販売スキームが奏功し、資材供給への不安の声は8割減少したとのことです。
パン・菓子等の販売店でも、包装容器などの目詰まり案件が約5,000件の調査で約100件確認されましたが、既に9割の対応が完了しています。園芸農家向けには、各地の農協などを通じた事業者間の情報共有が促進され、目詰まり解消が進んでいます。医療分野では、メーカーによる優先供給の仕組みを活用し、分包紙の供給に関する薬局の不安の8割を解消。さらに、新たに薬剤容器についても優先供給の仕組みが整備されました。医療用手袋については、放出要請件数が減少傾向にあるものの、ニーズの高いSサイズに限り、6月22日から2,000万枚を追加放出しています。総理は、これらの国民生活を支える分野での課題に、一件一件着実に取り組む姿勢を強調しました。
国際比較と国内経済への影響
高市総理は、中東情勢の緊迫化が世界経済に与える影響について、G7各国との比較を交えて説明しました。G7諸国では、原油価格上昇などの影響で物価が上昇基調となり、実質賃金の伸び率が悪化する傾向にあると指摘。一方で、日本国内においては、ガソリン暫定税率の廃止や燃料油補助といった政府の政策効果もあり、物価上昇率は前年比で1%台半ばにとどまり、経済活動へのブレーキをかけずに済んだと評価しました。民間企業による賃上げも進展し、実質賃金上昇率は前年比2%程度のプラスで推移している状況を、中東情勢緊迫化下での特筆すべき成果として示しました。
エネルギー安定供給と成長戦略
さらに、高市内閣が主導するエネルギー政策の新たな展開についても触れられました。豊富な石油備蓄と経済力を背景に、サプライチェーンで結ばれるアジア諸国との連携を強化する「パワー・アジア」構想を始動させたことを明らかにしました。この枠組みの下、日本が産油国とアジア諸国の結節点となり、自由で透明なエネルギー貿易の確保、石油備蓄の国際協調、産油国と消費国の連携強化という3原則について、G7でも合意に至ったと説明。国際的な原油価格が落ち着きを取り戻しつつある現在を、アジアおよびG7との連携の下で、日本自身のエネルギー需給構造をさらに強靭化する好機と捉えています。
加えて、今後AI(人工知能)の進展に伴う電力需要の増大に対応できる電力供給体制の確保は、日本の成長戦略における重要課題であるとの認識を示しました。これを受け、GX(グリーン・トランスフォーメーション)の取り組みを、強い経済の前提となるエネルギー需給構造強靭化の観点から強化(パワーアップ)させる方針を表明。具体的に、赤澤大臣に対し、8月末までに危機管理投資の推進によってエネルギーの選択肢を増やし、現状を成長の力に転換させるための「エネルギー需給構造強靭化のための総合パッケージ」を取りまとめるよう指示しました。
まとめ
- 高市総理は第11回中東情勢に関する関係閣僚会議で、物価高・供給網の目詰まり対策の進捗を確認。
- 建設、運輸、飲食、農業、医療など多岐にわたる分野で具体的な対策と効果を報告。
- G7諸国と比較して物価上昇を抑制し、実質賃金増を達成したことを評価。
- 「パワー・アジア」構想の推進とGX強化によるエネルギー需給構造の強靭化、成長戦略加速を指示。
- 赤澤大臣には8月末までの総合パッケージ取りまとめを指示。