2026-06-20 コメント投稿する ▼
旧安倍派1年の現在地:高市政権で復権も、内部に潜む「求心力低下」の懸念
特に、かつて「5人衆」と呼ばれた旧安倍派の元幹部たちの党内での存在感が増しています。 また、党内からは、旧安倍派の元幹部らが要職に復帰することに対し、警戒する声も根強く聞かれます。 派閥の看板を失ったことで、個々の議員の政治活動は自由度を増した側面もありますが、一方で、派閥としての一体感や求心力は低下しているのが実情です。
旧幹部、高市政権下での党内要職への復帰
高市早苗氏が首相に就任したことで、旧安倍派に再び脚光が当たっています。特に、かつて「5人衆」と呼ばれた旧安倍派の元幹部たちの党内での存在感が増しています。萩生田光一氏は幹事長代行、西村康稔氏は選対委員長、松野博一氏は組織運動本部長といった、党運営の中枢を担う重要な役職に就任しました。これらの役職は、党内の意思決定や政策推進において大きな影響力を持つものです。
萩生田氏は、連立を組む日本維新の会との関係を取り持つパイプ役として、党側から高市政権を支える重要な役割を担っています。また、松野氏は、首相が特に重視する国旗損壊罪の制定に向けた党プロジェクトチーム(PT)の座長を務め、党内の意見集約や、法案の共同提出に向けた他党との調整において、その手腕を発揮しました。こうした動きは、旧安倍派が政権運営において不可欠な存在であることを示しています。
総裁選が呼び込んだ「復権」の契機
旧安倍派の幹部たちが党内の要職に復帰する大きな契機となったのは、2025年10月に行われた自民党総裁選挙でした。この総裁選において、萩生田氏らは決選投票に向けて各陣営との精力的な交渉を重ね、最終的に高市氏の首相当選に大きく貢献したとされています。総裁就任直後の高市首相は、党内基盤が必ずしも盤石とは言えない状況でした。
そのような中で、かつて高市首相も所属していた旧安倍派は、麻生太郎副総裁が率いる麻生派と並び、首相の強力な後ろ盾となりました。派閥としての組織的な支援はもちろん、個々の議員の連携を通じて、高市政権の安定化に寄与したのです。この総裁選での動きが、旧安倍派にとって「復権」への道筋を開いたと言えるでしょう。
失われた「結束力」、くすぶる内部の不満
しかし、旧安倍派の状況は順風満帆とは言えません。かつての強力な結束力は失われつつあるとの指摘も少なくありません。事件の影響で派閥が解散し、個々の議員がそれぞれの立場で活動するようになったことで、統一した行動が取りにくくなっています。
また、党内からは、旧安倍派の元幹部らが要職に復帰することに対し、警戒する声も根強く聞かれます。事件の経緯を踏まえれば、その影響力の復活を快く思わない議員がいるのも無理はないでしょう。さらに、旧安倍派の議員の中にも、一部の元幹部が急速に影響力を取り戻すことに複雑な感情を抱いている、といった声も漏れ伝わってきます。
派閥の看板を失ったことで、個々の議員の政治活動は自由度を増した側面もありますが、一方で、派閥としての一体感や求心力は低下しているのが実情です。かつてのように、派閥として特定の政策を強く推し進めたり、総裁選で大きな影響力を行使したりすることは難しくなっているのかもしれません。
今後の旧安倍派の動向
高市政権下で一定の影響力を回復しつつある旧安倍派ですが、その道のりは平坦ではありません。派閥という形を失った今、個々の議員の連携をいかに維持・強化していくかが課題となります。萩生田氏らが党内の要職で手腕を発揮することは、旧安倍派全体の評価向上にもつながる可能性があります。
一方で、元幹部への警戒感や内部の不満といった課題にどう向き合っていくのかも重要です。これらの火種を放置すれば、将来的な派閥再編の動きや、政権運営への悪影響にもつながりかねません。旧安倍派が、形を変えながらも自民党内で一定の存在感を示し続けることができるのか、その動向は今後も注目されます。高市政権の安定にとっても、旧安倍派の足並みが揃うかは重要な要素となるでしょう。
まとめ
- 旧安倍派は、政治資金問題による解散から1年が経過。
- 高市政権下で萩生田、西村、松野氏ら旧幹部が党の要職に復帰し、影響力を回復。
- 2025年総裁選での高市首相勝利に旧安倍派が貢献し、政権基盤を支える構図に。
- 一方で、派閥としての結束力は低下し、元幹部への警戒感や内部の不満も存在。
- 旧安倍派が今後、個々の連携を維持し、党内での存在感を示せるかが焦点。