2026-04-24 コメント投稿する ▼
大門みきし議員「アルテミス計画の軍事転用を確認せよ」 宇宙活動法改定案で日本の平和宇宙開発を問う
日本共産党(共産)の大門実紀史参院議員は2026年4月22日、参院デジタル社会の形成・人工知能活用特別委員会で、宇宙活動法改定案の審議にあたり、米国主導の有人月探査プロジェクト「アルテミス計画」が2025年12月のトランプ米大統領の大統領令によって平和目的から米国の安全保障目的に大きく転換されたと指摘し、「このまま日本が参加していいのか。米国の真意を確認すべきだ」と政府に迫りました。戦後日本が積み重ねてきた平和目的の宇宙開発が、軍事化の波に飲み込まれようとしている現実を問うた質疑でした。
宇宙活動法改定案が可決 共産党は軍事利用を理由に反対
民間企業の人工衛星の打ち上げ・管理を国の許可制度とし、事故時の損害補償を定める法律、通称「宇宙活動法」の対象を人工衛星を搭載しない多様なロケットに広げる改定案(参院先議)が2026年4月24日の参院本会議で可決しました。
日本共産党(共産)は、民間の宇宙開発技術を軍事目的に活用する政府の宇宙政策のもとでは、民間の宇宙開発技術が軍事利用と一体不可分とならざるを得ないとして反対しました。
大門実紀史参院議員は2026年4月22日の参院デジタル社会の形成・人工知能活用特別委員会で、この改定案の問題点を正面からただしました。
宇宙の軍事利用が当たり前のように進んでいるが、宇宙は本来、人類共通の平和な場所であるべきだ
アルテミス計画の「安全保障目的化」を大門議員が告発
大門議員が審議の中心に据えたのは、アルテミス計画(米国主導で日本も参加する国際的な有人月探査プロジェクト)の性格変質問題です。
アルテミス計画はもともと2020年に締結されたアルテミス合意に基づき、「すべての活動は平和目的のために行われる」と明記され、日本を含む多くの国が参加してきました。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は日本人宇宙飛行士の月面着陸を含む形で深く関与しています。
しかし大門議員は、2025年12月にドナルド・トランプ米大統領が署名した大統領令により、アルテミス計画の位置づけが大きく変わったと指摘しました。この大統領令では「宇宙探査」「安全保障」「宇宙産業」「技術開発」の4つが優先分野として特定され、安全保障目的が前面に打ち出されました。月周回空間に至る領域での米国の宇宙利益に対する脅威対処や、国家安全保障宇宙アーキテクチャの構築が明記されています。
宇宙を戦場にしようとしている。平和利用の原則はどこへ行ったのか
大門議員は「このまま日本が参加していいのか。米国の真意を確認すべきだ」と政府に迫りました。
これに対し、小野田紀美宇宙政策担当相は「米国と常に意思疎通を行いながら連携していきたい」と述べるにとどまり、米国の政策転換への明確な見解や対応策は示しませんでした。
平和憲法を持つ日本が果たすべき役割とは
大門議員は、宇宙政策の歴史的経緯にも踏み込みました。
戦後日本の宇宙開発は「平和目的」を大原則としてスタートしました。ところが2008年の宇宙基本法、そして安保3文書や第5次宇宙基本計画などで、軍事目的の宇宙開発を推進する方向に大きく転換しています。
大門議員は「平和憲法を持つ日本は、国連をベースにした宇宙の平和利用の枠組みづくりに努力すべきだ」と強調しました。
トランプ政権は2025年8月にも商業宇宙活動の規制緩和を進める大統領令に署名しており、民間企業の宇宙参入を加速させています。しかし同時に、米国防省は宇宙における政府と民間の協業を進め、宇宙軍も「官民協業を宇宙優勢獲得に不可欠」としています。民間の宇宙開発と軍事利用の境界線は急速に曖昧になっています。
民間の技術が軍事に使われていくのは、宇宙でも起きていること。日本だけが例外でいられるか心配だ
宇宙活動法の改定でロケット全般が許可・管理の対象となることで、軍事目的のロケット開発にも同じ制度が適用され得る構造になります。この点を大門議員は問題の核心として指摘したのです。
宇宙の平和利用を取り戻すために 国会での継続追及が必要
アルテミス計画は2026年4月2日に初の有人ミッション「アルテミスII」の打ち上げに成功しており、日本の参加への期待は高まっています。一方で、その計画を支配する米国の戦略の軸は、安全保障・覇権争いへと移り変わっています。
米国は中国の月面探査「嫦娥」計画やロシアの動向を強く意識し、宇宙を「戦略的高地」ととらえて軍事的プレゼンスを強化する方向を鮮明にしています。こうした中で日本が無条件に米国主導の計画に従うだけでよいのかを、大門議員は国会の場から問い続けています。
宇宙は人類みんなのものなのに、大国同士の覇権争いに巻き込まれていくのはおかしい
平和憲法を掲げる日本が、宇宙の軍事化に加担するのではなく、国連の枠組みをベースに各国が宇宙を平和利用できるルールづくりをリードする役割を担うべきだ。それが大門議員の一貫した主張です。宇宙政策の根本的な方向性をめぐる国会での議論は、今後の参院選も含め引き続き注目されます。
まとめ
- 宇宙活動法改定案が2026年4月24日の参院本会議で可決(共産党は軍事利用問題から反対)
- 大門実紀史参院議員が2026年4月22日の参院特別委員会で軍事利用問題を質疑
- アルテミス計画は2025年12月のトランプ大統領令で「安全保障目的」が前面化
- 大門議員は「このまま日本が参加していいのか。米国の真意を確認すべきだ」と政府に迫った
- 小野田紀美宇宙政策担当相は「米国と意思疎通を行いながら連携」と述べるにとどまる
- 戦後日本の宇宙開発は平和目的が原則だったが、2008年宇宙基本法・安保3文書以降に軍事化が進んだ
- 大門議員は「平和憲法を持つ日本は国連をベースにした宇宙の平和利用の枠組みづくりに努力すべきだ」と提言
- 民間宇宙技術と軍事利用の境界が急速に曖昧になっている現実を告発