八代市庁舎の免震装置損傷 収賄事件の171億円新庁舎、信頼性に疑問の声

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八代市庁舎の免震装置損傷 収賄事件の171億円新庁舎、信頼性に疑問の声

熊本県八代市の小野泰輔市長は2026年7月29日、同日の地震(市内は震度6強)により、市役所本庁舎地下1階の免震装置の一部が損傷し立ち入りを制限していると発表しました。「地下を見てみると免震装置がずれてひしゃげている」と述べ、庁舎機能の移転も選択肢として挙げました。同庁舎は2016年の熊本地震で旧庁舎が被災した後、総事業費約171億円で2022年に完成した施設で、震度7に耐えられる免震構造を備えていました。しかし今回の損傷により、建設を担った前田建設工業などのJV(共同企業体)に便宜を図った見返りに現金6000万円を受け取ったとして市議らが逮捕・起訴されている収賄事件との関係を問う声がSNS上で相次いでいます。

震度6強で免震装置が損傷 「ひしゃげている」と小野市長、庁舎機能移転も検討へ


熊本県八代市の小野泰輔市長は2026年7月29日、同市で震度6強を観測した2026年7月28日の地震により、市役所本庁舎地下1階の免震装置の一部が損傷したと発表しました。市の災害対策本部会議の後、報道陣の取材に応じた小野市長は「地下を見てみると免震装置がずれてひしゃげている。相当大きな衝撃があった」と述べました。

損傷したのは揺れや衝撃を吸収・分散するためのダンパー(緩衝装置)部分で、大きなずれが生じているといいます。市は安全性が確認できないとして、庁舎内への一般の立ち入りを禁止し、災害対策本部と1・2階の市民手続きに必要な部署のメンバー数十人のみの入庁に絞っています。

八代市役所が避難できないなんて最悪だ。こんな時に庁舎が機能しないと、市民はどこに頼ればいいんですか

小野市長は「今後同程度の地震が発生した時に建物が耐えられるのか心配だ」とし、状況次第では庁舎とは別の場所に「司令塔機能」を移す選択肢もあると示唆しました。建設を手がけた準大手ゼネコン「前田建設工業」(東京都千代田区)などに鑑定を依頼したとしています。

2016年の被災後に171億円かけて建て替え 「震度7対応」の看板は揺らいだ


今回損傷した八代市庁舎は、2016年の熊本地震で旧庁舎が大きな被害を受けたことを受け、震災復興事業の一環として総事業費約171億円をかけて建て替えられた施設です。鉄骨造の地上6階(一部7階)・地下1階建てで、2022年に完成しました。

171億円も使って『震度7に耐えられる庁舎』を作ったんじゃなかったのか。一回の大きな揺れで免震装置が壊れるなんて、税金の無駄遣いにもほどがある

建て替えにあたっては「震度7の地震にも耐えられる免震構造を備えた、災害に強い庁舎」として整備されたはずでした。しかし今回の地震(八代市の観測は震度6強)で地下の免震装置がずれ・損傷するという事態が発生し、「震度7対応」を謳った庁舎が早くも試練を迎えた形となりました。前田建設工業などのJVが建設を手がけましたが、この工事をめぐっては深刻な汚職事件が明らかになっています。

市議ら3人が逮捕・起訴 前田建設工業JVへの便宜、賄賂6000万円の全貌


八代市新庁舎の建設工事をめぐっては、2026年5月7日、警視庁と熊本県警の合同捜査本部が、自由民主党(自民党)所属の八代市議・成松由紀夫被告(54歳)、元市議・松浦輝幸被告(84歳)、地元建設会社「園川組」代表取締役・園川忠助被告(61歳)の3人をあっせん収賄容疑で逮捕し、その後起訴しています。

容疑の内容は、前田建設工業の九州支店社員からの依頼を受け、工事の入札を「総合評価方式」に変更させた上で同社を含むJVが落札できる評価基準を採用するよう市職員に指示し、さらに同JVの利益を約11億円増やすことまで市職員に要求させたとされるものです。その見返りとして、2021年6月ごろに松浦被告の自宅で現金6000万円を受け取った疑いが持たれています。

収賄事件まで起こして建てた市役所なのに、一回の地震で免震装置がひしゃげるとは。税金をここまで『食い物』にした責任をきちんと追及してほしい

入札は1者のみの応募となり、前田建設工業などのJVが事実上の独占状態で工事を落札しました。関係者の証言によると、前田建設工業側は「利益が不足するため辞退予定だった」と市側に伝えたものの、成松被告から「不足分は契約後に何とかするので応札してほしい」という申し入れがあったとされています。

「収賄でできた庁舎が壊れた」と批判噴出 市長は反発も、徹底した調査が不可欠


小野市長がSNSで市庁舎への立ち入り禁止を投稿すると、「収賄事件までして建てたのに、免震装置が壊れるってどういうこと?」「震度7に耐えるはずの建物が一発でダメになるなんて」などと、建設の経緯と結びつける批判的な声がSNS上に相次ぎました。

「収賄事件で落札した業者が作った庁舎が被災直後に使えなくなるとは。癒着がどこまで工事に影響したのか、徹底した調査が必要だ」
「市長の『盛り上がっている人たちは残念』という言葉より、なぜ収賄工事が起きたのかをしっかり説明してほしい。それが市長の責任だと思う」

小野市長は「免震工事の内容がどうだったかは今後検証するとして、この人が生きるか死ぬかのときに汚職と関連づけて盛り上がっている人たちがいるのは大変残念です」と反発しました。市長の言葉はもっともな側面もありますが、同時に、171億円の税金を投じ「復興の象徴」として建てられた庁舎が初の大地震で早くも機能不全に陥ったことへの責任追及は、今後の専門家鑑定の結果を踏まえた上で必ず行われなければなりません。企業と議員・行政が特定の利益のために結びつく構造は、本来の市民のための政治や公共工事を歪める行為であり、今回の問題はその典型例です。徹底した調査と原因解明が求められます。

まとめ


・2026年7月28日の熊本地震(八代市は震度6強)で、八代市役所庁舎地下1階の免震装置の一部が損傷。小野泰輔市長が「ひしゃげている」と発表し、庁舎への一般立ち入りを禁止した。
・同庁舎は2016年の熊本地震で旧庁舎が被災した後、総事業費171億円をかけて2022年に完成。「震度7対応の免震構造」が売りだったが、震度6強で損傷が確認される結果となった。
・建設を手がけた前田建設工業など含むJVをめぐっては、自民党所属の八代市議ら3人が2026年5月にあっせん収賄容疑で逮捕・起訴されている。賄賂は現金6000万円、JVの利益を約11億円増やすよう市職員へ指示したとされる。
・市長は収賄事件との関連を問う批判的な声に反発したが、171億円もの税金を投じた公共工事の品質と収賄事件の因果関係については、徹底した専門家による調査と説明責任が必要。
・企業と政治家の癒着が公共工事の公正性を歪める構造そのものへの批判と、再発防止策の整備が強く求められる。

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2026-07-30 10:49:40(植村)

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