2025-07-01 コメント投稿する ▼
クアッド外相会合、日米豪印が再結集 中国の脅威にらみ海洋安保・経済安保で連携強化へ
日米豪印クアッド外相会合開催へ
海洋安保と中国の脅威にらみ、4カ国が連携強化 「自由で開かれたインド太平洋」再確認へトランプ再登板下で再び動き出すクアッド 日本からは岩屋外相が出席
日米豪印の4カ国から成る戦略協力枠組み「クアッド(QUAD)」の外相会合が、7月1日に米ワシントンで開催される。第2次トランプ政権の発足後、1月に続く2度目の開催であり、東アジアとインド太平洋地域における新たな国際秩序の再構築に向けて、各国が本格的に動き出していることを示す場となる。
今回の会合では、主権の尊重、海洋安全保障、経済的強靱性を含むサプライチェーンの強化といったテーマが主要議題とされている。主催は米国のルビオ国務長官で、日本からは岩屋毅外相が出席。オーストラリアからはペニー・ウォン外相、インドからはスブラマニヤム・ジャイシャンカル外相が参加する。
米国務省のブルース報道官は6月30日の記者会見で、「自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた強い意志を共有する」と強調。地域安定の鍵を握るクアッドの存在が、再び国際社会の注目を集めている。
中国の覇権的行動を念頭に 海洋進出とインフラ拡張を警戒
クアッド外相会合で最大の焦点となるのが、南シナ海・東シナ海における中国の海洋進出に対する対応だ。中国はここ数年、軍事的圧力と“債務の罠”外交を組み合わせる形で周辺国への影響力を強めており、日米豪印の4カ国はこれを「既存秩序への挑戦」と見なしている。
会合では、東南アジア諸国へのインフラ支援の在り方や、軍民両用技術の輸出管理などについても協議される見通しだ。インド太平洋地域の自由航行を脅かす行為に対しては、4カ国が一致して「法の支配」に基づいた対応を行うことが期待されている。
「クアッドって言葉だけじゃなく、抑止力になってるのかが大事」
「中国の海警法とか、あきらかに挑発だろ」
「日本もスパイ防止法を作って備える時期に来てる」
「インド太平洋の自由を守るなら、曖昧な態度はやめてほしい」
「経済だけじゃなく、情報・安全保障でも連携してくれ」
“サプライチェーンの武器化”を警戒 経済安全保障でも連携強化
今回の外相会合では、海洋安全保障に加えて「経済安全保障」の分野でも議論が交わされる予定だ。特に注目されているのが、半導体、レアアース、医薬品など戦略物資の供給網の分散化・多元化である。
中国がこれらの供給を「政治的カード」として使用する可能性はかねて指摘されており、各国は「経済を武器に使う国家」に対抗する体制づくりを急いでいる。QUADが中心となって「脱・中国依存」の実現に向けた実務的合意を形成できるかが問われている。
特に日本にとっては、半導体やエネルギー資源における供給網の安定確保は死活的な問題であり、今回の会合を機に具体的な行動計画が出るかどうかが注目される。
また、インド太平洋地域での港湾・鉄道インフラ整備支援においても、クアッド主導での「透明性のある支援体制」の構築が提案される見通しだ。
対面外交で信頼関係を再構築 首脳会合に向けた地ならしも
年内にはインドでのクアッド首脳会合が予定されており、今回の外相会合はその「地ならし」の意味合いも持つ。各国外相は本会合の前後で2国間会談も予定しており、対面外交を通じた信頼関係の強化と、相互理解の深化が期待されている。
特に注目されるのが、インドのジャイシャンカル外相と米国のヘグセス国防長官との会談だ。インドは伝統的に独立志向が強いが、中国との国境問題や安全保障上の懸念から、対米協力に踏み出す兆しも見られる。
一方で、クアッドには「軍事同盟化」を警戒する声も一部にあり、いかにして“柔らかな戦略連携”としての信頼性を高めるかが鍵となる。
日本としても、経済力に裏打ちされた外交だけでなく、国内法整備(例:スパイ防止法など)を通じて国家としての情報防衛体制を整える必要がある。表面的な参加ではなく、実質的な「安全保障の一角」としての役割を果たす覚悟が求められている。