小池百合子知事「東京油田を掘り起こす」都が542億円補正予算案、物価高危機に総力対応

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小池百合子知事「東京油田を掘り起こす」都が542億円補正予算案、物価高危機に総力対応

東京都は2026年5月29日、総額542億円の補正予算案を発表しました。2026年3月のホルムズ海峡の事実上の封鎖による物価高騰が長期化する中、小池百合子知事は「東京油田・東京鉱山の掘り起こし」と表現し、中小企業支援136億円、保育所・老人ホームなどへの物価高騰緊急対策232億円、代替エネルギー・資源循環173億円の3本柱を打ち出しました。電気自動車の補助拡充やSAF(廃食用油由来の航空燃料)推進など石油依存からの脱却を目指す施策も含まれており、補正予算案は2026年6月の東京都議会定例会に提出される予定です。

ホルムズ危機が長期化、深刻な物価高の打撃


2026年3月2日、イラン革命防衛隊がホルムズ海峡の通航禁止(事実上の封鎖)を宣言しました。日本は原油輸入の96%を中東に依存しており、ホルムズ海峡を経由した原油輸入量は9割に達する構造となっています。

封鎖の影響が日常生活に広がり始めており、ナフサ(粗製ガソリン)の調達が難しくなったことで、住宅設備や食品などの企業が連日値上げを表明し、生産調整の動きも広がっています。エネルギーコスト急騰・原材料供給途絶・サプライチェーン波及という三重の打撃に直面しており、家庭や中小事業者への影響は深刻です。

「スーパーで何を買っても値上がりしていて、食費だけで毎月数千円も増えました。もう限界に近い」
「材料費と光熱費が同時に上がって、うちの工場がいつまで持つか正直わかりません」

国は2026年3月24日、石油備蓄法に基づき国家備蓄原油の第1弾放出を決定しましたが、封鎖の長期化で物価上昇圧力は続いています。数十年にわたって先送りされてきた石油依存という構造的な問題が、今回の危機で一気に表面化した側面があります。緊急対応だけでなく、エネルギー構造の抜本的な見直しが今こそ問われています。

542億円補正予算、3本柱の中身を解説


東京都は2026年5月29日、総額542億円の補正予算案を発表しました。財源は都の財政調整基金(都の貯金に相当)を主に充てます。

第一の柱は中小企業の経営安定化に向けた融資制度の拡充などで136億円を計上します。原材料価格の高騰で打撃を受ける企業に対し、利益率向上につながるシステム導入などを支援します。

第二の柱は、国や自治体が定める公定価格により価格転嫁が難しい保育所や特別養護老人ホーム、医療機関などを対象にした「物価高騰緊急特別対策事業」に232億円を充てます。国の交付金をもとに2026年1月から実施してきた支援金支給などを都が独自に拡充・継続します。

老人ホームは入居費の上限が決まっているので物価が上がっても値上げできません。このままでは職員の給与も守れなくなりそうで本当に不安です

第三の柱は石油の代替エネルギー確保などに173億円を計上するもので、電気自動車(EV)の購入補助金は最大130万円に引き上げる方針です。廃食用油などをリサイクルしたSAF(持続可能な航空燃料)の利用促進やナフサの代替素材の開発支援、廃棄された電子機器などから希少資源を回収するプロジェクトにも取り組みます。EVとPHEVについては、国との補助金と合算すると最大260万円に達する見込みです。また、都内で急拡大しているはしか(麻疹)のワクチン接種を無料化する事業にも1億円を充てます。

「東京油田・東京鉱山」小池知事が込めた思い


小池百合子東京都知事は2026年5月29日の記者会見で「私たちの身の回りに埋もれている『東京油田・東京鉱山』をみんなでもう一度発掘していこうではないか」と都民に協力を呼びかけました。

この言葉が示すのは、廃食用油や古い電子機器など都市に眠る資源を新たなエネルギーや素材として活かすという考え方です。捨てられていたものを新たな価値に変える取り組みを都全体で推進しようというメッセージが込められています。

タンスに眠っていた古いパソコンが資源になるなら持っていきます。こういう取り組みはもっと広げてほしいです

小池知事は「エネルギー構造の転換等を加速化するとともに、足元の都民・事業者の不安を払拭する」と述べており、今回の物価高危機を構造改革を加速させる機会として位置づける姿勢が見えます。

一方で、財源が財政調整基金の取り崩しに依存している点には注視が必要です。単なる一時的な給付にとどまらず、エネルギー転換という中長期の目標に確実につながるかどうか、数値目標と期限を明示した上で成果をきちんと報告することが、都民の理解を得る上で欠かせません。

補正予算案、6月の都議会定例会に提出へ


今回の補正予算案は、2026年6月に開かれる東京都議会第2回定例会に提出される予定です。

物価高騰で苦しむ中小企業や都民、価格転嫁の難しい福祉施設にとって、支援の早期実施は切実な課題です。今回の物価高は長年にわたって石油依存という構造問題への対応を後回しにしてきたツケが表れたものでもあり、緊急支援にとどまらずエネルギー転換・資源循環といった根本的な対策を一刻も早く前進させることが都民の生活を本当の意味で守ることにつながります。都民の税金を財源とする以上、支援策の効果を数値目標と期限つきで継続的に報告していく責任が東京都には問われます。

補助金が増えても物価がまた上がったら意味がない。根本的なエネルギー政策の転換を進めてほしい

まとめ


  • 東京都は2026年5月29日、総額542億円の補正予算案を発表した
  • 背景は2026年3月2日のホルムズ海峡の事実上の封鎖による物価高騰の長期化
  • 中小企業支援136億円・物価高騰緊急特別対策(保育所・老人ホーム等)232億円・代替エネルギー173億円の3本柱
  • EV購入補助を最大100万円から130万円に拡充、国との合算で最大260万円の見込み
  • SAF(廃食用油由来の航空燃料)推進と廃パソコンからのレアメタル回収も推進
  • はしか(麻疹)ワクチン接種無料化(1億円)も計上
  • 小池百合子知事が廃棄物資源の活用を「東京油田・東京鉱山の掘り起こし」と表現し都民に協力を呼びかけ
  • 補正予算案は2026年6月の東京都議会第2回定例会に提出予定
  • 財源は財政調整基金(都の貯金)の取り崩しであり、成果の数値目標と報告が求められる

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2026-06-01 14:41:16(櫻井将和)

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