2025-07-02 コメント: 1件 ▼
2万円給付に1.8兆円では足りず 上振れ税収でも財源難、赤字国債回避は困難な現実
“上振れ”の現実は夢物語にあらず――税収の限界が露呈
7月2日に財務省が発表した2024年度の一般会計決算概要によると、国の税収は当初見込みより1兆7970億円上振れた。これは一見すれば「好調」に見える数字だが、与党が掲げる「全国民への2万円給付」を実現するには到底足りない金額であり、財政運営の厳しさが浮き彫りになった。
2万円給付の必要予算は約3兆円台半ば。現時点の税収上振れ分だけでは約半分しか賄えず、残りの財源をどう捻出するのかが焦点となる。石破茂首相は「赤字国債に依存しない」と明言しており、財政規律を保ちながらの給付実現はかなり厳しい情勢だ。
「1.8兆円で『足りません』って、もう増税フラグ?」
「現金配るのに借金前提じゃ意味がない」
「減税すれば済む話なのに、給付に固執するのが謎」
「もらう前提で話進んでるけど、財源ないならやめて」
「一時給付より恒久的な減税を本気でやってほしい」
上振れの主因は所得税と企業収益 しかし継続性に疑問符
今回の税収上振れの最大の要因は、賃上げや好調な企業収益による所得税と法人税の伸び。特に所得税は約1兆900億円増え、全体を大きく押し上げた。だが、それでも3兆円台の給付を賄うには明らかに力不足であり、財務省関係者からも「構造的に続く税収ではない」との指摘が出ている。
そもそも、「現金給付」という政策自体が、一時的な税収上振れに頼って実施できる類のものではない。給付をすればするほど国債発行の圧力が高まるという矛盾が、今回もまた表面化した格好だ。
政治主導のバラマキ合戦 減税ではなく“給付依存”の限界
問題は、「減税ではなく現金給付」という与党の選択肢そのものだ。特に参院選を控えた時期に、ばらまき的施策が再浮上するたびに「票狙いではないか」との批判が高まる。国民の購買力回復を本気で目指すなら、消費税や社会保険料の引き下げといった恒久的な“可処分所得の改善”を議論すべきだ。
現金給付は一時的な恩恵にすぎず、インフレや生活コストの上昇に苦しむ世帯にとっては焼け石に水だ。財源の裏付けがないまま給付を繰り返せば、結局は国民が将来的に増税という形でツケを払うことになる。
一方で「増税しない、赤字国債も発行しない、でも給付はする」という三重苦のような財政運営は、いよいよ現実味を失いつつある。
赤字国債に頼らぬ方針の限界と、求められる本気の財政改革
石破首相は財政規律を重視し、「赤字国債には依存しない」との立場を崩していない。しかし現金給付を実行するには、他に補助金カットや特別会計の見直しなど、痛みを伴う選択が不可避となる。
本来、こうしたタイミングでこそ「行政の無駄」の洗い出しや、「財源の組み換え」を大胆に行うべきだが、与党内でもそのような議論は表立っていない。むしろ、選挙戦略としての「即効性のある給付策」に傾く空気すら感じられる。
国民の多くは、もはや一時の給付で納得しない。「生活を支える仕組み」そのものが問われている今、政治が短期的な人気取りから脱却できるかが試されている。