2025-06-27 コメント投稿する ▼
公約無人機の領空侵犯「撃墜可能」 政府が初の明確見解を閣議決定 中国無人機の脅威背景に
政府が無人機対応で新方針を閣議決定
政府は6月27日の閣議で、パイロットを搭載しない無人機が日本の領空を侵犯した場合、正当防衛や緊急避難に該当しなくても、自衛隊が撃墜を含む対応を取れるとの答弁書を正式に決定した。これは、無所属の松原仁・元拉致問題担当相による質問主意書への回答として示されたものだ。
これまで自衛隊による撃墜行為は、「生命の危険がある場合に限られる」との法解釈により、正当防衛や緊急避難に当たると認められた場合のみに限定されていた。しかし今回の見解では、パイロットが乗っていない無人機にはこうした制約が及ばないと明示された形だ。
背景にある中国無人機の活発な動き
この閣議決定の背景には、急速に拡大する中国軍の無人機活動がある。防衛省によれば、今年に入ってから中国の無人機が太平洋上を飛行する回数が急増しており、日本周辺空域での活動も目立っている。とくに、中国が開発中とされる「九天(じゅうてん)」と呼ばれる自爆型ドローン搭載可能な大型無人機は、7000キロという航続距離を持ち、日本本土への直接的なリスクが高まっている。
こうした状況を受けて、防衛省内では無人機に対する対応ルールの見直しが進められてきた。2023年2月20日の衆議院予算委員会分科会では、当時の防衛政策局長が「無人機には正当防衛・緊急避難の要件を必要としない」との見解を表明。今回の答弁書は、これを政府として公式に追認した形だ。
首相官邸や皇居上空の撃墜も「法的に可能」
答弁書ではさらに、首相官邸や皇居、自衛隊基地などの上空で無人機が飛行した場合でも、飛行の妨害や破壊といった「必要な措置」には撃墜が含まれると明記された。これは小型無人機等飛行禁止法の運用に関する明確な基準の提示といえる。
現在、警察当局も迎撃用ドローンやジャミングガンなどの装備強化を進めており、法整備と現場の装備両面での対策が急がれている。特に都市部では、ドローンによるスパイ活動やテロリスクへの備えが現実の課題になりつつある。
懸念と期待、広がる波紋
今回の政府方針は、無人機による新たな安保リスクに対応する一歩として評価される一方で、「撃墜の基準があいまいではないか」「外交的摩擦を招くのでは」との懸念の声もある。特に、領空侵犯がどの段階で「撃墜に値する」と判断されるのか、その運用には透明性と説明責任が求められそうだ。
国際的にも無人機への対処は急務となっており、今回の閣議決定は、日本の無人機防衛体制における転換点になる可能性がある。ドローン技術の進化と普及を前に、政府は安全保障の枠組みを再定義しなければならない局面に入っている。
この投稿は石破茂の公約「中国に対しては、「戦略的互恵関係」を包括的に推進し、あらゆるレベルでの意思疎通を重ねる」に関連する活動情報です。この公約は22点の得点で、公約偏差値41.7、達成率は0%と評価されています。