2025-06-05 コメント投稿する ▼
空襲被害者への一時金支給案に自民が提出不参加 戦後80年の節目に「受忍論」継続で議論紛糾
空襲被害者救済法案に自民が提出不参加へ 「受忍論」維持で波紋広がる
太平洋戦争中の空襲で被害を受けた民間人を支援するため、超党派の国会議員が今国会での提出を目指していた「空襲被害者救済法案」について、自民党が法案提出に加わらない方針を固めたことが5日、関係者の取材で明らかになった。法案は、身体や精神に後遺症が残った被害者に対し、一時金として50万円を支給することなどを柱にしている。
議連には自民党からも複数の国会議員が参加しており、今年8月の戦後80年の節目までの法案成立を目指していたが、党内の慎重論が勝った形となった。
懸念は「他の戦争被害への波及」
自民党内では、「民間人への補償を認めれば、原爆被害や沖縄戦、引き揚げ者など他の戦争被害への補償要求が次々と出る」との懸念が根強い。法案を主導してきた議員らは「ようやく歴史的な一歩を踏み出す時だ」と訴えていたが、党内では、国家としての責任を拡大解釈することに対し慎重な意見が多数を占めた。
これにより、議員立法による法案提出には与党としての一体性が欠けることになり、成立は一層厳しい状況に追い込まれている。
法案の主な内容と背景
今回の法案には以下の施策が盛り込まれている。
* 空襲などで身体的・精神的な後遺症が残った人への一時金50万円の支給
* 空襲被害の実態調査
* 被害者の体験や資料を次世代に継承する事業の推進
これまで政府は、旧軍人・軍属やその遺族に対して恩給など総額60兆円規模の補償を実施してきた。一方で民間人の被害については、戦争という国家的非常事態における「受忍論」を根拠に、国家補償を行ってこなかった。
被害者と国民の声は
空襲で家族を失い、今も障害を抱える高齢者たちからは「やっと報われる日が来るかと思ったのに」「国の冷たさをまた感じた」との声が上がっている。戦後80年を迎える中で、国家による戦争責任のあり方が改めて問われている。
ネット上の反応
「空襲の被害者は見捨てられるのか。戦後80年経ってもこの扱い?」
「恩給は軍人にだけ。民間人は“受忍”で終わりって不公平じゃないか?」
「50万円で済む問題じゃないが、それすら反対するのか…」
「補償の前に事実調査と記録の保存を急いでほしい」
「戦争被害者を分断するような政治判断はしてほしくない」
* 空襲被害者への救済法案を超党派議連が今国会提出を目指す
* 自民党は提出参加を見送る方針で調整中
* 他の戦争被害への波及を懸念し「受忍論」を維持
* 一時金50万円支給、実態調査、体験継承などが柱
* 成立には厳しい見通し、被害者の期待との乖離が広がる