2026-06-29 コメント投稿する ▼
陸自と米海兵隊、ドローン活用の実弾射撃訓練を実施
陸上自衛隊と米海兵隊は、共同実動訓練「レゾリュート・ドラゴン」の一環として、大分県日出生台演習場で実弾射撃訓練を行いました。 今回の訓練では、日米共同訓練として初めて偵察ドローンを実弾射撃と連携させて活用し、対処能力の向上を目指しています。 「レゾリュート・ドラゴン」には、陸自と米海兵隊を合わせ計約9600人規模の隊員が参加しており、九州・沖縄各地で20日から30日までの日程で実施されています。
新技術を活用した共同対処能力の向上
今回の実弾射撃訓練には、陸自から約300人、米海兵隊から約90人の計約390人が参加しました。訓練は、日米が保有するドローンによる情報収集・偵察から始まり、陸上自衛隊の「16式機動戦闘車」や自動小銃などを用いた実弾射撃で敵の接近を阻止し、奪われた地域を奪還するという一連の流れを想定して行われました。特に注目されるのは、偵察活動に国産無人機「蒼天」や米海兵隊の「ストーカー」「ネロス・アーチャー」といったドローンが実弾射撃訓練で初めて活用された点です。これにより、敵の正確な位置情報を迅速に入手し、より効果的な火力投射につなげる能力の向上が期待されます。
訓練後、陸自の広報担当者は「米軍とは、毎年レゾリュート・ドラゴンを通して、連携を積み重ねている。今回も効果的な訓練ができた」と手応えを語りました。また、米海兵隊第12海兵沿岸連隊(MLR)の広報官であるエリー・サリバン中尉も、「ドローンの偵察能力は、非常に素晴らしい。訓練では、日米がドローンを使った戦闘に適応する姿を見ることができた」と高く評価しています。これらのドローンは、戦場の状況把握や目標捕捉に不可欠な存在となっており、その共同運用能力を高めることは、日米の統合的な対処能力を底上げする上で極めて重要と言えるでしょう。
10式戦車の不参加と事故の影響
今回の訓練で、実弾射撃訓練に10式戦車が参加しなかったことは、関係者の間で注目を集めました。10式戦車は、今年4月に陸自日出生台演習場で実施された訓練中に、隊員4人が死傷する事故が発生しています。この事故を受け、今回の実弾射撃訓練への投入は見送られた形です。関係者によると、10式戦車は「レゾリュート・ドラゴン」訓練期間中、実弾射撃は行わず、機関銃による空砲発射のみを実施したとのことです。装備の信頼性確保は、自衛隊の任務遂行能力の根幹をなすものです。今回の措置は、事故原因の究明と再発防止策の徹底を図りつつ、訓練全体の安全性を最優先した結果と推察されます。今後、10式戦車がどのように実運用に復帰していくのか、その動向が注視されます。
国際的連携と「島嶼防衛」への布石
「レゾリュート・ドラゴン」には、陸自と米海兵隊を合わせ計約9600人規模の隊員が参加しており、九州・沖縄各地で20日から30日までの日程で実施されています。今回の実弾射撃訓練には、イギリス、フランス、オーストラリア、フィリピンの4カ国がオブザーバーとして参加しました。これは、インド太平洋地域における安全保障協力の重要性が増していることを示唆しています。特に、日本周辺海域における中国の海洋進出や軍備拡張は著しく、日米両国はこうした状況に対応するため、共同での対処能力向上を急いでいます。本訓練は、まさにその具体策の一つであり、将来的な「島嶼防衛」能力の強化に直結するものと言えるでしょう。
また、射撃訓練と並行して、負傷した隊員を後方拠点へ搬送する「後送」訓練なども実施されました。これは、戦闘地域での医療支援体制の重要性を示しています。過去の訓練でも、野戦病院の設置やオスプレイを用いた負傷者搬送訓練などが行われており、実働的な連携を多岐にわたって強化する姿勢が見て取れます。こうした地道な連携の積み重ねが、実際の有事における実効性を高めることに繋がるのです。
重要な結節点としての訓練
今回の「レゾリュート・ドラゴン」訓練におけるドローン活用の本格化は、現代戦における情報収集・分析・火力投射の連携がいかに重要であるかを示しています。最新技術の導入は、日米両国が変化する安全保障環境に柔軟に対応し、抑止力を維持・強化していく上で不可欠です。10式戦車の不参加という事実はありましたが、それを補う形で新たな装備や戦術の検証が進められたことは、むしろ日米同盟の進化と適応能力の高さを示すものかもしれません。
周辺国の脅威が増大する中、日米は連携を深化させ、より強固な安全保障体制を構築していく必要があります。今回の訓練で得られた知見や経験は、今後の防衛政策や装備体系のあり方にも影響を与える可能性があり、その動向から目が離せません。
まとめ
- 陸自と米海兵隊が共同訓練「レゾリュート・ドラゴン」を実施。
- 初めて偵察ドローンを実弾射撃に活用。
- 10式戦車は事故の影響で不参加。
- 国際的連携を強化し、島嶼防衛能力の向上を目指す。