2024-12-19
比地地区アンケート 氾濫は県が浚渫(しゅんせつ)を行わなかったため
沖縄本島北部の国頭村比地地区で発生した記録的な大雨による比地川の氾濫について、住民の多くが県の対応に責任があると指摘しています。この問題の背景には、住民が繰り返し要請してきたしゅんせつ工事が実施されなかった事実があり、住民アンケートの結果からもその責任の重さが浮き彫りになりました。
比地地区では、過去3年間にわたり3度も比地川のしゅんせつ工事を県に要請していました。しかし、要請は実現せず、先月の大雨で川が氾濫し、多くの住民が浸水被害に見舞われました。この事態を受けて、地区住民が全世帯を対象に行ったアンケートでは、37世帯中36世帯が「県の対応不足が原因」と回答しました。「自然災害」との認識を示したのは1世帯にとどまり、17世帯が「しゅんせつ工事の要請を無視した人災」と答え、さらに19世帯は「自然災害」と「人災」の両方が関与していると考えていました。この結果からも、住民の多くが県の姿勢に強い不満を抱いていることが明らかです。
さらに、アンケートでは「河川の再氾濫」が最大の懸念事項として挙げられ、「今後の生活」や「農業への影響」なども大きな心配事として挙げられました。また、具体的な要望として「金銭的な支援」「河川の整備の早期実施」「河川監視カメラの設置」などが寄せられ、住民が再発防止と安全確保を強く求めていることがうかがえます。
県は現在、比地川で応急的なしゅんせつ工事を進めていますが、これだけでは住民の不安を拭うには不十分です。住民が3年間も訴え続けた声を無視してきた県の対応が、今回の氾濫被害を拡大させた可能性は否定できません。県は氾濫後にしゅんせつ工事を開始したものの、これが「後手に回った対応」であるとの批判は免れないでしょう。今後は、迅速な河川整備の実施と再発防止策の徹底が求められています。また、被害を受けた住民への支援や補償も、県の責務として速やかに実施されるべきです。
今回の事態は、自然災害のみによるものではなく、行政の対応の遅れや不十分さが被害を深刻化させた典型例です。県は住民の声に真摯に耳を傾け、適切な対策を講じることで、信頼回復と再発防止に努める必要があります。その責任は極めて重大です。
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2024-12-20 16:47:13(植村)
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