2025-02-06
沖縄県ワシントン事務所の再スタートと玉城知事の見解
沖縄県が米国に設立したワシントン事務所は、米国政府や議会に対し沖縄の立場を伝える重要な役割を担ってきた。しかし、その運営にはさまざまな問題が浮き彫りとなり、現在、県議会での調査が進められている。特に、事務所の設立手続きや運営の透明性、予算の使途についての疑問が多く、知事は今後の運営について慎重に見直しを進めている。
【事務所設立の背景と目的】
沖縄県は、米軍基地問題をはじめとする沖縄の課題を米国政府に直接伝えるため、2015年にワシントンD.C.に事務所を設立した。当初は非営利法人として設立を目指したが、米国務省から「非営利法人としての設立は不適当」とされ、株式会社として設立されることとなった。
【運営上の問題点】
手続きの不備: 事務所設立時、正式な決定文書が存在せず、手続きの適法性が問われている。
財務報告の欠如: 設立以来、事務所の財務報告が県議会に提出されておらず、地方自治法違反の可能性が指摘されている。
監査の不十分さ: 事務所運営費の監査が不十分であり、予算の使途について県議会で十分な説明がなされていない。
公有財産管理の不備: 株式の管理が適切に行われておらず、資産管理の透明性が欠けている。
高額な運営コスト: 事務所の運営費は年間約1億円に達しており、その費用対効果が問われている。
【玉城知事の見解】
これらの問題を受け、玉城デニー知事はワシントン事務所の運営を見直すため、令和7年度の予算案で事務所関連の経費を前年度から半減させることを決定した。玉城知事は、事務所の役割について「トランプ政権がどのような方向性で情報発信するかを収集することは最低限必要な活動範囲である」と述べ、米国との関係維持の重要性を強調した。
【県議会の対応と課題】
沖縄県議会は、事務所の運営に関する問題を解決するため、調査特別委員会(百条委員会)を設置し、事務所設立時の手続きや財務報告などに関する調査を行っている。玉城知事は今後、事務所を再スタートさせるための準備期間として経費を減額し、必要最小限の活動形態を維持する方針を示している。
沖縄県のワシントン事務所は、米国との関係強化や沖縄の立場発信において重要な役割を果たしているが、運営の透明性や適法性、費用対効果などの課題を解決することが求められている。今後は、問題の検証と改善が進められ、より効果的な運営が実現されることが期待されている。
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2025-02-06 17:14:26(キッシー)
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