2025-04-24 コメント投稿する ▼
憲法53条「臨時国会召集義務」徹底を訴え 赤嶺政賢氏、少数意見保障の重要性を強調|衆院憲法審
この中で日本共産党の赤嶺政賢議員は、憲法53条が単なる手続き条文ではなく、国会の少数派の発言権を守り、国民の多様な意見を国政に反映させるための根幹規定であると強調した。赤嶺氏は、「国会は国権の最高機関であり、行政を監視・統制する役割を担う。そのためにも臨時会召集は極めて重要な制度だ」と述べた。
明治憲法時代の反省を踏まえた憲法53条
赤嶺氏は、明治憲法下では議会が天皇の「協賛機関」にすぎず、天皇や政府の意向によって召集されるのみであったと指摘。その結果、議会は独立性を持たず、軍国主義へと突き進む一因となったと歴史的背景を説明した。
これを踏まえ、戦後の日本国憲法では「国民主権」の理念に基づき、国会を「国権の最高機関」と位置づけ、議会の自律性を確保する仕組みとして憲法53条が設けられたと強調した。
さらに、憲法制定時の議論において、当時の金森徳次郎憲法担当国務大臣が「少数でも議会を開かせ、少数意見が堂々と主張できることが民主主義の基盤である」と説明した経緯を紹介し、「53条は民主主義を機能させるための生命線だ」と主張した。
安倍政権の対応を厳しく批判
赤嶺氏は、2017年に野党が求めた臨時国会召集要求を安倍政権が98日間も放置した事例を挙げ、「自民党政権は繰り返し憲法53条を無視してきた。これは民主主義の根幹を破壊する行為だ」と強く非難した。
また、2020年の那覇地裁判決を紹介し、「内閣には臨時国会を召集する法的義務があり、裁量権はほぼ認められない」との司法判断が示されていることも指摘した。
赤嶺氏はさらに、「政府が臨時国会の召集を無視することは、憲法に明確に違反している。憲法を守らない者に、憲法改正を語る資格はない」と厳しく断じ、議場を引き締めた。
臨時国会召集問題が問う国会と内閣の関係
今回の審議は、単なる臨時会召集の期限設定を巡る議論にとどまらず、国会と内閣の関係、民主主義の基盤である少数意見の尊重、そして憲法遵守義務という、より本質的な問題提起となった。
国民の意見を代表する国会が内閣に対してどれだけ主体性を保てるか――憲法53条を巡る議論は、今後の憲法改正論議にも大きな影響を与えそうだ。
- 憲法53条は少数意見の保障と行政監視のための重要条文
- 明治憲法時代の反省から「国民主権」原則の下で制定
- 安倍政権による臨時国会召集要求無視を厳しく批判
- 那覇地裁判決も内閣の法的責務を明確に認定
- 赤嶺氏「憲法を守らない者に改憲を語る資格はない」と指摘