2025-04-03 コメント: 1件 ▼
500匹の動物たちの行方は? 閉園迫るノースサファリサッポロの課題
違法営業が続いた背景
ノースサファリサッポロは、開園当初の2004年から、都市計画法に違反して運営されていた。札幌市は過去17回にわたり、施設の運営元である「サクセス観光」に対して行政指導を行ったが、施設は改善されることなく営業を続けていた。この「市街化調整区域」内に、無許可で飼育施設や売店などが建設されていたため、法令違反が問題視されていた。
突然の閉園発表
2025年3月10日、施設は突如として社長の辞任と、9月末での閉園を公式に発表した。これには多くの驚きの声が上がったが、実際にはこの問題は既に長い間続いており、突如として閉園が決まった背景には、違法営業に対する世間の批判と、行政からの圧力があったとされている。報道によると、2月1日に読売新聞が違法営業をスクープした際、社長はその後姿を消してしまい、現在もその行方は不明という。
動物たちの行方
閉園に伴い、同園で飼育されている150種類以上、500匹を超える動物たちの行き先が未定のままだ。札幌市保健所は「動物がどのように育ち、どのような環境で飼育されていたかを調べる必要があり、簡単には移送できない」と指摘しており、特にライオンやアザラシなどは隔離期間が必要で、慎重な対応が求められている。
現在、道内の動物園に対して受け入れの打診は行われているが、旭山動物園や帯広動物園、釧路動物園などからは「打診は受けていない」との回答があり、受け入れ先の確保が難航している状況だ。
地域への影響
ノースサファリサッポロは観光名所としても知られ、地域経済に一定の貢献をしていた。観光客向けの「アニマルグランピング」や、ウィンタースポーツ体験なども人気を集めていたが、閉園によりこれらの観光資源が失われ、地域経済への影響も懸念されている。地元の商店や宿泊施設にも、打撃が及ぶ可能性がある。
今後の課題
閉園後の動物たちの行方が定まらないこと、そして今後もこのような問題が繰り返されないよう、法律や規制を守る重要性が改めて浮き彫りとなった。動物福祉を守るためにも、今後は施設の運営が適正な方法で行われるよう、より強化された監視体制が求められる。