2025-06-20 コメント投稿する ▼
武藤経産相がLNG安定供給へ国際協力を呼びかけ 中東緊迫化で調達多角化が急務に
26か国が出席、日本主導のLNG会議が都内で開催
液化天然ガス(LNG)の生産国と消費国が一堂に会する国際会議「LNG産消会議」が東京で開催され、14回目となる今年の会議には26か国の政府や企業の関係者が出席した。主催は日本政府で、エネルギー安全保障の要として位置付けられるLNGの安定供給について、世界的な連携強化を図る狙いがある。
武藤経済産業大臣は開会挨拶で、「中東情勢の緊迫化がLNG供給網に与えるリスクは深刻」と強調。「国際社会が緊密に連携し、対話によって安定供給体制を維持することが不可欠だ」と述べ、地政学リスクを前にした国際協調の必要性を訴えた。
「LNGはもう“燃料”じゃなく“国防”だと思った方がいい」
「中東が揺れたら即、エネルギー危機。多角化は急務だよね」
マレーシアと緊急調達の覚書 JERAは豪州と冬季契約
今回の会議にあわせ、日本政府はマレーシアの国営エネルギー企業「ペトロナス」と、緊急時のLNG調達に関する覚書(MoU)を締結。エネルギーの突発的な供給不足に備える体制を一層強化した。
また、国内最大の発電事業者JERAは、冬場に電力需給がひっ迫しやすい日本の状況を考慮し、オーストラリア企業との間で寒波に備えた追加調達契約を結んだ。これにより、今冬のLNG確保体制は昨年よりも一段と強化された形となる。
「ウクライナ侵攻でも思い知った。エネルギーは“備え”が命」
「冬の停電リスク、現実味あるからJERAの判断は賢明」
地政学リスクの高まり、日本のエネルギー安全保障は岐路に
ウクライナ戦争以降、LNG市場は混乱が続いており、中東やアジアでも供給の不安定化が懸念される状況が続いている。日本は世界最大級のLNG輸入国であり、電力・都市ガス・工業用燃料としての依存度が高いため、他国以上に「調達リスク」が国民生活に直結する。
特に中東における紅海やホルムズ海峡の不安定化は、LNGだけでなく石油輸送にも重大な影響を与える。武藤経産相が「緊張感を持って注視している」と発言した背景には、今後数か月でリスクが顕在化する可能性への強い懸念がある。
「LNGって実は電気の“原料”なんだよね。ここが止まると家の電気も止まる」
「脱炭素も大事だけど、まずは燃料が手に入らなきゃ話にならない」
脱炭素と安定供給の両立 多角化が今後の鍵
日本は再生可能エネルギーや水素の導入を進める一方で、現時点での主力は依然として火力発電であり、その多くをLNGが支えている。カーボンニュートラルを目指す脱炭素政策との整合性を保ちながら、LNG供給をどう安定化させていくかが今後の課題となる。
そのためにも、LNGの調達先を特定地域に依存せず、東南アジア、オセアニア、北米などへ分散させる「多角化戦略」が不可欠だ。また、緊急時の契約フレームや備蓄体制の拡充も避けられない。
経済と安全保障の境界線が曖昧になる時代において、エネルギー政策はもはや“外交カード”でもある。今回の会議はその現実を改めて世界に示す場となった。