2025-06-21 コメント投稿する ▼
自民党「ま・る・な・げ」大合唱に玉木代表が反論 減税めぐる論戦が露呈する与党の限界
本会議場が異様な空気に包まれた「ま・る・な・げ」コール
ガソリンの暫定税率廃止をめぐる国会論戦が、またもや「政治と品格」を問う場面となった。6月20日の衆議院本会議で、野党7党共同提出による同法案に対する自民党の反対討論中、議場に響いたのは「ま・る・な・げ」のシュプレヒコール。反対討論に立った自民党・小寺裕雄議員が、財源の説明がないことを指摘し「政府与党に(財源を)ま・る・な・げ」と声を区切って強調すると、同僚議員らがそれに呼応し、大合唱が3回も繰り返された。
議場は騒然となり、ヤジと怒号が飛び交う中で討論は続行。与党側のその“パフォーマンス”に対し、冷静さを失った政治姿勢や政策論争からの逸脱を疑問視する声が、ネット上でも相次いだ。
「国会って、こんな下品な応酬をする場所だったっけ?」
「『まるなげ』って言いながら、結局何も自分たちの案は出してないよね」
「減税を感情論で潰すなら、もう政治家なんて名乗らないでほしい」
「ガソリン代下げろって話が、茶化して終わるの、納得いかない」
「冷静に討論できない与党に、生活の苦しさが本当に見えているのか?」
玉木代表「品がない。中身がない」冷静かつ厳しい反論
これに即座に反応したのが、法案の共同提出者でもある国民民主党・玉木雄一郎代表だった。20日夜、自身のXに投稿した内容で、今回の自民党の討論を「与党らしくない、あまりにも品のない内容で驚いた」と率直に批判。
さらに昨年12月、自公国の3党で暫定税率の「廃止」自体には合意文書を交わしていた事実を持ち出し、「あの合意の当事者である自民党が今さら『まるなげ』呼ばわりするのは筋が違う」と、政治的な責任転嫁に釘を刺した。
玉木氏は、国民民主党として補助金と減税を組み合わせた複数案を提示し、財源についても「税収の上振れ分」を活用できるという提案を行ってきたと強調。だが、自民党はこれを取り合わず、結果的に3兆円の上振れ財源を「選挙対策の現金給付」に転用してしまったと痛烈に皮肉った。
「対決より解決という立場で臨んできたが、今日の絶叫討論には具体策が一切なかった」
と玉木氏は残念がりつつ、21日に予定される参議院財務金融委員会での建設的な議論に期待を寄せた。
「ばらまき」VS「減税」 経済対策の本質はどこに?
今回の議論は、単に暫定税率の是非をめぐる争いにとどまらない。問題の本質は、「一律給付金」という選挙向けの短期的ばらまき政策を選ぶ与党と、「恒久的な減税による家計負担の軽減」を求める野党勢力の構図だ。
特に国民民主党は、従来から「現金給付は一時しのぎにすぎない」と批判し、消費税やガソリン税といった“生活に直結する税負担”の減税を求め続けてきた。今回の法案もその流れの一環であり、国民生活を直接的に支えるための現実的な一手として打ち出されたものだ。
一方、与党側は財源不足や制度の持続性を理由に減税に否定的である一方、2万円の現金給付という「選挙向け施策」には積極姿勢を見せている。これが「言ってることとやってることが違う」と批判される要因でもある。
「減税を否定して現金ばらまきって…もう増税の布石にしか見えない」
「“税の公平性”って言葉を、ばらまきには使わないのね」
「ガソリンが高くて困ってる人は今もいる。減税の方が効果あるよ」
「3兆円もあるなら、インボイス廃止も含めて考えるべきでは」
「スパイ防止法を出す前に、まず自国民の生活を守る法案を通せ」
政治に求められるのは「パフォーマンス」でなく「責任」
国会の本質は、本来、冷静で中身のある政策論争にあるはずだ。だが現実には、茶化しや揶揄、派手な言葉の応酬がニュースとして報じられ、肝心の中身は議論されずに終わってしまう場面が増えている。
国民の生活が苦しい今こそ、政治家にはパフォーマンスではなく責任ある説明と政策提案が求められている。暫定税率の廃止は、ただの政争の具ではない。物価高や燃料費の上昇に苦しむ国民への、切実な支援策なのだ。
今回のやり取りが象徴するのは、与党の消極姿勢と、野党からの現実的提案への誠実な対応の欠如だ。「数は力」として法案を押し切ることと、国民に説明責任を果たすことはまったく別の話である。
7月の参院選を前に、こうしたやりとりが今後も続くことは避けられない。しかし、そこに本当に「国民の生活」が見えているかどうか、選ぶのは有権者自身だ。