2025-06-10 コメント投稿する ▼
愛知県がパソナと連携し外国人材受け入れ事業を開始 ベトナム・インドネシア対象に7,795万円投入へ
大村知事主導、外国人材受け入れに公費投入
大村秀章知事のもと、愛知県はベトナムおよびインドネシアからの高度外国人材の受け入れを強化するため、2025年度の新規事業として約7,795万円を投入する方針を明らかにした。この取り組みは、県内中小企業が直面する深刻な人材不足への対応として位置づけられており、民間人材派遣大手の株式会社パソナと連携して運営される。
事業の中心となるのは「海外オンライン合同企業説明会」で、7月19日にベトナム、8月23日にインドネシアを対象にそれぞれ開催される予定。各国ごとに10社程度の県内中小企業を募集し、大学在学中または卒業後の高度外国人材とのマッチングを図る。
パソナが運営を担う背景に懸念も
この事業の運営事務局を務めるのは、過去にも自治体との受託事業で注目されてきた株式会社パソナ。国の委託事業でも実績があるとはいえ、「またパソナか」といった声も一部には広がっている。とりわけ、税金を原資とした予算配分と、パソナの関与には慎重な検証が求められている。
県はこの事業の他にも、『外国人材受入サポートセンター(仮称)』の設置・運営を含む一連の支援策を実施予定で、総額7,795万円の予算は、こうした取り組み全体をカバーするものとされている。
正社員としての採用を想定、在留資格取得を見込む
説明会の対象となる外国人材は、在留資格「技術・人文知識・国際業務」などでの就労が可能な人々。日本国内に在住している外国人ではなく、海外在住の若者を直接ターゲットとすることが特徴で、県内に本社または事業所を有し、正社員としての採用を前提に人材確保を望む企業が対象となる。
出展企業の参加費用は無料で、愛知県が費用を全額負担する形だ。これにより、資金力の乏しい中小企業でも海外人材との接点を得られる環境が整えられている。
SNSでは賛否両論、「地元雇用を先に」との声も
今回の外国人材受け入れ支援策には、ネット上でもさまざまな意見が飛び交っている。人手不足を背景に歓迎する声がある一方で、税金の使途や地元雇用への配慮不足を懸念する声も根強い。
「人手不足の現場にはありがたい取り組み。即戦力がほしい中小企業には助かる」
「そもそもパソナに委託って時点で納得いかない」
「外国人の前に、県内の若者の雇用をもっと支援すべきじゃ?」
「税金を使うなら、ちゃんと成果の出る制度にしてほしい」
「外国人材が地元に定着するよう、生活支援までやってほしい」
こうした反応は、県民の税負担を前提とした公共事業である以上、説明責任がより重要になることを示している。
地域経済に貢献するか、それとも“受け入れありき”か
愛知県が狙うのは、製造業・サービス業を中心とする地元企業の活力回復と、国際的な人材流動性の確保による地域経済の底上げだ。しかし、その成否は「外国人材を受け入れること」そのものではなく、「いかに定着させ、地元と共生させるか」にかかっている。
就労ビザ取得支援だけでなく、生活環境・教育・日本語学習の支援が伴わなければ、せっかく採用された外国人材が短期間で離職してしまう可能性もある。また、制度の透明性や民間企業との関係性にも、より一層の監視と検証が必要とされるだろう。
大村知事のもとで展開されるこの外国人材支援事業が、単なる“数合わせの雇用対策”に終わるのか、それとも地域活性化の切り札となるのか。今後の運営と成果が注視される。