「自分の国は自分で守る」ために。田母神氏、国防軽視と日米安保の限界を指摘

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「自分の国は自分で守る」ために。田母神氏、国防軽視と日米安保の限界を指摘

その中で、田母神氏は日本の安全保障体制、特に日米安保体制の現状と、国防に対する国民の意識について、極めて厳しい見解を示し、「自分の国は自分で守る」という主体的な防衛体制の構築を訴えた。 田母神氏は、現在の日本の安全保障政策の根幹をなす日米安全保障条約についても、楽観視できない見解を示した。

2026年6月19日、千葉市中央区の京成ホテルミラマーレで開催された「千葉『正論』懇話会」において、元航空幕僚長の田母神俊雄氏が「日本再興のために」と題した講演を行った。その中で、田母神氏は日本の安全保障体制、特に日米安保体制の現状と、国防に対する国民の意識について、極めて厳しい見解を示し、「自分の国は自分で守る」という主体的な防衛体制の構築を訴えた。

国防への敬意欠如という現実


田母神氏は、講演の冒頭で「日本では国防に携わる人に敬意を払う国の形ができていない」と、現状を厳しく批判した。この言葉には、長年にわたり国民の生命と安全を守るために厳しい訓練に耐え、時には危険な任務に身を投じる自衛官や、国防の最前線で働く人々が、社会から十分に評価されず、時には揶揄や忌避の対象にさえなってしまう現状に対する、深い憂慮と憤りが込められていると推察される。

こうした状況は、国民の国防意識の希薄さや、あたかも戦争とは無縁であるかのような「平和ボケ」とも言える空気が、日本の社会に根強く存在することを示唆している。国防は、一部の専門家や自衛官だけが担うものではなく、国民一人ひとりが関心を寄せ、その重要性を理解すべき国家の根幹であるはずだ。

日米安保体制の限界と「自助」の必要性


田母神氏は、現在の日本の安全保障政策の根幹をなす日米安全保障条約についても、楽観視できない見解を示した。拡大抑止力によって一定の平和が維持されている側面は認めつつも、「仮に戦争になれば、米国が必ず日本を守ってくれるとは限らない」との見通しを述べ、その限界を指摘した。

これは、国際情勢が常に変動し、各国の国益が最優先される現実を踏まえた、極めて現実的な指摘と言えるだろう。有事の際に、自国の防衛を他国に全面的に依存する体制には、 inherent なリスクが伴う。

田母神氏は、このような状況を踏まえ、「自分の国は自分で守る」という原則、すなわち国防の主体性を確立することの重要性を、講演を通じて繰り返し強調した。これは、単なるスローガンではなく、具体的な国家戦略として追求されるべき課題であると訴えたのだ。

「自国で守る」ための具体策


では、どのようにして「自国で守る」ための強固な体制を構築すればよいのか。田母神氏は、その鍵として「主要兵器の国産化」を挙げた。現在の日本は、多くの基幹装備品について、技術や部品の多くを外国からの輸入に頼っているのが実情だ。

他国への依存度が高い現状では、有事の際に必要な装備を安定的に、かつ迅速に調達できる保証はない。また、先端技術の流出リスクや、他国の意向によって装備調達が左右される可能性も否定できない。主要兵器を国内で開発・生産する能力を持つことは、技術的な優位性を確保するだけでなく、防衛産業の育成や関連分野における雇用創出にも繋がり、経済安全保障の観点からも極めて重要であると、田母神氏は主張する。

法整備による自衛隊の能力向上


さらに、田母神氏は自衛隊の活動能力を飛躍的に向上させるための法整備の必要性も訴えた。具体的には、諸外国で広く採用されている「ネガティブリスト方式」による防衛法制の整備を提唱した。

これは、「原則として全ての活動を許可し、禁止されていることだけを明記する」方式であり、現在の日本の法体系(原則禁止で、例外的に許可された活動のみ可能とする「ポジティブリスト方式」に近い考え方)とは根本的に異なる。ネガティブリスト方式を採用することで、自衛隊がより迅速かつ柔軟に、刻々と変化する安全保障環境や多様な事態に対応できるようになる。これは、専守防衛という原則を堅持しつつも、実効性のある防衛力を確保するために不可欠な改革であると、田母神氏は力説した。

国民意識の変革が急務


田母神俊雄氏の講演は、日本の安全保障政策のあり方そのものに一石を投じるとともに、国民一人ひとりの国防に対する意識のあり方にも、改めて問いを投げかけている。「国防に携わる人に敬意を払う」こと、そして「自分の国は自分で守る」という気概を持つことが、真に独立した国家としての安全保障体制の礎となる。

田母神氏が提示した、兵器の国産化や法整備による自衛隊の能力向上といった具体的な提言は、現状の日本の安全保障政策が抱える課題を浮き彫りにし、将来にわたって国の独立と平和を確固たるものとして維持していくための、現実的な道筋を示すものと言えるだろう。国民が国防の重要性を再認識し、主体的な防衛体制構築に向けた議論を深めていくことが、今まさに求められている。

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2026-06-19 20:02:52(櫻井将和)

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