2025-06-13 コメント投稿する ▼
山本一太知事「市長は清水さん」発言が波紋 現職へ苦言も“挑発”と受け止められ物議
「私にとっては市長は清水さん」発言の真意は
群馬県の山本一太知事が太田市の清水聖義前市長と再会した際に発した「私にとってはずっと市長です」という一言が、政治的波紋を呼んでいる。13日の定例記者会見で山本知事はこの発言について、「もちろん、現在の太田市長は穂積昌信さん」と前置きしながらも、「私にとっては清水さん。それほど大切な方という意味だった」と、あくまで個人的な敬意を表したものであると説明した。
発言があったのは、11日に男子プロバスケットボール「群馬クレインサンダーズ」の後援会長として清水氏と再会した場面。かつて太田市政を20年以上にわたって牽引した清水前市長への功績を称える文脈での言葉だったが、一部報道では「選挙で市長が代わったのは紛れもない事実」と現職の穂積市長が発言したと報じられた。
これを受けて穂積市長サイドは県庁に「市長が激怒している。発言の真意を聞きたい」と問い合わせを行ったという。
「“私の中では”が余計だったと思う」
「昔の人を褒めたつもりでも、現職を否定してしまっては逆効果」
「山本知事はいつも余計なひと言が多い気がする」
「政治家なんだから発言の影響力をもっと意識すべき」
「本音かもしれんが、それを言うのがプロじゃない」
“激怒する暇があったらSUBARU救え”と反論
穂積市長サイドからの反応に対し、山本知事は「優しい穂積さんが激怒とは不思議だ」と述べつつ、「こんなことで激怒している暇があるなら、SUBARUを救うことを考えてほしい」と一転して厳しいトーンで反論。米国による関税引き上げが群馬県内産業に与える影響を念頭に、もっと現実的な問題に目を向けるべきだと苦言を呈した。
「私は清水さんを長年の同志、戦友として尊敬している。だが、太田市長は穂積さんだということも十分に理解している」と語り、「政治的な対立構図をあおろうとする報道や関係者の思惑には乗らない」とも強調した。
しかし、穂積市長側からは「発言は現職市長の正統性を軽視するものであり、行政関係者として不適切」との不満も出ており、事態は単なる“言葉の綾”では済まなくなっている。
山本知事のスタイルと“言葉の重み”
山本知事はこれまでにも歯に衣着せぬ発言で注目を集めてきた。SNSでの発信やメディア露出にも積極的で、時には政治的なタブーにも踏み込む姿勢を見せてきたが、今回のように個人的信頼関係を語る中で現職の立場を揺るがす発言をしてしまうのは、知事としての立場を考えれば慎重さを欠いた印象は否めない。
また、山本知事の「政治は現実の課題に立ち向かうものだ」という姿勢は評価される一方で、言葉遣いが不必要な波紋を生むリスクもあり、県政運営への影響を懸念する声も出ている。
「清水さんへの敬意はわかる。でも、それを公の場で言う必要あった?」
「知事と市長の関係が悪化すれば、市民サービスにも影響が出る」
「山本さん、言いたいことがあっても政治家は飲み込む時も必要」
「現職を軽視した印象を与えたのは間違いない」
「山本知事は言葉選びで損してるタイプだと思う」
“挑発”か“正論”か 知事発言が問うリーダー像
今回の発言は、一見すると一人の政治家の私見に過ぎないように見えるが、「政治家が誰に敬意を示し、誰と協調するか」という信号として受け取られる以上、象徴的な意味合いを持っている。
「昔からの信頼関係を否定しない」という山本知事の人間味あるスタンスは理解できるが、同時に「現職とどう向き合うか」は、政治の信頼構築そのものに直結する課題だ。
今後、山本知事が穂積市長とどう関係修復を図るのか。あるいはこの騒動を逆手に取り、さらに“改革型知事”として存在感を強めるのか。群馬の地方政治における“言葉の重み”が、あらためて問われている。