2025-05-10 コメント投稿する ▼
神道政治連盟と自民党議員、沖縄戦発言で波紋 西田昌司氏の歴史認識が批判を招く
西田昌司議員の発言、神道政治連盟の影響拡大が浮き彫りに
沖縄県那覇市で行われた憲法記念日のシンポジウムで、自民党の西田昌司参院議員(京都選挙区)が「ひめゆりの塔」の展示内容を「歴史の書き換え」と表現し、県内外で波紋が広がった。この発言は、沖縄戦の史実に対する西田氏の独自の歴史観を反映したもので、沖縄戦を経験した人々や県関係者から強い批判を浴びている。
西田氏の発言は、神道政治連盟(神政連)沖縄県本部や日本会議沖縄県本部が主催し、自民党沖縄県連が共催したシンポジウムで行われた。神政連は1969年に設立され、「日本の伝統文化を守り、後世に正しく伝える」ことを掲げる政治団体。自民党の有力議員が多く所属し、同団体の影響力は年々強まっている。
参院選に立候補する神政連国会議員懇談会
神道政治連盟国会議員懇談会には、衆院議員134人、参院議員79人、合わせて213人が所属。2025年夏の参院選には、この懇談会に所属する自民党公認候補が多数立候補を予定している。具体的には、比例区からは有村治子元女性活躍相ら3人、選挙区からは西田氏のほか、以下の候補者が出馬予定だ。
* 岩本剛人(北海道)
* 高橋はるみ(北海道)
* 沢求(青森)
* 森雅子(福島)
* 高橋克法(栃木)
* 古川俊治(埼玉)
* 堂故茂(富山)
* 宮本周司(石川)
* 滝波宏文(福井)
* 森屋宏(山梨)
* 牧野京夫(静岡)
* 酒井庸行(愛知)
* 吉川有美(三重)
* 西田昌司(京都)
* 加田裕之(兵庫)
* 堀井巌(奈良)
* 北村経夫(山口)
* 松山政司(福岡)
* 山下雄平(佐賀)
* 古賀友一郎(長崎)
* 馬場成志(熊本)
* 白坂亜紀(大分)
* 長峯誠(宮崎)
* 有村治子(比例)
* 赤池誠章(比例)
* 和田政宗(比例)
これらの候補者は、神政連の理念に賛同し、「日本の歴史と文化を正しく伝える」ことを支持している。
沖縄戦体験者と県知事の反発
西田氏の発言は沖縄県民の感情を大きく揺さぶった。沖縄戦を経験した90歳の玉寄哲永さんは「歴史を否定するような発言は許せない」と憤りを示し、玉城デニー沖縄県知事も「県民の心を深く傷つける」と厳しく批判した。
西田氏は当初、自らの発言を「事実を述べたもの」と主張し、撤回を拒否していたが、5月9日になり一部発言を撤回し謝罪。しかし、沖縄戦に対する自身の歴史観は変わらず、批判は続いている。
自民党の対応が問われる
西田氏の発言を受け、自民党内でも対応が注目されている。7日、石破茂首相は神道政治連盟の幹部と面会したが、西田氏の発言について明確な立場は示していない。8日の参院外交防衛委員会で日本共産党の山添拓議員が中谷元・防衛相に「自民党としての責任」を問いただしたが、中谷氏は「個々の議員の発言にコメントは控える」と言及を避けた。
今後の参院選で神政連国会議員懇談会所属の候補者がどのような発言や行動を示し、党としての姿勢がどう示されるのかが注目される。自民党の歴史認識や神道政治連盟との関係は、参院選に向けた重要な争点となりつつある。