2025-01-23
NTT法、当面維持へ 固定電話義務を一部緩和
政府は、NTT法の廃止を当面見送り、2025年1月24日に開会する通常国会において、NTT法の改正案を提出する方針を固めました。この改正案には、NTTに課せられている固定電話の全国一律サービス提供義務の見直しが含まれています。具体的には、他の事業者が存在しない地域に限定して固定電話提供の義務を負う方式への変更が検討されています。
2023年には、NTT法の廃止論が浮上しました。これは、防衛費増額の財源確保を目的として、政府が保有するNTT株の売却案が自民党内で提案されたことに端を発しています。しかし、その後、防衛財源としての活用論は沈静化し、2023年12月には自民党のプロジェクトチームが2025年の通常国会を目途にNTT法の廃止を求める提言をまとめました。また、昨年4月に成立した改正法の付則にも「廃止を含め検討」と記載されています。
NTT法は、公共性の高いNTTに対して様々な制約を課しています。その一つが、全国どこでも固定電話を提供しなければならない責務です。今回の改正案では、この義務を見直し、他の事業者がいない地域に限定して固定電話提供の責務を負う方式への変更が検討されています。これにより、NTTの負担軽減とサービス提供の効率化が期待されています。
一方で、NTT法の廃止については、電気通信事業法にNTTの責務などの規律を規定し、NTT法を廃止する案も議論されましたが、当面はNTT法を維持する方針です。これは、政治情勢の変化や公共サービスの安定供給を考慮した結果とされています。
今回のNTT法改正案の提出は、通信業界の規制緩和とサービス提供の柔軟性を高める一方で、公共性の高いサービスの安定供給を維持するバランスを取る試みといえます。今後の国会での議論とその行方が注目されます。
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2025-01-23 15:16:56(植村)
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