2025-01-19
令和7年度の財政赤字予測と石破首相の課題
政府は、国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)について、令和7年度も赤字になるとの試算を発表しました。昨夏の試算では34年ぶりの黒字化(8千億円)を見込んでいましたが、4・5兆円の赤字に変更されました。この結果、安倍晋三政権時に定められた黒字化達成の目標時期である令和7年度の達成が先送りされることとなりました。
【主な要因と影響】
経済対策による歳出増加: 昨秋の経済対策に伴う歳出増が主な要因です。物価高や能登半島地震などへの適切な対応は必要ですが、石破茂首相は対策の中身が固まっていない段階から前年の経済対策を上回る規模にする意向を示していました。これは、衆院選を意識して内容よりも規模を優先した結果、歳出が膨張し、PBを下押しする要因となった可能性があります。
PB黒字化の先送り: PBは社会保障や防衛、教育などの政策経費を主に税収で賄えているかを示す指標です。平成13年の小泉純一郎政権時から掲げられた黒字化目標は、達成時期が何度も先送りされ、現在は令和7年度となっています。昨秋の経済対策を裏付ける14兆円近くの6年度補正予算には7年度執行の事業も多く含まれ、これらがPB黒字化の先送りにつながりました。
今後の財政運営の課題: 政府は8年度の黒字化を見込んでいますが、少数与党の石破政権は野党との政策協議に応じざるを得ず、減税や歳出増の要請が強まる可能性があります。また、日銀が「金利のある世界」へと舵を切り、超低コストで新規国債を発行できる環境ではなくなってきています。過去に発行した国債の利払い費も増加しており、借金依存の財政を改善する取り組みは一段と重要になっています。
石破首相は「財政健全化の旗は降ろさない」と述べています。そのためには、具体的な戦略を示し、財政を適切に運営する覚悟と行動が求められます。
黒字化に固執し、必要な歳出を犠牲にするのは避けるべきです。経済情勢を考慮しながら、財政の持続可能性を高める努力が重要です。
財政健全化は、国民生活の安定や将来の世代への負担軽減に欠かせません。首相はその責任を自覚し、具体的な方策を実行すべきです。
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2025-01-19 11:22:14(植村)
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