2025-06-07 コメント投稿する ▼
トランプ氏の関心は中国に傾斜?日米経済交渉に暗雲 石破政権は自主戦略で交渉力を示せるか
トランプ氏の関心は中国へ? 経済安保で日米協調に暗雲 石破政権は自主路線強化の覚悟を
6月6日に行われた日米経済閣僚協議は、5回目を迎えてもいまだ具体的な合意に至らず、米国側の関心が日本から中国に移りつつある現実が浮き彫りとなった。赤沢亮正経済再生担当相は「引き続き協議を継続する」と語ったが、次回の日程さえ決まらない状況に、日本側の焦りもにじみ出ている。
懸念すべきは、米国がすでに英国や中国との関税交渉を前倒しで進め、優先順位の上で日本が後回しにされつつある点だ。トランプ政権は自国産業保護を軸とした通商戦略を再び鮮明にしており、経済的合理性よりも外交的・地政学的打算が前面に出ている。
トランプ氏の“現実主義外交”と日本の影
トランプ氏は在任中から「アメリカ第一主義」を掲げ、中国への対抗措置として関税戦争を展開してきた。そして現在もその方針は変わらず、9日にはロンドンで中国との第2回経済協議を実施。ベセント財務長官らが、中国のレアアース輸出規制や産業補助金問題を議題とする予定だ。
この状況に対し、赤沢氏は「(米国側が)ロンドンに行っている最中に協議するのは難しい」と述べ、日本との交渉が後回しにされている現状を認めた。日本政府内では「米国の交渉順位が下がっている」との懸念が広がっており、先に英国・中国と合意を済ませた米国の動きに翻弄されている格好だ。
かつて米高官が「日本が列の先頭にいる」と語っていたにもかかわらず、今やその順番は不確かなものとなっている。これは単なる外交戦略の変化というより、我が国が“従属的”姿勢から脱却できていないことの表れとも言える。
関税協議に見える“受け身外交”の限界
日米の間で最大の対立点となっているのが、自動車・鉄鋼・アルミニウムへの追加関税の撤廃問題だ。日本側は、これらの関税を全て撤廃し、「相互関税」原則に基づき対等な条件を求めている。だが米国は、自動車関税を協議の対象から除外する姿勢を崩しておらず、そもそもこの分野では妥協する気配すら見せていない。
背景にあるのは、トランプ政権が関税収入を米国内の減税原資に充てる方針だ。ここに至っては、米国が減税で自国経済を守る一方で、日本は関税をかけられながらも給付金頼みの経済対策という、あまりに非対称な現実が露呈している。
真の経済安全保障とは、国益を守る戦略と一体であるべきだ。米国の関心が中国や英国に傾く中、日本はなおも“配慮外交”に終始し、要求を押し返すだけの交渉力を持ち得ていない。
経済安保分野で日本は主導権を握れるか
こうした中、日本政府は経済安全保障分野での協力を米国に持ちかけている。レアアース、半導体、造船といった分野での共同投資や技術協力が提案されているが、果たしてこれが米国の関心を再び日本に引き寄せる決定打となるのかは不透明だ。
加えて、小泉進次郎農相が発言した「コメの緊急輸入」案が米側に伝えられているが、これも本質的には“譲歩のカード”にすぎず、外交的な主導権を握る材料とは言い難い。重要なのは、米国との対等な交渉の場を築くために、日本が自国の戦略的価値をどれだけ明示できるかだ。
今後の焦点は、今月中旬に予定されている日米首脳会談で合意に至るか否かに移る。石破政権にとっては、この会談を夏の参院選に向けた実績アピールの場とする構えだが、単なる“成果演出”で終わるのか、あるいは実効性ある合意にこぎつけるのかが問われる。
対米依存の限界と、日本独自の経済戦略の必要性
今回の交渉の難航は、日本がいかに米国に依存しきっているかを浮き彫りにした。トランプ氏のように自国の利益を最優先にする指導者に対しては、「信頼関係」や「日米同盟」の言葉だけでは通用しない。必要なのは、自国の経済・技術・資源を戦略的に使いこなし、真の意味で“対等なパートナー”として交渉できる国家体制だ。
その一環としても、日本は「減税」を通じて自国経済を内側から強くし、民間投資を促す体制を整えるべきである。バラマキ型の補助金や給付金では、外交でも経済でも主体性は築けない。国民の活力を引き出し、技術開発やエネルギー投資での自立性を高めてこそ、米中の間で確かな存在感を持つことができる。
米国との連携は重要だ。しかしその実現には、日本が「自立した経済安保国家」としての意思と行動を示す必要がある。石破政権には、いまこそその覚悟が求められている。
ネットの声:トランプ傾斜に不安と冷静な視線
「結局、日本はまた蚊帳の外。アメリカの関心は中国にしかない」
「石破政権、交渉下手すぎる。もっと戦略を持って米国に当たるべき」
「経済安保って言うなら、自分たちで資源政策や減税から始めてほしい」
「トランプって一貫してるよな。アメリカの利益しか考えてない」
「米国のご機嫌取りより、まず国内経済を強くして自立しろ」
日本国内のネット世論は、米国依存への疑念とともに、政府の主体性不足に対する批判が目立つ。外交の成否は、単に合意できたかどうかではなく、どれだけ自国の利益を守れたかで評価される。国民もそこを見ている。