2025-04-13 コメント: 1件 ▼
若者の信頼、取り戻せるか──自民・中曽根青年局長が語る再生への道
「党内野党」としての青年局
全国の45歳以下の国会・地方議員、民間人や学生ら約2000人で構成される自民党青年局。中曽根氏は「我々は“党内野党”として、自民党を中から変える存在だ」と語る。各地の議員から上がってくる現場の声を丁寧に拾い上げ、執行部に届ける。それが青年局の役割だという。
とりわけ強く耳にするのが「政治とカネ」の問題への怒りだ。「地方議員の中には“いったい自民党は何をしてくれているんだ”という声が根強い」と中曽根氏。国民の期待に応えきれていないとの自覚がにじむ。
若年層の不信、なぜ広がったのか
若者の自民離れ。その背景にあるのは、物価高と実感のない賃上げ、将来不安、そして「政治不信」だという。中曽根氏は「特に30〜40代は子育て世代でもあり、日々の暮らしに直結する問題に対する政策の打ち出しが遅かった」と振り返る。
政策はあっても伝わらないジレンマ
「手取りを増やす」「教育費の軽減」といった議論は党内でも行っていたというが、発信の力不足は否めなかった。結果的に、国民民主党などが先にメッセージを打ち出し、評価を得た。「我々は与党として慎重になる分、伝え方がどうしても浅くなってしまう」と中曽根氏は悔しさをにじませる。
まずは“政治とカネ”に決着を
党への信頼回復の第一歩は、政治資金問題にけじめをつけることだと中曽根氏は強調する。派閥の解散や、裏金議員の公認見送りなど、党としての対応は続けてきたが、「国民の考える“けじめ”とはずれているかもしれない」と素直に認める。
「制度改正は当然だが、結局は政治家一人ひとりが変わらないとダメ。“信頼を失うとどうなるか”を一人ひとりが自覚すべきだ」と訴えた。
青年世代に向けた具体策は?
青年局としては、現役世代・子育て世代の“負担を減らす”政策に力を注ぐ考えだ。物価高の中での生活支援、子育ての負担軽減、就職や働き方における選択肢の拡充など、「暮らしの実感」に寄り添う取り組みを進めたいという。
同時に「外交や安全保障といった国家の根幹にかかわる政策でも、ぶれない幹を示していく」と、中長期的な国家像の提示にも意欲を示した。
“声を上げる”ことの大切さ
中曽根氏は、青年局が「党内で最初に冷たい海に飛び込むペンギン=ファーストペンギン」であるべきだと語る。風向きの厳しい中、正面から信頼回復に挑む姿勢が、若者との距離を縮める鍵になるかもしれない。
「自民党は変わるべきだし、変われる」と語るその目には、揺るぎない決意が宿っていた。