2026-07-07 コメント投稿する ▼
築128年「櫟本駅」が宿泊施設に変身!地域活性化への期待
築128年を迎えるJR櫟本(いちのもと)駅の駅舎が、1日1組限定の宿泊施設「CEUEU(セウエウ)櫟本駅」として生まれ変わったのです。 駅舎の北側にある待合室は、当時の面影を残す形で保存され、南側の、かつて駅員が宿直や業務を行っていたスペースが、宿泊施設として見事にリノベーションされました。 - 奈良県天理市に、築128年の櫟本駅が宿泊施設「CEUEU櫟本駅」として生まれ変わった。
歴史ある駅舎に新たな命を吹き込む
櫟本駅は、万葉集の故地としても知られる桜井線(万葉まほろば線)に位置し、1898年(明治31年)の開業以来、120年以上にわたり地域の玄関口として親しまれてきました。木造平屋建ての趣ある駅舎は、その歴史的価値から多くの人々に愛されてきましたが、時代の流れとともに駅の無人化が進み、建物の活用が課題となっていました。
こうした中、JR西日本は駅舎を天理市に譲渡しました。市は民間事業者からの活用アイデアを公募し、その結果、京都の町家再生などで実績のある「立志社」(京都市下京区)が事業者に選定されました。歴史的建造物を現代的な魅力を持つ宿泊施設へと再生させるプロジェクトが始動したのです。駅舎の北側にある待合室は、当時の面影を残す形で保存され、南側の、かつて駅員が宿直や業務を行っていたスペースが、宿泊施設として見事にリノベーションされました。
「夜行列車の気分で」体験型宿泊施設
この「CEUEU櫟本駅」の最大の特徴は、そのコンセプトにあります。それは「夜行列車の気分で、駅舎に泊まる。」という、鉄道ファンならずとも心躍る体験です。客室は約36平方メートル(ロフト部分含む)と、決して広々としているわけではありませんが、その空間には細部にまでこだわりが詰まっています。
床や天井には奈良県産の木材がふんだんに使用され、温かみのある空間を演出しています。ミニキッチンや冷蔵庫、半露天の浴室も完備され、快適に過ごせるよう配慮されています。窓からは、発着する電車を間近に望むことができ、まるで駅の一部になったかのような感覚を味わえるでしょう。
さらに、かつて他の駅で実際に使用されていた電光掲示板や、窓口の仕切り板、そして電車のつり革といった鉄道グッズがインテリアとして巧みに配置されています。これらのアイテムが、訪れる人々に懐かしさと非日常感を提供します。電車がホームに入ってくる際の「ガタゴト」という振動さえも、この宿ならではの魅力として楽しむことができるのです。まさに、歴史ある駅舎そのものが、宿泊客を特別な時間へと誘う舞台となるわけです。
鉄道遺産の新たな活用モデル
櫟本駅の事例は、JR西日本管内において駅舎そのものを宿泊施設として活用する初のケースであり、画期的な取り組みと言えます。全国各地に存在する、利用者が減少したものの、歴史的・文化的価値を持つ駅舎は数多く存在します。それらの多くが、建物の老朽化や維持管理の難しさから、その役割を終えようとしていました。
しかし、今回の櫟本駅のように、地域の自治体と民間事業者が連携し、創意工夫を凝らすことで、歴史的建造物に新たな命を吹き込み、地域活性化の起爆剤とすることが可能であることを示しました。これは、単なる観光施設の整備にとどまらず、失われつつある鉄道文化を次世代へと継承していく上でも、非常に意義深い試みではないでしょうか。
関係者の期待:地域活性化への貢献
7月4日に行われた開業記念式典には、関係者約40人が出席し、その門出を祝いました。立志社の前田弘二社長は、「鉄道好きにはたまらないホテルが完成した」と喜びを語り、「今後、沿線地域の古民家の活用などにも取り組み、万葉まほろば線の魅力発信と地域活性化につなげていきたい」と、今後の展望を熱く語りました。
また、天理市の並河健市長も、「櫟本駅を起点として、県内に点在する世界遺産や数々の文化財へと人々をつなぎ、奈良県全体をさらに盛り上げていきたい」と、大きな期待を寄せています。この宿泊施設が、櫟本駅周辺のみならず、天理市、さらには奈良県全体の観光振興に貢献していくことが期待されるでしょう。
宿泊料金は、1泊2人以上で1人あたり1万2100円からとなっており、最大4人まで宿泊可能です。この特別な体験は、多くの人々にとって忘れられない思い出となるに違いありません。
まとめ
- 奈良県天理市に、築128年の櫟本駅が宿泊施設「CEUEU櫟本駅」として生まれ変わった。
- 駅舎の北側は待合室として保存され、南側は宿泊スペースにリノベーションされた。
- 宿泊施設は「夜行列車の気分で、駅舎に泊まる。」という体験を提供。
- 地域活性化に向けた新たなモデルとして、関係者の期待が寄せられている。