2026-07-25 コメント投稿する ▼
高市早苗首相が中東危機に対応 原油調達7月・8月とも前年比10割達成の見通し
2026年2月末、米国とイスラエルによるイランへの攻撃でホルムズ海峡が事実上封鎖状態となり、原油輸入の9割超を中東に依存してきた日本のエネルギー供給に深刻な影響が生じました。高市早苗首相は2026年7月の関係閣僚会議で、7月・8月ともに原油の代替調達が前年同月比約10割を達成できる見通しを明らかにし、第3弾の国家備蓄放出を見送ることを発表しました。シンナー直販スキームの立ち上げや医療用手袋の備蓄放出、建設資材の供給支援など、国民生活と産業活動への影響を最小化する取り組みが成果を上げており、現場からの不安の声は8割以上減少しています。引き続き、代替調達のさらなる拡大と流通の早期正常化が急がれています。
原油調達が7月・8月ともに前年比10割へ回復、第3弾備蓄放出を見送り
2026年2月28日、米国とイスラエルがイランを攻撃したことをきっかけに、エネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡が事実上封鎖状態となりました。日本は原油輸入の9割超を中東に依存してきただけに、供給不安は深刻で、原油価格の高騰が国民生活のさらなる負担となっています。
政府は官民連携のもと、アジア太平洋、中南米、中央アジア、アフリカなど中東以外への調達先の多角化を急いできました。4月の調達率は約25%(日量59万バレル)にとどまっていましたが、5月は約62%(日量146万バレル)、6月は約82%(日量194万バレル)と段階的に改善してきました。
2026年7月には日量約240万バレルを確保し、前年同月比で約10割の調達が実現できる見通しとなりました。高市早苗首相が2026年7月の関係閣僚会議で明らかにしたもので、8月についても現時点で前年平月比約10割の調達に目途が立っています。
米国からの原油調達は前年同月比で約10倍に達する見通しで、代替調達の多角化が着実に成果を上げています。
このため、政府は7月も第3弾の国家備蓄放出を行わないことを決定しました。高市首相は「今後も代替調達を進め、備蓄の放出を抑えながら日本全体として必要となる量を確保していく」と強調しています。
原油の話でようやく前向きなニュースが出た。備蓄を切り崩さずに済むなら国民としても安心できます
塗料・シンナーの直販スキームが稼働、現場の不安が8割以上減少
中東情勢の混乱でナフサ原料の調達が滞り、特に塗料・シンナーの品薄が建設・塗装現場で深刻な問題となっていました。政府はこの「目詰まり」の解消に向け、2026年6月23日からシンナーメーカーが工務店や自動車整備業などの最終需要家へ直接販売する仕組みを立ち上げました。
2026年7月20日時点で51件・1,696リットルの申し込みがあり、申し込み件数は横ばい傾向となっています。高市首相は「必要とされる事業者の方々に、行き渡りつつある」と述べています。
また、トルエン等のシンナー原料については、石油元売りからシンナーメーカーへ直接供給することで最大で例年の1.8倍の供給量を確保するスキームも進んでおり、2026年7月20日時点で14件の申請があり、供給が順次開始されています。ナフサについても米国などからの輸入代替が3倍に増加し、年度を超えて供給可能な見通しを維持しています。
直販の仕組みができてから、塗料が手に入らなくて工事が止まる心配がなくなりました
国土交通省が一人親方や工務店等を対象に実施した第2回アンケート(2026年6月30日~7月9日)では、塗料・シンナーを必要量確保できず工事に大きな影響が出ていると回答した件数が第1回(2026年6月3日~6月12日)の198件から48件へと大幅に減少しました。シンナー及び潤滑油の直販スキームの活用等により、一人親方などからの塗料・シンナーへの不安の声、自動車整備工場などからのエンジンオイルへの不安の声は、ともに8割以上減少しています。
シンナーの問題が少しずつ落ち着いてきた。直販ルートができてようやく先が見えてきた感じです
医療用手袋の備蓄放出進む、配布対象医療機関が急速に縮小
医療現場への影響についても、政府の対応が着実な成果を上げています。国は中東情勢を踏まえ、備蓄するニトリル・PVC製の医療用手袋について、2026年5月18日から医療機関等の要請に応じて5,000万枚の放出を開始しました。
購入実績の約6割がSサイズだったことを踏まえ、2026年6月22日からは追加分のSサイズ2,000万枚の順次放出も始まっています。2026年7月15日時点で8,873の医療機関等が配布対象(最大約3,490万枚)となり、2026年7月19日時点では4,921の医療機関等が約2,172万枚を購入しました。
配布対象医療機関の数はピーク時の2,769機関(2026年5月18日~20日要請分)から直近の219機関(2026年7月9日~15日要請分)まで大幅に縮小しており、不足感は緩和傾向にあります。
手袋が手に入らなくて診療に支障が出そうで心配でしたが、備蓄の放出が始まってから状況が改善されています
建設資材の供給状況も大幅改善、医療分野の目詰まり111品目が解消へ
建設・住宅資材全般の供給状況についても、政府の取り組みが着実な改善をもたらしています。国土交通省が251団体(加入企業数・構成員数:約26,000社、約59万人)を対象に実施した第2回アンケートでは、「一部資材の必要量を確保できず、工事に大きな影響が生じている」と回答した件数が第1回(2026年6月3日~6月12日)の742件から、第2回(2026年6月30日~7月9日)の149件へと約80%減少しました。
資材別では、塗料・シンナーが198件から48件、断熱材が126件から24件、塩ビ管が103件から11件へとそれぞれ大幅に減少しています。一方で引き続き確保に苦労しているとの声もあり、政府は供給の偏りや目詰まりの解消に向けた取り組みを続けています。
医療分野では「目詰まり」が確認された114品目のうち111品目について、解消または解消の道筋が立ちました。さらに、パン・菓子等販売店や園芸農家の包装資材・農業資材の不足についても、プッシュ型調査を通じて把握した目詰まりの99%が解決されています。
梱包資材がずっと手に入らず困っていましたが、ようやく状況が改善されてきました
高市首相は「高市内閣は、代替調達の促進と目詰まりの解消を進め、国民の命と暮らし、そして経済活動に支障が生じないよう全力で取り組む」と強調しています。2026年2月の中東情勢の悪化から約5か月が経過し、エネルギー・物資の安定供給に向けた取り組みは一定の成果を上げつつあります。
今後も代替調達のさらなる拡大と流通の早期正常化が求められています。
まとめ
・2026年2月末の米国・イスラエルによるイラン攻撃でホルムズ海峡が事実上封鎖され、日本の原油調達は4月に前年比約25%まで急落した
・官民連携による代替調達の多角化で、2026年7月・8月ともに前年同月比約10割の調達が見通しとなり、第3弾の国家備蓄放出は見送り
・米国からの原油調達が前年同月比で約10倍に拡大し、調達先の多角化が大きく進んだ
・2026年6月23日開始の塗料・シンナー直販スキームにより、現場の不安の声が8割以上減少
・医療用手袋5,000万枚+追加Sサイズ2,000万枚の備蓄放出が進み、配布対象医療機関数がピーク2,769機関から219機関まで大幅縮小
・一人親方・工務店等への調査で「影響大」と回答した件数が742件から149件に激減
・医療分野の目詰まり114品目中111品目が解消または解消の道筋が確定
・パン・菓子等販売店や園芸農家の資材不足も99%が解決