2025-10-27 コメント投稿する ▼
高市早苗首相、フィリピンと物品役務相互提供協定に原則合意 日本8か国目の締結へ
2025年10月26日、マレーシアで行われた高市早苗首相とフェルディナンド・マルコス・フィリピン大統領との首脳会談で、日本とフィリピンが物品役務相互提供協定の締結に原則合意したことが明らかになりました。 実は今回の物品役務相互提供協定の原則合意に先立ち、2025年9月30日にフィリピン・セブ島沖で発生したマグニチュード6.9の地震への人道支援で、相互アクセス協定が初めて適用されました。
日本とフィリピンが安保協力を強化する背景
今回合意された物品役務相互提供協定は、自衛隊とフィリピン軍が食料、燃料、輸送、医療サービス、弾薬などを相互に提供できる仕組みを定めるものです。共同訓練や平和維持活動、人道支援活動などの際に、両国の部隊が必要な物資や役務を円滑に融通し合えるようになります。
この協定の背景には、南シナ海における中国の海洋進出があります。中国はフィリピンの排他的経済水域内でも領有権を主張し、海警局の船舶による威圧的な行動を繰り返しています。2025年10月12日にも、南シナ海の南沙諸島パグアサ島付近で中国船舶がフィリピン政府の船に故意に衝突する事件が発生しました。国際仲裁裁判所は2016年に中国の主張を退ける判決を下しましたが、中国はこれを無視し続けています。
こうした状況下で、日本とフィリピンは自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた戦略的パートナーとして、安全保障面での連携を強化してきました。2024年7月には両国の外務・防衛閣僚会合で相互アクセス協定が署名され、2025年6月に日本の国会で承認、9月11日に発効しています。
「これで日本とフィリピンの関係が本当に強くなるね」
「中国の横暴に対抗するには同盟国との協力が必要だ」
「災害支援でも役立つし、良い協定だと思う」
「南シナ海の平和を守るためには日米比の連携が重要」
「高市首相の外交デビューとしては上々のスタートだ」
セブ島地震での人道支援に初適用
実は今回の物品役務相互提供協定の原則合意に先立ち、2025年9月30日にフィリピン・セブ島沖で発生したマグニチュード6.9の地震への人道支援で、相互アクセス協定が初めて適用されました。この地震では死者72人、行方不明者559人、被災者約7万7000人という甚大な被害が発生しました。
日本の航空自衛隊は10月7日から11日にかけて、KC-130H空中給油・輸送機と隊員約30人をフィリピンに派遣し、物資輸送支援を実施しました。中谷防衛相は当時「日本とフィリピンとの間の防衛協力がかつてないほど進展をしている証だ」と強調しました。相互アクセス協定の発効からわずか1か月足らずで実際の人道支援活動に活用されたことは、両国の協力関係の実効性を示すものとなりました。
日本が締結するACSAは8か国目へ
日本はこれまで、アメリカ、オーストラリア、イギリス、カナダ、フランス、インド、ドイツの7か国と物品役務相互提供協定を締結してきました。フィリピンとの協定が正式に署名・発効すれば、日本にとって8か国目の締結国となります。
特に注目すべきは、日本が相互アクセス協定を締結しているのはオーストラリア、イギリスに続いてフィリピンが3か国目であることです。相互アクセス協定は部隊の相互往来を円滑にする仕組みで、物品役務相互提供協定と組み合わせることで、より実効性の高い安全保障協力が可能になります。
高市首相は会談で「自由で開かれたインド太平洋の実現に向け戦略的パートナーであるフィリピンとの関係を一層強化していきたい」と述べました。また経済分野では、インフラの強靭化推進を支援する意向を表明しました。2026年はフィリピンが東南アジア諸国連合の議長国を務める予定で、日本との国交正常化から70年目の節目でもあります。マルコス大統領は会談冒頭で、高市首相にフィリピン訪問を呼びかけました。
国益に沿った外交姿勢を評価
高市早苗氏は従来から、国益を明確に説明した上での海外支援の重要性を主張してきました。今回の物品役務相互提供協定も、単なる一方的な支援ではなく、日本の安全保障環境の改善に直結する相互協力の枠組みです。南シナ海の安定は、日本のシーレーン(海上交通路)の安全確保にも不可欠であり、フィリピンとの協力強化は日本の国益に合致します。
また今回の協定は、単に軍事面だけでなく、セブ島地震のような災害時の人道支援にも活用できる点が重要です。国民の税金を使った海外支援が、どのように日本の国益につながるのかを明確に示すことは、国民の理解を得るために必要不可欠です。高市政権の外交姿勢は、こうした説明責任を果たす方向性を示していると言えるでしょう。