2025-10-21 コメント投稿する ▼
高市早苗首相がガソリン暫定税率速やかに廃止を明言、103万円の壁引き上げも
高市首相は同日開催される初閣議で経済対策の策定を指示する考えを示し、「物価高対策としてガソリン暫定税率を速やかに廃止するとともに、野党のみなさまの意見にも耳を傾け、年収103万円の壁を引き上げて手取りを増やす」と述べました。 高市首相は会見で、物価高対策の柱としてガソリン暫定税率の廃止を最優先課題に掲げました。 高市首相はまた、「年収103万円の壁」を引き上げる考えも示しました。
ガソリン暫定税率の速やかな廃止を明言
高市首相は会見で、物価高対策の柱としてガソリン暫定税率の廃止を最優先課題に掲げました。暫定税率とは、1970年代の道路整備財源確保とオイルショック対策として導入された暫定的な措置で、ガソリン税では1リットルあたり25.1円、軽油引取税では17.1円が上乗せされています。2009年に道路財源から一般財源化された後も「当分の間税率」として現在まで継続されてきました。
廃止が実現すれば、ガソリン価格は1リットルあたり25.1円安くなります。野党7党が既に提出している暫定税率廃止法案が今回の臨時国会で成立する可能性が高まりました。自民党は10月22日、立憲民主党に来年2月の施行を提案しています。現在の物価高は数十年に渡る自民党の失策であり、一刻の猶予も許されない減税や財政出動が求められています。
「やっとガソリンが安くなる、生活が楽になる」
「減税は必要だけど地方財政への影響が心配」
「給付金より減税の方が効果的だと思う」
「暫定税率廃止は長年の懸案だった、英断だ」
「物価高対策として実感できる政策だ」
103万円の壁引き上げで手取り増加へ
高市首相はまた、「年収103万円の壁」を引き上げる考えも示しました。103万円の壁とは、給与所得控除55万円と基礎控除48万円の合計103万円を超えると所得税が課税され、配偶者控除も段階的に縮小される仕組みです。この壁がパートタイム労働者の就業調整を生み、人手不足の一因となってきました。
野党の意見にも耳を傾けるとした高市首相の姿勢は、少数与党の政権運営を見据えたものです。自民党と日本維新の会の連立政権は衆参両院で過半数に満たない少数与党であり、野党の協力なくして政策実現は困難です。103万円の壁引き上げは、国民民主党が強く主張してきた政策でもあり、野党との協力関係構築の試金石となります。
決断と前進の内閣、国益を守り抜く
高市首相は会見冒頭、総裁選終了後に組閣まで時間を要したことを陳謝した上で、新内閣を「決断と前進の内閣」と命名しました。「強い日本経済をつくり上げ、外交安全保障で日本の国益を守り抜く」と強調し、「国家国民のためであるならば、決してあきらめない」と所信を表明しました。
臨時国会では、経済対策の財源の裏付けとなる2025年度補正予算案や、与野党が合意した年内のガソリン税暫定税率廃止のための法案が審議される見通しです。会期は12月17日までの58日間で、高市首相の所信表明演説は10月24日に行われる予定です。
外交日程も目白押し
高市首相は10月26日からマレーシアを訪問し、東南アジア諸国連合関連首脳会議に出席します。帰国後には来日するトランプ米大統領と会談し、月末には韓国でのアジア太平洋経済協力会議首脳会議も控えています。
高市首相は会見で「日米同盟をさらなる高みに引き上げる」と強調し、同志国やグローバルサウス諸国との協力拡大も進めるとしました。安全保障政策では「安保三文書」の前倒し改定を進める考えを表明しています。
日銀との連携は維持
市場では日本銀行の金融政策をめぐる首相の姿勢に注目が集まっています。高市首相は「日銀と連携を密にし、意思疎通を図っていく」と述べ、政府と日銀が2013年にまとめた共同声明について「今の段階で直ちに見直すことは考えていない」と語りました。
高市首相の経済政策は、減税と可処分所得の拡大に重点を置く方針を鮮明にしています。ガソリン暫定税率廃止と103万円の壁引き上げは、いずれも国民生活に直結する施策であり、物価高に苦しむ家計を底上げする効果が期待されます。
維新との連立合意に感謝
高市首相は日本維新の会との連立政権合意に感謝を述べつつ、少数与党での政権運営となることについては、早期の衆院解散を否定し、経済対策に全力を挙げる姿勢を強調しました。維新は当面閣僚を出さない「閣外協力」にとどめますが、政策面での協力体制を築いています。
就任初日から減税や可処分所得の拡大を打ち出す姿勢を明確にした高市首相の手腕が問われます。財源確保の課題はありますが、物価高対策として国民が実感できる政策を速やかに実行することが、少数与党政権の求心力維持につながります。歴代政権が先送りしてきた暫定税率廃止に初日から着手する姿勢は、「決断と前進の内閣」の看板にふさわしいスタートと言えるでしょう。