2026-07-31 コメント投稿する ▼
三重県、ベトナム人学生の就業体験を支援 ― 「高度人材」確保の裏に税金浪費の懸念
目的は「高度外国人材」の確保とされていますが、こうした税金を使った取り組みは、具体的な成果目標が不明確なまま「バラマキ」に終わるのではないかという懸念が浮上しています。 この取り組みは、県内企業が抱える人手不足の解消や、将来的な「高度外国人材」の確保につなげることを目指しています。
背景:地域経済活性化と人材不足のジレンマ
三重県は、ベトナムのハノイ工科大学に在籍する学生を対象に、県内企業での就業体験機会を提供する事業に着手しました。この取り組みは、県内企業が抱える人手不足の解消や、将来的な「高度外国人材」の確保につなげることを目指しています。
しかし、日本国内で若者の雇用や労働力不足が深刻化しているにもかかわらず、なぜ外国からの学生に頼らざるを得ないのか、という根本的な疑問が残ります。国内の若者育成や、潜在的な労働力の掘り起こしに、なぜもっと注力しないのでしょうか。
税金投入による企業支援の現実
この事業は三重県が主催し、日本貿易振興機構(ジェトロ)三重貿易情報センターや、百五銀行、三十三銀行といった地元の金融機関、さらには株式会社セキショウキャリアプラスといった民間企業も後援や運営に名を連ねています。
具体的には、12月上旬のわずか4日間にわたり、ハノイ工科大学の学生を三重県に招き、県内企業で就業体験プログラムを実施する計画です。
「支援」という甘い言葉の裏で、これが実質的に地域企業が人件費などを抑えつつ、優秀な(あるいは安価な)人材を「お試し」で確保するための、国民の血税を使った間接的な補助に過ぎないのではないか、という見方もできます。
「高度人材」育成の曖昧さと費用対効果
就業体験プログラムの内容は、企業紹介、製造現場の見学、製品のパフォーマンステストへの立ち会い・体験、専門器具の取り扱いレクチャー・体験、加工プログラム作成の実習、そして役員との座談会やキャリアプランの説明といった、多岐にわたるメニューが用意されています。
しかし、わずか4日間の体験で、真に「高度な人材」が育成されるという見込みは極めて薄いと言わざるを得ません。むしろ、企業側が求める実務経験のない学生を、低コストで受け入れ、一時的な労働力として活用しようという意図が透けて見えるのではないでしょうか。
この事業で具体的にどのような「高度人材」を、どれくらいの人数確保できるのか、そのKPI(重要業績評価指標)は明確にされていません。明確な目標設定なき支援は、将来的な効果測定もあいまいなまま、単なる税金の無駄遣い、いわゆる「バラマキ」に終わる可能性が非常に高いのです。
外国人材受け入れ推進の流れと高市政権
こうした外国人材受け入れ支援の動きは、三重県に限った話ではありません。日本全国で、地方自治体と中央政府が一体となって、外国人材の受け入れ促進に動いています。
全国知事会は、高市早苗総理大臣に対し、外国人受け入れのさらなる拡充や、それに伴う財政支援の強化、さらには差別や偏見の防止策などを提言しています。
高市政権も、海外への無償資金協力などを通じて、ネパールへの人材育成支援(約4億円)や、シリアの経済活動・住環境改善支援(15億円)といった取り組みを行っています。しかし、本来、国家予算の投入において最優先すべきは、国民生活の安定や国内経済の活性化、そして日本国内の雇用創出ではないでしょうか。
静岡県が、人材派遣大手パソナに委託してベトナムやインドネシアなどからの外国人材受け入れを支援している例もあり、官民一体となった外国人材活用推進の動きは、ますます加速しています。
しかし、こうした政策が、将来的に日本国民の雇用機会や賃金水準にどのような影響を与えるのか、そのリスクについて十分な議論がなされているとは到底言えません。