茨城県、農産物輸出120億円突破の背景 - 常陸牛・焼き芋の「攻め」戦略

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茨城県、農産物輸出120億円突破の背景 - 常陸牛・焼き芋の「攻め」戦略

特に、茨城県が誇るブランド和牛「常陸牛」や、アジア市場で熱い支持を集める「焼き芋」が、輸出額拡大の大きな推進力となりました。 農産物だけでなく、加工食品分野においても、輸出額は前年度比15%増となりました。 県は、こうした農産物・加工食品の輸出拡大を、将来的な国内市場の停滞を見据えた極めて重要な経営戦略と位置づけています。

茨城県の2025年度における農産物および加工食品の輸出額が、初めて120億円の大台を突破し、121億円を超えるという快挙を達成しました。これは前年度比で27%もの大幅な増加となります。この背景には、国内市場の将来的な縮小を見据え、大井川和彦知事が先頭に立って推進してきた、海外販路開拓に向けた戦略的な取り組みの成果が色濃く表れています。特に、茨城県が誇るブランド和牛「常陸牛」や、アジア市場で熱い支持を集める「焼き芋」が、輸出額拡大の大きな推進力となりました。

国内消費の壁、海外に活路


日本の将来における人口減少と少子高齢化は、食料品市場にとって避けては通れない構造的な課題です。食料の「胃袋の縮小」とも形容される国内市場の停滞は、多くの自治体や食品関連企業にとって、需要の維持・拡大を困難にしています。このような厳しい事業環境の中、茨城県は早くから海外市場を新たな成長の「柱」と位置づけ、積極的にその開拓を進めてきました。

大井川知事の強力なリーダーシップのもと、県は「第3次総合計画」において、2029年度までに農産物・加工食品の合計輸出額を186億円にまで引き上げるという、野心的な目標を掲げています。この目標達成に向けた着実な歩みが、今回の過去最高額の更新につながりました。

「常陸牛」ブランド、世界へ羽ばたく


今回の輸出額拡大を最も力強く牽引したのは、畜産分野でした。昨年度の県産畜産物の輸出額は、前年度比72%増という驚異的な伸びを記録しました。この目覚ましい成長の立役者となったのが、茨城県が誇るブランド和牛、「常陸牛」です。特に米国市場への輸出が、全体の伸びを大きく後押ししました。

県関係者は、「県内の生産農家と、国内の大手食肉輸出事業者との間で、粘り強い仲介や調整を重ねてきた戦略が、ようやく実を結びました」と、その手応えを語っています。さらに、カナダや英国といった国々においても、現地の著名なシェフや有力バイヤーを招いた試食会や情報発信イベントが開催されており、「常陸牛」のブランド認知度は着実に高まっているようです。

こうした地道で継続的な国際的なプロモーション活動が、海外における新たな需要を着実に掘り起こしていると言えるでしょう。

アジアで「焼き芋」ブーム、地道な販促が実を結ぶ


畜産分野に続き、青果物分野でも輸出額は前年度比61%増と、目を見張る好調ぶりを見せました。特に、アジア圏における「焼き芋」人気は目覚ましいものがあります。タイやシンガポールをはじめとする国々では、茨城県産のさつまいも(かんしょ)を使った焼き芋が、手軽で美味しいスイーツとして現地の人々に広く受け入れられ、輸出量を着実に伸ばしています。

県産品販売課の担当者は、「現地の大手量販店に焼き芋機を持ち込み、実演販売を行うといった地道なプロモーションを、ここ5年ほど継続してまいりました。こうした草の根レベルでの販売促進活動が、現在の旺盛な需要を支えているのです」と、その成果を分析しています。食のトレンドに合わせたきめ細やかなアプローチが、実を結んでいるようです。

また、米の輸出についても、欧州での販路拡大が寄与し、同17%増と堅調に推移しました。

加工食品も堅調、水産分野で成果


農産物だけでなく、加工食品分野においても、輸出額は前年度比15%増となりました。菓子や調味料といった既存品目の輸出が安定して推移したことに加えて、意欲的な事業者が多い水産加工食品分野におけるビジネスマッチング支援が、輸出拡大に大きく貢献した形です。

県は、こうした農産物・加工食品の輸出拡大を、将来的な国内市場の停滞を見据えた極めて重要な経営戦略と位置づけています。経済成長が著しいアジアなどの地域を、新たな「稼ぎ頭」として育成していく方針を明確に打ち出しています。

過去最高を5年連続更新、さらなる高みへ


茨城県の農産物・加工食品の輸出額は、昨年度まで実に5年連続で過去最高を更新し続けています。これは、県が長年にわたり地道に続けてきた海外プロモーションやビジネスマッチングといった努力の積み重ねが、ようやく大きな成果として目に見える形で現れ始めたことを明確に示しています。

大井川知事も、「これまで我々が開拓してきた販売チャネルが、着実に成果を上げています」と、その手応えを強く感じており、今後、さらに高い目標設定も見据えているようです。人口減少という国内の構造的な課題に直面しながらも、茨城県は海外市場への積極的な「挑戦」を通じて、持続的な成長を目指していく姿勢を鮮明にしています。これは、他の地方自治体にとっても、示唆に富む取り組みと言えるのではないでしょうか。

まとめ


  • 茨城県の農産物・加工食品輸出額が、昨年度に初めて120億円を突破し、121億円超えとなった。
  • 国内市場の縮小を見据えた大井川和彦知事主導の海外販路開拓戦略が奏功した。
  • ブランド和牛「常陸牛」の米国向け輸出が畜産分野を力強く牽引した。
  • アジア市場では、タイやシンガポールを中心に「焼き芋」ブームが青果物輸出を押し上げた。
  • 加工食品分野も堅調で、特に水産加工食品へのビジネスマッチング支援が成果を上げた。
  • 輸出額は5年連続で過去最高を更新しており、県は今後もさらなる拡大を目指す方針である。

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2026-07-04 08:33:58(櫻井将和)

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