2025-07-01 コメント投稿する ▼
米国が日本に防衛力強化を要求 日米外相会談で見えた軍事圧力と関税バーター外交の実態
米国が日本に防衛力強化を要請 関税交渉の裏に見える軍事的圧力
日米外相会談で浮き彫りになる防衛費問題と米国の思惑
「防衛は日本の判断」と言いつつ…実質的には圧力?
安全保障と貿易交渉が交錯する日米の力学
ワシントンで7月1日に行われた日米外相会談は、通商問題と安全保障が深く結びつくことをあらためて印象づけるものとなった。岩屋毅外相とルビオ国務長官の協議では、日米同盟の「抑止力と対処力」の強化が確認され、表向きは両国の結束をアピールした形だ。しかし、実際には米国からの防衛費増額圧力が色濃くにじんでおり、その背景にはトランプ政権の貿易政策とリンクした外交戦術が見え隠れする。
「防衛力強化は日本の判断」と強調するも、現実は米の意向
会談でルビオ長官は「防衛力強化の重要性」を改めて提起。日本にも軍事費の増加を求める姿勢を崩さなかった。岩屋氏は記者団に「日本自身の判断として防衛力の抜本的強化を進めていく」と語ったが、それが果たしてどこまで自主的な判断なのか、疑問が残る。
米国は第1次トランプ政権から一貫して、同盟国に対し「応分の負担」を要求しており、特に在日米軍の駐留経費については増額を求めてきた。今回の会談では「具体的な金額には触れていない」と説明されているが、会談そのものが米国の圧力装置であることは間違いない。
すでに日本は防衛費を年々増額しており、防衛装備品の米国依存度も高まっている。F-35戦闘機やイージス・アショアの導入など、米国からの装備購入は日本の防衛政策を「国産の判断」から逸脱させつつある。日本の主権的判断を強調する言葉とは裏腹に、現実には米国の軍需産業を潤すための「義務的支出」が拡大しているのだ。
「結局、日本が財布として扱われてるだけじゃないか」
「自主防衛じゃなくて、アメリカ製兵器を買えって話だよね?」
「米国の都合で防衛費増やされて、国民生活はどこへ?」
「同盟と言いつつ、命令にしか聞こえない」
「そのカネで減税してくれよ。なんでアメリカの言いなりなんだ」
関税協議と抱き合わせの“軍事ディール” 見え隠れするバーター外交
今回の会談では、米国が進める関税政策についても議論され、「関税協議を後押しする」ことで一致したとされる。だがこの一文には、通商と防衛がバーター取引のように連動している現実が透けて見える。
トランプ氏はすでに日本に対し、「交渉がまとまらなければ30%、35%の関税を課す」と発言しており、経済だけでなく安全保障まで含めた「全方位外交圧力」をかけてきている。今回の防衛強化要請は、そうした圧力外交の一環と見るべきだろう。
外交の名のもとに行われているのは、実質的な“取引”だ。防衛費を増やせば、関税を多少緩める。アメリカ製の武器を買えば、通商協議で譲歩してもらえる。こうした構造は、日米同盟を対等なパートナーシップではなく、「従属関係」に変質させかねない。
「台湾海峡の安定」や北朝鮮問題では一致も…本当に日米の共通利益か?
会談では、台湾海峡の安定や北朝鮮の非核化、さらには日本人拉致問題についても意見が交わされ、いずれも「共通の目標を確認」したと報じられた。確かに表面的には一致しているが、日本の防衛力増強がこれらの問題解決に直結する保証はない。
特に台湾問題については、アメリカが軍事的衝突も辞さない構えを見せている一方で、日本の防衛法制は専守防衛が原則だ。米国の戦略に巻き込まれることで、日本が想定外の戦争リスクを負う懸念が高まる。
北朝鮮問題も然り。日本人拉致の即時解決が国民的課題であることに疑いはないが、米国が実際にそれを外交カードとして重視しているかは心許ない。対中国包囲網の一環として日本を軍事的に組み込もうとしている側面が強い。
日本に求められる“国益の自覚” 外交も防衛も自主の視点で
今、問われているのは「日米同盟の強化」ではなく、「日本としてどう行動すべきか」という国益の視点だ。防衛費の増額が既定路線とされるなかで、誰がどこまで責任を取るのかが曖昧なままになっている。
日本の財政状況を鑑みれば、防衛費の際限ない拡大は現実的ではない。国民生活を圧迫し、増税か社会保障の削減かという選択を迫ることになりかねない。であればこそ、まずは防衛費の使途と意義を丁寧に説明し、透明性の高い議論が必要だ。
また、外交面でも「米国が言うから」ではなく、「日本にとって必要か否か」で判断する視点が欠かせない。日本の文化、経済、安全保障がかかっているからこそ、すべてを米国に委ねるのではなく、自らの意思で道を切り拓く覚悟が求められている。