2025-08-01 コメント投稿する ▼
参政党・神谷代表、記者との応酬再燃 「知る権利」めぐる攻防と民主主義の試練
参政党・神谷代表と神奈川新聞記者が再び応酬 「知る権利」めぐる攻防
「謝罪する気はない」神谷氏、前回の記者排除を正当化
8月1日、参政党が行った記者会見の場で、神谷宗幣代表と神奈川新聞記者との間に再び緊張が走った。前回7月22日の会見で、神奈川新聞記者の入場が許可されなかった問題について、同記者が「知る権利が奪われた」と抗議し、謝罪を求めた。これに対し神谷氏は、「謝罪する気は全くありません」と明言。謝罪を拒否する理由として「選挙期間中、その記者が参政党に抗議するアンチと共に行動していた」と指摘した。
神谷氏は、「その記者はプラカードを掲げて大声を上げる人たちとともに何度も街頭に来た。あの人はあっちに行け、あなたはこっちに行けと指示を出すような行動も確認している」と語り、通常の記者の取材姿勢とは異なると主張。「選挙妨害と一体化していると見なされた以上、現場の判断で排除するのは当然」と述べ、正当性を強調した。
事前登録制の混乱 「通知できていなかった」と釈明も
神谷氏によれば、参院選後から記者会見の出席は事前登録制とされており、神奈川新聞記者はその登録をしていなかったという。「通知がちゃんとできていなかった」と釈明しつつも、「現場のスタッフが混乱を懸念して判断した」と繰り返した。
今回は登録を済ませたため、会見への出席が認められたが、同記者は「前回の対応は誤りだったと認めたのか」と問うた。これに対し神谷氏は、「前回の対応は防衛措置として必要だった」とし、記者個人ではなく、その周囲の状況を踏まえた判断だったと説明した。
「報道の自由と選挙妨害の線引き、難しい問題だ」
「記者も公共の場では節度を持つべき。抗議行動と一緒にいたら誤解されても仕方ない」
「知る権利を守るなら、党側も記者側も冷静に対応すべき」
「神谷代表の対応は一貫してるが、排除が正当化されすぎるのは危うい」
「両者に言い分がある。だからこそ公開の場で堂々とやりとりすればいい」
こうした有権者の声には、神谷氏の主張に理解を示しつつも、報道機関と政党の関係性に対する慎重な視点がにじむ。
聴衆の「知る権利」か、報道の「知る権利」か
今回の問題で浮き彫りになったのは、「知る権利」の主体が誰であるかという根源的な問いだ。神谷氏は、「我々の街頭演説に集まった人々は、政治的メッセージを聞きに来ている。その場を混乱させる者と行動を共にする記者は、聴衆の知る権利を侵害している」とし、会見参加の制限も「防衛措置」と位置づけた。
一方で、記者側は「報道機関の知る権利が制限された」としており、双方の主張は真っ向から対立する形となっている。
問題の根幹には、報道機関と政党、そして市民との信頼関係の崩壊がある。街頭演説の妨害、記者による過度な関与、党側の選別的な排除――それぞれの行動がもたらす影響を冷静に見つめ直す必要がある。
「開かれた政党」であり続けられるか
参政党はSNSなどを通じて急速に支持を広げた新興政党であり、「既存メディアに依存しない情報発信」を強みとしてきた。その一方で、メディアとの距離感は当初から緊張をはらんでいた。今回の件も、その延長線上にある。
神谷代表が語るように、党の秩序維持や聴衆の保護という観点は重要である。しかしそれが「都合の悪い記者の排除」にも映りかねない。参政党が「開かれた民主主義」を掲げる以上、報道機関との関係のあり方が、党の真価を問う大きな試金石となる。
今後、参政党がどのように透明性と対話の姿勢を確保し、言論空間の健全性を保つのか。小さな対立のように見えて、その帰結は民主政治のあり方そのものに波及する可能性がある。