2025-07-22 コメント投稿する ▼
参政党・神谷宗幣代表、次期衆院選で40議席目指す スパイ防止法案提出も視野に
次期衆院選へ「40議席」目標を明言
参政党の神谷宗幣代表は、7月22日の記者会見で次期衆議院選挙に向けて「40議席の獲得」を目指す方針を明言した。昨年10月の衆院選では小選挙区と比例代表を合わせて95人を擁立しており、今回も全国11ブロックすべてで候補を立て、議席獲得を狙うと強調した。
「前回と同じ程度は出したい。全国11ブロックすべてで議席を獲得したい」と述べ、党勢拡大に自信をにじませた神谷氏。参政党は同日、次期選挙に向けた候補者の公募も開始し、草の根からの人材登用を強化していく姿勢を見せた。また、年内に地方議員数を200人規模に増やす構想も明らかにし、地域政党としての地盤強化にも力を入れる構えだ。
他党との連携は「白紙」 独自色を維持
神谷氏は他党との連携について「全く白紙」と語り、現時点で特定の政党と手を組む意図はないことを明確にした。まずは党内の体制整備を優先するとした上で、「党独自の法案を提出するには、他党の協力も必要になる。そこは柔軟に対応していきたい」とも述べ、戦略的な協力の可能性を否定しない姿勢も示した。
実際、政策面では共闘の可能性がある。今秋召集が見込まれる臨時国会に向けて、参政党は「スパイ防止法案」の提出準備を進めていることを明らかにした。現在は参院法制局との間で具体的な条文調整が進められており、法案としての提出は目前とみられる。
神谷氏は「日本にはスパイ防止法が存在せず、情報漏洩や外国勢力による干渉への抑止力が極めて弱い」と危機感を強めており、「国家の安全保障を真剣に考えるなら、今こそスパイ防止法が必要だ」と訴えている。
連立は「自公」ではなく多党制モデルを視野
また記者会見では、選挙後の政権構想についても言及した。神谷氏は「与党は自民、公明というイメージでは考えていない。欧州型の多党連立政権の可能性も視野に入れている」と述べ、現状の二大与党体制への距離を取る姿勢を示した。
これは、近年の国民民主党の躍進など中道・保守勢力の再編を背景にした発言とも受け取れる。参政党は「保守×改革」の立ち位置を掲げており、左右の対立ではなく現実的政策による政界再構築を訴えてきた。
市民の反応もさまざまだ。
「自公に代わる選択肢が必要。その筆頭が参政党だと思う」
「スパイ防止法はどの党もやらない中で、具体的に動いているのは評価できる」
「40議席は簡単じゃないけど、地方からの積み上げはリアル」
「移民優遇や外国勢力の影響を食い止めたい。参政党にはその視点がある」
「神谷さんは理想論だけじゃない。現実的に交渉できる力をつけてきた」
石破首相の責任論にも言及
会見では、参院選で大敗を喫した石破茂首相(自民党総裁)の続投表明についても記者団から質問が飛んだ。神谷氏は「責任の取り方として辞任という選択もあり得たのではないか」と率直に述べ、石破政権の姿勢に疑問を呈した。
選挙で民意が示されたにもかかわらず、政権が継続することへの違和感は、参政党に限らず国民の一部にも共有されている。特に今回の参院選では、若年層を中心に自民・公明の支持が低下したとの分析もある。
神谷氏のこの発言は、既存政党の構造そのものへの警鐘とも受け取れる。
参政党は2025年の衆院選を政界再編のチャンスと位置付けている。40議席という数字は決して低くない目標だが、草の根からの候補者擁立や地方議員拡大、さらに具体的な法案提出によって存在感を強めている。与党でも野党でもない“第三の選択肢”としての立場を貫きつつ、現実政治にも踏み込もうとする動きが、今後どこまで有権者に支持されるのかが注目される。