2025-11-26 コメント投稿する ▼
参政党“統制優先”で内紛処理 梅村みずほ氏解任で見えた“脆さ”
2025年11月26日、参政党の神谷宗幣代表は、梅村みずほ参議院議員を党のボードメンバー(役員会構成員)から解任すると発表しました。 つまり、解任されたのは役職であり、議員資格そのものは維持される見込みだと報じられています。 一方で、今回の処分は「懲戒」ではなく「役職解任」という形にとどめられており、党と梅村氏との関係断絶を意味するものではない、との見方もあります。
経緯と解任の理由
2025年11月26日、参政党の神谷宗幣代表は、梅村みずほ参議院議員を党のボードメンバー(役員会構成員)から解任すると発表しました。あわせて、参院国会対策委員長の役職も25日付で外され、解任は党としての公式な処分であると明言されました。
神谷代表はこの決定について、「決めたルールを守らないと組織は維持できない」と述べ、「泣いて馬謖(ばしょく)を斬るような判断だった」と説明しました。
具体的には、党が定めた「情報管理の徹底」を要求する内規に対し、梅村氏が無断で週刊誌の取材に応じたことが主な理由とされます。神谷氏は「注意をしていたが、(報道が)ガイドライン通りでなかった」「個人でコメントすべきではなかった」と述べ、党の統制と規律を重視する姿勢を強調しました。
党内対立の背景
今回の解任に至った背景のひとつには、同党のボードメンバーであり、政調会長補佐の豊田真由子氏との確執があります。報道によれば、豊田氏は執務スペースを巡る党内の配置を巡って梅村氏に不満を抱き、「地下に閉じ込められるような気か!」「私を地下に閉じ込めておく気か!」などと激昂したという証言が、週刊誌で報じられていました。
党公式側はこれら報道を受け、両誌からの取材に対して党として回答を先行公開する対応を取っています。豊田氏は神谷代表の指示によって執務にあたっていたと説明され、名誉毀損や印象操作を警戒する声明も出されました。
参政党は今年夏の参院選で大きく躍進しました。梅村氏は当選を機に参政党へ入党し、比例代表で議席を得た経歴があります。つまり、解任されたのは役職であり、議員資格そのものは維持される見込みだと報じられています。
党の統制と今後の内部懸念
神谷代表は今回の決断を「苦渋の判断」だと述べつつ、「実績や能力があっても、規律を緩めれば統制は効かなくなる。参政党がバラバラになる」と強く警告しました。これは、党の拡大とともに党内の統一性や規律保持を優先する姿勢を示すものです。[1])
一方で、今回の処分は「懲戒」ではなく「役職解任」という形にとどめられており、党と梅村氏との関係断絶を意味するものではない、との見方もあります。今後、梅村氏がどういう立ち位置で党活動や国会活動を続けるかが注目されます。
ただ、参政党はここ数か月で元自民党議員・元維新議員らを相次いで受け入れており、「党内に“色”の違う人間が混ざりすぎている」との批判もあります。また、秘書募集など人材確保を進める動きもありますが、党の統制を維持できるかは未知数です。
参政党の今後と国政への影響
参政党は解任後の体制について、参院国対委員長を従来の幹事長である安藤裕参院議員が兼務することを明らかにしました。これにより、国会対策の意思決定が幹部に集中する構図が強まりそうです。
神谷代表は演説などで、今後の課題として国旗損壊罪の創設やスパイ防止法の制定、消費税減税および積極財政の推進を挙げ、「方向性を示してくれれば補正予算にも賛成する。普通の予算にも賛成する」と表明しました。これは、党が単なる野党枠にとどまらず、政策実現を目指す姿勢を示す発言です。※演説の場での発言として報じられています。
一方で、外国人労働者受け入れ制度(特定技能)の拡大に対し、副代表の吉川里奈氏は慎重な姿勢を示しています。「日本文化や税金を納める外国人とは共存できるが、単なる“安い労働力”としての受け入れは問題だ」と述べ、ビザの悪用事例への懸念と制度の整理を主張しました。これまで党が打ち出してきた排外主義的色彩を新たに強調する構えです。※吉川氏の発言も報道によるものです。
今回の一連の動きは、参政党が急拡大の過程で党としての統制とイメージ管理をどう維持するかが問われるターニングポイントとなる可能性があります。党の今後の方針や地方組織の動向、そして国会での影響力の行方に注目が集まります。