2025-10-27 コメント投稿する ▼
参政党、国旗損壊罪初の単独法案提出 神谷宗幣代表、自民・維新と協力呼びかけ
改正案では、日の丸を侮辱する目的で損壊するなどした場合に2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金を科すことを規定しています。 現在の刑法92条では、外国に対して侮辱を加える目的で外国の国旗を損壊・汚損した場合、2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金に処すると明記されています。
参政党は10月27日(2025年)、日本を侮辱する目的で国旗を傷つける行為を罰する「日本国国章損壊罪」を盛り込んだ刑法改正案を参議院に単独で提出しました。参政党による法案の単独提出は結党以来初めてとなります。同党は自民党(自由民主党)と日本維新の会(日本維新の会)に協力を呼びかけており、3党がそろえば衆参両院で過半数に達し、可決・成立が現実的となります。
法案の具体的内容と背景
改正案では、日の丸を侮辱する目的で損壊するなどした場合に2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金を科すことを規定しています。神谷宗幣(かみや そうへい)参政党代表は記者団に対し、外国の国旗損壊罪が刑法に存在することに触れて「他国の国旗も我が国の国旗も同じように扱う至極真っ当な要求だ」と法案提出の意義を強調しました。
法案提出の背景には、参院選での街頭演説の際に国旗にバツ印を付けるなどして演説を妨害する人がいたという経験があります。神谷代表は「国家に対する冒涜(ぼうとく)だ」と述べ、法制化の必要性を訴えています。
「外国の国旗はダメで、自国の国旗は良いというのはいびつだった」と神谷代表は指摘しました
「他国の国旗も大事にすべきだし、自国の国旗も大事にされなければならない」という主張に共感する声が上がっています
「法案成立で、国旗を尊重する精神が広がるといいですね」という期待の声もあります
「表現の自由との関係が気になりますが、どうなるんでしょう」という懸念も示されています
「国旗を侮辱する行為は許されるべきではない」という支持の意見が存在します
現行法の矛盾と国際的背景
現在の刑法92条では、外国に対して侮辱を加える目的で外国の国旗を損壊・汚損した場合、2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金に処すると明記されています。ただし、同条では日本国旗については規定されていない矛盾が存在していました。
日本国旗を損壊した場合、現状では器物損壊罪(3年以下の懲役または30万円以下の罰金)が適用されるだけです。参政党や推進派は、この不均衡が「敗戦国だから」という歴史的背景に由来するとも主張してきました。
なお、国際的には多くの国が自国の国旗損壊に対する刑罰を規定しています。フランスは公衆の面前での侮辱行為に最高7500ユーロの罰金、ドイツは3年以下の自由刑、韓国は2年以下の懲役などを科すとされています。
自民・維新との連携と3党協調の見通し
自民党と日本維新の会は10月20日(2025年)に署名した連立政権合意書に、2026年通常国会における「日本国国章損壊罪」の制定を明記しています。自民党は2012年に同様の法案を提出していますが、当時は廃案に終わっていました。高市早苗(たかいち さなえ)現首相が結党当初から改正を主張してきた課題です。
参政党は7月の参院選で14議席を獲得し、非改選議席と合わせて15議席となりました。参議院では予算を伴わない法案の提出に11議席が必要とされており、参政党はこの基準を超えています。神谷代表は「独り占めする気は更々ない。なるべく多くの合意を取り付けて法制化したい」とコメントし、3党が協調すれば衆参両院で過半数に達する可能性を示唆しています。
表現の自由との議論
一方、この法案に対しては憲法学者や弁護士から懸念が示されています。2012年の法案提出時、日本弁護士連合会は「損壊対象となる国旗を官公署に掲げられたものに限定していないため、国旗を政府批判の表現方法として用いる行為なども処罰対象に含まれかねず、表現の自由を侵害するおそれがある」との声明を出していました。
香港での国旗侮辱罪による逮捕事例などを挙げ、表現活動者の自由が制限される危険性を警告する専門家も存在します。ただし、提出者側は「侮辱を加える目的」という要件が限定的な適用を担保すると主張しており、今後の国会審議でこの点が焦点となる見通しです。
参政党の国会での位置付け
参政党は2020年の参院選で国政政党入りし、2024年衆院選では3議席、そして今夏の参院選では大幅に勢力を拡大しました。同党は「日本人ファースト」をスローガンに、減税や移民・難民政策の見直し、スパイ防止法制定などを掲げています。神谷代表は、現段階での自民党との連立政権参加を明確に否定しており、次期衆院選で35~40議席の獲得を目指すと述べています。