2025-09-30 コメント投稿する ▼
参政党神谷宗幣代表「日本人ファーストは差別でない」日本語学校経営者と対談
参政党の神谷宗幣代表が2025年9月30日、東京都内で八重山日報の島尻昇社主と対談し、参政党が掲げる「日本人ファースト」の理念について「外国人差別ではない」と強調しました。 神谷代表は対談で、参政党が掲げる「日本人ファースト」の理念について説明しました。 参政党は2025年7月の参院選で「日本人ファースト」をキャッチコピーに掲げ、「行き過ぎた外国人受け入れに反対」を訴えました。
神谷宗幣氏は1977年生まれの48歳で、福井県出身です。早稲田大学を卒業後、テレビ番組制作会社に勤務しました。2007年に大阪府吹田市議会議員に初当選し、2期務めました。2015年にインターネット番組「CGS」を立ち上げ、保守系の論客として知られるようになりました。2019年に参政党を設立し、2022年の参院選で初当選しました。2025年7月の参院選では「日本人ファースト」を掲げて14議席を獲得し、党勢を大きく拡大しました。
「日本人ファーストは当然のことで、差別でも何でもない」
「外国人留学生の労働時間拡大には賛成だけど、参政党の政策と矛盾してない?」
「神谷さんの発言は選挙の時と違うように感じる」
「日本語学校経営者との対談って、利害関係者じゃないの」
「参政党は外国人受け入れ反対じゃなかったの?」
日本人ファーストは外国人差別ではないと強調
神谷代表は対談で、参政党が掲げる「日本人ファースト」の理念について説明しました。神谷氏は「外国人差別ではない」と強調し、一部メディアが「外国人差別」と報じていることを「レッテル貼り」だと批判しました。むしろ差別を「しっかり止めていく立場」だと述べ、参政党の姿勢を明確にしました。
参政党は2025年7月の参院選で「日本人ファースト」をキャッチコピーに掲げ、「行き過ぎた外国人受け入れに反対」を訴えました。政策カタログには「帰化要件の厳格化」「外国人への生活保護支給を停止」といった施策を並べました。各地の街頭演説会場では、こうした主張に反対する人らが「差別ノー」といったプラカードを掲げて抗議しました。
神谷代表は選挙期間中、「日本人ファースト」について様々な発言をしてきました。2025年7月15日には「選挙のキャッチコピーですから、選挙の間だけなので、終わったらそんなことで差別を助長するようなことはしません」と述べ、批判を浴びました。その後、2025年9月7日の読売テレビ「そこまで言って委員会エヌピー」に出演し、竹田恒泰氏や橋下徹氏の助言を受けて「次の選挙のキャッチコピーは日本ファーストでいく」と宣言していました。
今回の対談で神谷代表が改めて「日本人ファースト」について説明したのは、この理念が外国人差別ではないことを明確にする狙いがあったとみられます。
外国人留学生受け入れに理解を示す
神谷代表は対談で、外国人留学生の受け入れについて理解を示しました。神谷氏は「外国人留学生に日本の文化や日本人の国民性を学んでいただくことで、のちに本国に戻ったあと、両国の懸け橋の役割を果たしてもらうことが期待される」と述べました。
一方で神谷代表は、留学生が事実上の職業斡旋ビジネスで入国したり、独自の生活習慣に固執して日本文化に適応しないケースを懸念しました。神谷氏は「学生として日本語を勉強して、日本を好きになってもらってから就労してもらうというプロセスが大事」とし、適切な受け入れプロセスの重要性を強調しました。
この発言は、参政党が掲げてきた「行き過ぎた外国人受け入れに反対」という方針と整合性があります。外国人を一律に排除するのではなく、日本の文化や生活習慣を理解した上で受け入れるべきだという立場です。しかし選挙期間中の過激な発言とは異なり、より現実的で柔軟な姿勢を示したとも言えます。
日本語学校経営者の島尻社主が労働時間拡大を訴え
対談相手の島尻昇氏は、八重山日報の社主であり、ジェイエスエル日本アカデミーの理事長として沖縄と東京で外国人留学生向けの日本語学校を経営しています。島尻氏は対談で、自らが経営するジェイエスエルが日本語教育のほか、日本に適応するための生活指導に力を入れていると説明しました。
島尻氏は沖縄の労働力不足について「コンビニなどはネパール人のアルバイトがいないと成り立たない」と述べ、現在週28時間以内に制限されている外国人留学生の資格外活動時間を35時間に拡大すべきと訴えました。これは現状より7時間の拡大です。
外国人留学生の資格外活動は、学業に支障をきたさない範囲で認められています。現在は週28時間以内に制限されていますが、実際には労働力不足を補うために多くの留学生がアルバイトをしています。島尻氏の主張は、この現実を踏まえて制度を柔軟にすべきだというものです。
島尻氏はまた「日本がしっかりしていなければ、日本語教育も日本語学校も成り立たない」と、日本が魅力ある国であり続ける大切さを力説しました。この発言は、外国人留学生を受け入れる側として、日本自身が魅力的な国であり続けることの重要性を指摘したものです。
参政党の政策との整合性に疑問も
今回の対談で神谷代表が示した姿勢は、参政党がこれまで掲げてきた政策と整合性があるのか、疑問の声もあります。参政党は選挙で「行き過ぎた外国人受け入れに反対」を訴え、「外国人への生活保護支給を停止」といった厳しい政策を掲げていました。
しかし今回の対談では、外国人留学生の受け入れに理解を示し、島尻社主が訴える資格外活動時間の拡大にも否定的な反応を示しませんでした。これは参政党の支持者の中にも、外国人留学生の労働力に頼らざるを得ない事業者がいることを考慮したものとみられます。
参政党は2025年7月の参院選で14議席を獲得し、党勢を大きく拡大しました。しかし選挙期間中の神谷代表の発言は二転三転し、批判を浴びました。「日本人ファースト」についても「選挙の間だけ」と発言して炎上し、その後「日本ファースト」に変更すると表明していました。
今回の対談は、島尻社主の要請で行われました。島尻氏は日本語学校経営者として、外国人留学生の受け入れ拡大に利害関係があります。参政党が外国人政策で現実的な路線を模索する中で、利害関係者との対話を重視する姿勢を示したとも言えます。
神谷代表の「日本人ファーストは外国人差別ではない」という主張は、参政党の政策が排外主義ではないことを強調するものです。しかし選挙期間中の過激な発言や、その後の発言の変遷を考えると、参政党の外国人政策がどこに向かうのか、注視する必要があります。日本の労働力不足は深刻であり、外国人労働者なしには成り立たない産業も多くあります。参政党がこの現実とどう向き合うのか、今後の政策運営が試されます。